ラウが思うのは………
よろしくお願い申し上げます。
sid カエデ
ラウ視点
我はラウと申す。
種族はエリュトロン・ヒエラクスつまりは赤鷹だ。しかし、この世界では魔獣と呼ばれる生物でもある。魔獣と言えば聞こえは悪いが一括りに魔法が使える獣の事を指す。人に害を与える者たちは妖魔と呼ばれとるからそこは間違わんでくれ。
今我は久々の空中遊泳を堪能している。
気持ち良いぞ!空を飛ぶのは始終しているが、山の上を飛ぶのは本当に久方ぶりなのだ。
─── ピィーーーーッ
ん?主が呼んでおるな。
我はゆっくりと降下して主の腕に舞い降りる。主の側はとても心地良い。我の主はカエデ=ソウジョウ。漆黒の髪が美しい自慢の主だ。
「ラウ?あまりハメを外さないでね。もう直ぐカルマの国境だから、攻撃されても文句言えないよ」
『そうであった…。すまぬ主…』
久々の山に有頂天になっておった我に、主は心配そうな顔をした。主に心配かけるとは我はまだまだ未熟だ!
しかし、反省していた我を援護してくれた者がいた。主の補佐を務めるアルギスという若造だ。(アルギスはラウより歳上だよbyカエデ)
「そう言うなカエデ。ラウも久々の山越えで嬉しいんだろう」
援護すまない。アルギス。だが主に心配かけたのは我の落ち度だ。
「分かってるけど、心配なんだよ」
主!そこまで我の身を案じて下さるとは感無量だ!
「クスクスッ……カエデはラウが大好きですからね」
2人と1羽のやり取りを背後から見守っていた者がゆったりと話に入って来た。此奴の名はセリアム。みてくれは優男だが力はアルギスの若造とためを張る実力だ。此奴に女らしいは禁句だがな。前に此奴の事をからかった奴がおって、其奴はセリアムにお仕置きを食らっておったな。思い出すだけで鳥肌が立つわ。(鳥なだけにねbyカエデ)
─── 気の所為だろうか。時折主の合いの手が入った気がするが……まぁいいか ───
ということでセリアムは主の補佐達の中で、一番怒らせてはならない奴だ。
「そうよ。ラウは私達の空の目だもの。ラウが居れば旅が凄い楽だもの」
主!照れるである。他の2人も我を見て笑ってくれる。本当に我は良い主と仲間を持ったのだ。…しかし、補佐の2人が我を見てる間主の小さな変化を我は見てしまった。
「そうよ。ラウが居なければ今の私はなかったかもしれないもの」
そう主は言った。アルギスとセリアムは聞こえなかった様だが、我は聞いてしまった。
時折1人で居る時主はさみしそうにした姿を良くしていた。我と会う前に主は色々あったのだろう。深く聞くのは野暮と言うものよ。されど主を暗い気持ちにさせたままなのは、我のプライドが許さぬ。さて……どうしたものか。
『主。もう直ぐ国境を越えるだろ?町に着いたら山の依頼を受けて下され!それなら良いだろ?』
「そうよ。うんうん。いいよ着いたらね」
主は我の言葉が分かる。だから我と話をして少しは元気を出してくれただろうか。だったら良いな。……それにしても久々の山の依頼だ楽しみだ!
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