水辺の星
夕暮れの歌
波打ち際まで紅く染めて
あのひとの爪先までには届くように
あんな風に堂々と歌える眩しさ
この歌がわたしの今だと言いたいことは何もなくて
ただ 出会えたことの驚きと奇跡が揺らめくように瞬いています
ただ波の音を聴くのが好きです
色んな涙を流した想い出
水辺から見る星が語りはじめる夜空
銀河のただ中に見たのはあの瞳
遥かな原子の記憶に想いを馳せて
出会えたことにうたれるように電光が走る
秋の濃霧が晴れてゆくような夜明け
汽笛の音
扉を開けると冷たい風が入ってくる
心も凛となるような懐かしさ
この歌がわたしの今だと言いたいことは何もなくて
ただ 出会えたことに感謝しています
鏡のような水面に映る星、
消えない光、
変わらない光を撫ぜるような静かな波音




