練習は本番のように、本番は練習のように。
さて、まずは、この男達をどうにかしよう。
女子の部屋にズケズケ入り、ベッドに寝転がってる、こいつらを!!
「いやー?だってここ景色いいじゃん?」
「そうだな、ついでに珠姫部長も見れるし…ごふっ!?」
海は、訳わからんことをぬかしていたので一発おみまいしてやった。
「颯先輩も海先輩も、どんな神経してるんですかっ!?」
鈴蘭もあきれ返っている。
「まったく、お前ら、明日は本番なんだぞ?自覚あるのか?」
私が言うと、全員真面目な顔つきになった。私達は、珠算で鍛えた集中力があるため、切り替えは早いのだ。
「明日は、全員、自分の力を出し切ろう。」
颯が、力強く言うと、
「俺らにとって、念願の全国大会だ。しっかり学ぶぞ。」
海も拳を握り締めていた。
「私達だって、全力で練習してきたんです。だから…。」
鈴蘭が、私の方を見て、微笑む。私は頷き、言った。
「練習は本番のように、本番は練習のように。いつも通りやればいい。」
そして、
「皆、いくよっ!!」
「おーうっ!!」
この時の皆の笑顔は、最高だった。
珠算部部長 珠姫晴海