第9話 試練
「・・・ふぅ」
男はは美少女のおっぱいを揉む為に、徒歩で目的の待ちに向かうこと数時間。
まだまだ道中半分って言った所だろうか。
男はこんな事なら馬でも借りて移動すべきだったと後悔する。
太陽がガンガン照り、暑さで喉が渇く。
脱水症状で死ぬことはないが、何か飲み物が欲しいと思っていた。
ぴょんぴょんぴょん!
ふと、目の前を見るとスライムが道を防ぐようにして元気良く跳ねていた。
「やれやれ・・・こんな時に」
他のゲームと一緒でこのゲームのスライムもとても弱いモンスターだ。
男の今のレベルだと剣を構える必要すらなく、手でぱぱっと追い払うだけで逃げていくだろう。
だが、そのスライムは男が手で追い払おうとしても逃げることはなかった。
男がそのスライムを観察してみると他のスライムとは少し違い、とても綺麗な水色をしたスライムだった。
「レアスライムだろうか?このスライム・・・前にも見たことがあるような気が」
ぴょんぴょんぴょん!
スライムは置いてあったカバンから何やらごそごそと探す。
そして、何かを取り出して男に渡した。
受け取った物を確認する。
それは、現実世界にあるステンレス製の水筒だった。
ぴょんぴょんぴょん!
スライムはまるで手を振るかのような動作をして跳ねてながらどこかに消えていった。
このゲームにも人間に対して味方となるモンスターは数多く居ることは半年以上このゲームに居る男はよく知っていた。
だが見ず知らずのスライムから貰ったような物を果たして口にして良いものだろうかと考える。
「どっちにしても、死にはしないから飲んでもいいか」
既に男が持ってきた水筒は空になって近くに水源はない。
男は喉の不快感を消し去る為、ゴクゴクと勢い良く飲むことにした。
中身はとても冷たいスポーツドリンクのようなものだった。
一気に疲れが吹き飛ぶような感じがして、重たい体が軽くなった気がした。
男は既にどこかへ行ってしまったスライムに感謝し、街に向かった。
「で・・・ここか」
僕は街についてそのまま目的地である教会に足を運んだ。
特にこれと言って特徴がある教会ではなくどこの街にもあるようなテンプレ教会だった。
とりあえず入ってみよう。
がちゃ
「お邪魔します~」
扉を開けるとすぐ近くに簡素なイスに座り机にダルそうにほおづえをしている少女がいた。
マスターから聞いた情報と照らし合わせてみようか。
その少女は12才くらいから15才くらいの女の子。
一応シスターぽい服は着ているがシスターが頭に被っているようなものは被っていなかった。
赤い髪の女の子は片方に髪を束ねてサイドテールにしている。
そして、ダルそうにキャンディを口にくわえてくちゅくちゅしている。
間違いない・・・この子だ。
この女の子にリセットをするように頼むとゲームを初期化してくれるらしい。
NPCのマスターが何故そんなすごくメタい情報を持ってるか知らないが僕はその情報に嘘偽りがないことを信じている。
「あのーすいませーん」
「・・・あ?」
話しかけてみると女の子はジト目で僕の方を見てきた。
「・・・」
ぷいっ
そして、女の子は興味を無くしたかのよう目を逸らした。
「ここで、ゲームを初期状態にリセットしてくれるって聞いたんですけど?」
「・・・」
相変わらず、女の子は目を逸らしたままでキャンディを舐める。
せっかくここまで来たんだ・・・相手をしてくるまで粘ってみよう。
「ゲームをリセットしてください!!おっぱいもみもみしたいんです!!」
僕は女の子に深々と頭を下げて頼んでみる。
ちょっと昔だったら、頭を下げるどころか緊張して喋ることもできなかったのに・・・これも酒場の修行の成果かな。
じー・・・
頭を上げて女の子を見てみるとまるで蔑むようにして僕を見ていた。
そういえば、目の前のいるNPCだって女の子だ。
僕を目の前にして逃げない女の子は半年ぶりだった。
もしかしたら今、僕は目の前にいる女の子のおっぱいもみもみタイムチャンスではないだろうか?
このおっぱいもみもみタイムチャンスを作る為に今まで苦労したのではないか。
だが、今回のおっぱいもみもみタイムチャンスの相手はまだ幼い感じが残る少女だ。
シスター服からはそのおっぱいの大きさを確認することができない。
いくらゲームだからとは言え、そんな子相手におっぱいもっみもみしても良いのだろうか!?
良いのだ!
「はぁ・・・はぁ・・・はぁ」
この感じは初めてエロ本を見た時の興奮と似たような感じがする。
前のおっぱいもみもみは偶然。
だが、今回は自らの手で自らの勝利を掴み取るのだ!
じー・・・
「それでは・・・失礼して」
「Do you speak English?」
「・・・へ?」
女の子はゆっくりとしたペースの英語で僕に話しかけてきた。
驚きのあまり、僕は女の子に対して伸ばしていた手を引っ込めてしまう。
何て言ったのだろう。
えーと・・・英語を話せますかって言ったのだろうか。
中学レベルの語学力しか持っていない僕は、今の質問を聞き取るのが精一杯だった。
「・・・No」
「・・・」
女の子はまた興味を失ったかのようどこか遠い所を見た。
「もしかして、日本語が分からないのですか?」
「・・・Do you speak English?」
その女の子は同じことしか言わない村人かのようなNPCらしいNPCのような立ち振る舞いで同じことを質問してきた。
「・・・Yes!」
こうなったらヤケだ!
ボディランゲージでも何でも使って会話してみせる!
「What's the purpose of your reset?」
「え・・・?」
なんと言うか・・・本物の英語みたいな感じの喋り方をされたせいで何て言ってるのか全く分からなかった。
「あ・・・その・・・えーと」
ぷいっ
ああ・・・また目をそらされてしまった。
リセットをする為には、この女の子にリセットをするように頼む必要がある。
つまりこの子と英語で会話をする必要があるのだ。