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運営の謝罪

いまさらだけど自分MMORPGやったことないです。オンラインゲームといえばPSO2というゲームはやった事があるくらいですね。

あと、自分まだ社会人ではないのでわからないことだらけです。今回は間違ってる事が沢山あるかもしれません。暖かい目で見守ってくれると助かります。

間違っている場所を指摘してくれると幸いです。

 「やあ、時間を取らせてしまってすまないね、来てくれてありがとう」


 俺は先ほど運営からのメッセージで特別な部屋に来ていた。

 街の本当にどこにでもあるような家の地下室である。

 しかし中は打って変わって厳重な防音施設になっていた。

 その部屋の真ん中には白い長机、よく会議で使われるだろう物があり、俺を呼んだ相手はその脇にあるパイプ椅子に座っていた。俺も遠慮がちに椅子に腰を下ろす。

 目の前に居るのはどこにでもいそうな冒険者の装備を身に付けている男だ。

 髪はウルフカットになっていて、年齢は三十代くらいの中肉中背で穏やかな表情をしている。


 「私は『MBF』のプロデューサーの林信一郎です。だよろしく」

 「運営の人ですよね?」

 「うん、そうだよ。その中でも上の方のね」


 それから林プロデューサーはバツの悪のそうな顔をした。


 「まず君のアバターとコスチュームの件なんだけど······」

 「やっぱりバグとか何かなんですか?」

 「いや、そう言う訳じゃないんだ。まずは順を追って話そう」


 すると目の前に大きなウィンドウが開かれ指をさす。


 「まず最初に君が外見の写真を撮った、そこは良いんだ。この機械は五万人の外見を本に男女を区別出来てその顔をゲームでも使えるようにするシステムになっている、しかし君は顔が中性的過ぎたのかも知れない、そのせいで機械が誤認してしまって女としてのアバターが完成してしまったということなんだよ」


 俺の顔が中性的過ぎるのは自分でも承知している。

 小中学校の時よく女装させられて物凄い恥ずかしい思いをしたのも未だに覚えていたりする。

 ゲームの中でまさか同じような事が起きてしまうとは······


 「アバターはバグと言うよりは誤認という訳ですね」

 「そうだ、理解が早くて助かる。そしてコスチュームの方はこれは固有スキルの付属品なんだ、先ほど言った事で察していると思うが君のデータを確認させてもらった。色々とすまない」


 そのまま席を立ち律儀に謝ってきた。

 これは林さんのケジメなのだろう。


 「いや、もう良いですよ。それよりあのコスチュームどうにかなりませんか?」


 林さんは顔を上げウィンドウを閉じた。


 「それなら3日後のアップデートの時に君のコスチュームを変えておくよ、それも物凄く良いやつにね」

 「感謝します」


 それで話は終わったと思い席を立つ。


 「あ、ちょっと待ってくれ、まだ話はあるんだ」


 俺は何かと思い首を傾げたが林さんはもう一度席に座って欲しいと促す。


 「それで何か他にあるんですか?」

 「君のステータスについてだよ」


 俺はステータスの事を思い出す。

 そういえば固有スキルが二つあったな······


 「君の固有スキルは二つあるでしょ?それはこのゲームの仕様なんだ」

 「これこそバグじゃないですか?」

 「これはこのゲームを盛り上げる為に作られたものなんだ。まあ、贔屓していると思うだろうけど、ランダムでこれはわざとこうしたんだ。やっぱりゲームには勇者的存在が必要だからね」


 さすがにゲームを盛り上げる為であっても贔屓してはいけないんじゃないじゃないだろうか。

 ゲームは最初が平等だから競争が起こると俺は思っている。

 逆に最初から不平等だとやる気を無くしてしまう事も考えられる。


 「贔屓ではないのでしたら林さんはどう考えていますか?」

 

 「これは固有スキルと同じように、良いスキルを得る事が出来るか出来ないかの違いと同じだと私は思っている」


 なるほど、そういう捉え方もあるのか、確かに固有スキル二つはランダムだと言っているからな。

 完全に納得はしてないがそういう事にしておこう。

 そして俺はふと少し前に気になった事があったので良い機会なので聞いてみる事にした。


 「このゲームってなんでこんなにリアルで容量も多いのにどうやって動かしているんですか?」


 林さんはしばらく考えていた。


 「まあ、少しなら良いか、これは他言無用でお願いしたいのだが······ゲーム制作の関連会社は有名な会社は勿論あるけど一番の理由は、このゲームは国家プロジェクトなんだ。そうは言っても足の親指を突っ込んだくらいだけどな。国家プロジェクトにゲーム制作なんてのがバレた時には民衆が黙っちゃいないだろうからな、だから伏せているんだ」


 俺を納得させるのに十分な理由だった。

 確かにこんなにリアリティーの高いゲームを、一般の企業が数個束になっても作るのは普通に考えて無理だ。

 しかしここに国家プロジェクトとなれば可能なのではないのか、『MBF』の説明書には載っていなかった沢山の企業が関係しているのだろう。

 俺はふとこれ俺がこの事を口外したらどうなるのか想像しただけで背筋が凍えた。

 

 ★☆★☆★


 「お兄ちゃーん!おそーいご飯まだー!?」


 先ほどの林さんとの話で少し時間を食ってしまっただけなのに遥花はご飯ご飯と叫んでいる。

 ゲームを止める前は全く食べる気が無かったくせにゲームを止めた途端にこれだ。

 まあ、今回は少し遅くなってしまったから俺はあまり強く言えないのだが。


 「お兄ちゃーん早くー!」

 「はいはい出来たぞ、今日はお前の好きなしょうが焼きもあるぞ」

 「やったー!お兄ちゃん大好きー!」

 「止めろっ!」


 家の外まで聞こえるような大声で叫んだものだから俺は遥花の頭をグリグリする。

 遥花はテンションが高くなるとブレーキが効かなくなるのだ。


 「ギャアアアアアアアアアアアアア」

 「遥花お前、この前も言っただろ、お兄ちゃん大好きとか叫ぶな外に聞こえたらまた変な誤解を受けるだろうが!この前玄関でお前言ってたから物凄く恥ずかしいかったんだぞ!!」

 「わ、わかった!、わかりましたもう言いま―痛いいいいい!」


 ······俺がグリグリを止めた時には遥花は消沈していた。


 「お······お兄ぢゃん······ひどいよ······ぼうりょくはんたーい」

 「まだ言うか······」

 「い、いや!なんでボありません!」

 「ほら、もう良いからさっさと飯食え」


 俺はダメな妹を見てなぜか嫌いになれないのか不思議思うばかりだった。

 

 


どうでしたか?次回もよろしくお願いします。

あと、改稿をするので、次回は遅くなります。

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