練習風景 パート1!
「計算よおい!」
ばっ、とプリントをめくる音。
「始めっ!!」
たたたっ。
皆がいっせいに暗算を始める。皆でやると、それなりに音がなるんだ。
珠算部で最初にするのは大会練習、または暗算練習。今日は大会練習から始めることにした。号令をかけるのは私、部長の珠姫清海だ。
パチパチ。
そろばんを弾く音が聞こえ始めた。私も、ラストスパートだ…!
ピピピッ。
タイマーがなる。
「やめっ!」
いっせいに音が止む。
「ふぅー。疲れたあ。」
副部長、鈴下颯はため息をついている。
「あらー?颯先輩、大丈夫ですかー?もしかして、出来が悪かったとかあ?でも、颯先輩に限って、そんなことはないですよねぇ?」
この部の、いや、この学校の中で一番の美少女、橋野鈴蘭は、ニヤニヤしながら颯をなじっている。
「うるせえよ、お前の方が悪いだろーがっ!」
颯も負けじと言い返している。
「そうですかあ、そこまで仰るのなら、点数、勝負してみません?」
「すみませんでした、鈴蘭様。」
弱っ!!颯弱っ!!!
「先輩、そんな、様付なんて、当たり前のことしないでくださいよお。」
怖っ!!鈴蘭怖っ!!!
まあ、いっか、颯だし。
「よかねーよっ!全く、ここの女子はっ!」
「お前が私達にかなうわけないだろ?」
「そうですよぉ、点数はともかく、言葉だったら負けません、あ、点数もかな?」
「ぐわあ、とどめ刺された!!」
「まあまあ、落ち着け、お前だって点数良いんだから。」
「同情なんていらねー!!」
ガキか。
こいつは鈴蘭にまかせて私は、点数でもつけようか…
「珠姫部長、お手伝いしましょう。」
ポンッと肩に手を置かれた。よって…
「どりゃああぁぁぁあ!!」
「ぎゃああぁぁぁあ!!」
背負い投げだ。
「私に気安く触れるな。」
「は、はぃ…。」
変態、桜木海がのびてしまった。
うん。ほっとこう。
では、今から点数をつけなければならないので、続きは次回、お話するよ。では。
珠算部部長 珠姫清海