第3話 王道RPGの皮を被った何か
そろそろ休憩しようかと男は考えた。
だが、恐らく一度このゲームを止めてしまうと二度と起動することはないだろうと思った。
この後どうストーリー展開されるかも興味はない。
このゲームで得た経験値やアイテムにも未練はない。
一応、10時間分のプレイした元を取るためクソゲーとしてレビューはするだろうが、多少盛って書いてもそこまで賞賛されるレビューを得られることはないだろう。
男はこのゲームを引退すると決意し、最後に街をもう一度見て回って終わらせようと思った。
すたすたと適当に街をぶらついてみる。
数多くのNPCが街を往きかっており活気があり笑いがあった。
そんな姿を見てふと男は思った。
そう言えばこのクソゲー、グラフィックはなかなか良かったと。
街や人のグラフィックはとてもリアルで素晴らしく一流ゲーム会社が作ったゲームにも引けをとらない。
しかも街のNPCは可愛い女の子が多く、剣と魔法の王道RPGなのに金髪ロングのスク水黒ニーソの美少女がいたりと世界観をぶち壊してはいるが、男のニーズはちゃんと抑えていた。
だが、そういう要素はもちろん他のゲームでも当たり前に実装されている。
多額の課金して、ガチャを回してエッチな服をゲットしてNPCに渡したりして着せることができるのは今のオンラインゲームでは収益を得るためになくてはならない要素なのだ。
そう言った意味ではリアルマネーを消費することなく可愛い女の子を視姦するこができるこのゲームの良い所かもしれない。
だが、全てのゲームにおいてそれ以上エロい事はできない。
まず第一に全世界で厳しく法律によって規制されているのだ。
青少年の健やかで健全な育成の元、エッチはおろか手を繋ぐことさえ許されないのだ。
少し昔のゲーム会社はプレイヤーを集める為、法律のグレーゾーンを挑戦していたが、その度にニュースになり世界から凄まじい批判を浴びることになった。
日本はHENTAIに対して寛容な国だったがそれでも世界の圧力に屈してしまった。
漫画やアニメや二次元のエロゲーならば昔通りの体制をなんとか維持することはできたのだが、直接触れることができるVRゲームには規制に規制を重ねる事になった。
例えばスク水などは肌の露出が少ない健全な服装とゲーム会社は主張しかろうじて実装は許されているが、プレイヤーが見ることができる下着などが実装されれば、大企業だろうが容赦なく業務停止処分になってしまい修正パッチが入るまでそのゲーム会社の全ての業務ができなくなる。
全ての業務が停止されるのは大企業だろうが経営が傾くほどの事態であり、それを恐れてグレーゾーンに挑戦するゲーム会社はすっかりなくなってしまった。
第二に、技術力の問題がある。
男は技術者ではないが、体に触れたり触れられたりするのはまだまだ技術的に難しいと言う事はインターネットの掲示板で見た。
また、男達が望むようなエロいことができるゲームと言うものは世界をリードするほどの一流の技術者達が結集して作っても難しいらしい。
だから、仮想空間で自分のパンツを脱ぎ捨ててシコシコすることもできない。
この二つの問題で現在この世にエロいことができるVRゲームは出回っていない。
仮に出回ろうとしても行政がサーバーを突き止めて二度とプレイができないようにするだろう。
エロいことができる可能性があると言えば、偶然、何かしらのバクとやら仕込みとかでエロいことができて、行政が気づきサーバーを止める一瞬の間くらいか。
どっちにしてもVR機器を使ったエロい行為はクローン技術で人間を作るに値するくらいの禁忌として目を見張られている。
もし非合法としてどこかでこっそりそのようなエロいことができるVRゲームがあったとしても精精美少女のパンツを見ることが精一杯で触ることなんて到底できないだろう。
そろそろ眠気もきつくなってきた男は街の探索を終えていよいよこのゲーム終わらせようと思った。
システム画面からゲームの終了ボタンを押そうと選択する時、男に強い眠気が襲った。
男はふらっとよろめきバランスを保とうと咄嗟に両手で何かに触れて体に支えを取る。
両手からふにふにと何か柔らかい感触がする。
この柔らかい感触はなんだろう・・・男は自分の両手の先を見た。
そして男は自分の信じられない行為に驚愕した。
自分の目の前にはセーラー服を着た美少女がいた。
背丈は平均的なJKくらいで紫色の長い髪だった。
あまりぱっとはしないが現実世界にいたら間違いなく学校で1番の美少女間違いなしだろう。
そして男はその美少女のおっぱいを両手で鷲づかみしながらふにふにと揉んでいた。