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8_楽しい癒しの石作り!









それからチェリーナは月に2回はウィッシェントローズに赴き、ローリーは孤児院への慈善事業の補佐として公爵邸に月に2度招いた。そのことで大抵のことがスムーズに進められるようになった。

 


 まずお互いの役割を明確にした。



 チェリーナは魔力路込める事。そして、その仕事を怪しまれないように、慈善事業で個人に配るプレゼントする。という事で、ラッピングをするお仕事もすることになった。魔力を込めてから、ラッピング(梱包)するのが私の役目だという。


 

 ローリ―は、その都度用途により必要な貴石の確保と、販売方法、購入の際の制約管理、孤児院への寄付活動。【チェリーナの代わりに動き回ってくれる】というのがローリーの役目だ。


 その報告を毎週どちらかの部屋で行うのだが、初めて魔力を石に込めてから1か月で販売できるようになった。石にスムーズに魔力を込める練習を自室で行い、ある程度の範囲の魔力量を分けて力を籠められるようになった。また、貴石を販売するために必要な制約のために石にも魔力を注ぎ、1か月はローリーが使い続けても可能は魔力は込めておいた。流石に万が一チェリーナが体調不良を起こして寝込んでしまった場合、力を込められないと困るので、制約石は3つ用意することにした。



 早速試作品としてお試し販売がウィッシェントローズの出店で始まったらしいのだが、【癒しの石】として願えば風邪や捻挫、擦り傷程度なら治るかもしれないパワーストーンとして販売された。チェリーナは【この石を持つ人が健康になれますように】と癒しをイメージして力を込めたのだが、少し曖昧な力の込め方であったが、回復効果としてしっかり現れてくれた。お試しのパワーストーンは1回使ったら効果は直ぐなくなるので色がくすんだら効果なしと販売の際にローリーが伝えてくれているらしい。



 ――このパワーストーン・・・想像していた以上に【奇跡の石】として噂が広がり、ローリーの話ではお客様がかなり増えたという。価格も良心的なので、平民から貴族の使用人までやってくる。数に限りがあるのですぐに完売してしまうらしい。


 勿論悪だくみをする連中もやってくるようになったのだが、シールドの効果を込めた石をローリーに渡してある。ローリーがお客様に渡した商品以外は、ローリーの元3m以上離れないよう防御膜シールドで保管箱を覆っている。パワーストーンを起動させて保管箱に入れておくだけなのでローリーもすごく喜んでいた。一度箱から3m以上離れようとしたときには3m以上離れられなくなったらしい。


 ローリー自体が攫われかけたり、どこから仕入れているのかと探りを入れに来るものも後を絶たないが、そこは協力者が現れた。伝道者の一族が噂を聞きつけやってきたからだった。


 恐らくローリーはこうなるとわかっていた為、最初にパートナー(専属契約)になりたかったのだろう。おかげで後からやってきた一族の者たちは、今はローリーの元で部下として動いてくれているらしい。パートナーになってから3か月は過ぎ、ローリーの話だと12人も集まったらしい。まだ紹介はされていないが、雑用だけではなく護衛役や司法に携わるような人までいるらしく、【ウィッシェントローズ】の名はどんどん広まっていった。慈善事業として孤児院に試作の癒しの石と、少し長持ちする直系15㎝程の癒しの石を寄付している。


 15㎝程の癒しの石は、盗難防止が必要だったため、誓約を都度行い書類を孤児院に一緒に渡してくれている。今のところ石と一緒に書類をカード化して盗もうとした人間にもわかるように置いてもらっているので盗まれてはいないようだ。

 

 ・・・悪意ある人間が触れば関電するようにも制約は入れているので取られそうになっても問題はないのだけれど。


 ラッピングを手伝っているチェリーナは、最初は家族から疑いの目で見られていたが、ウィッシェントローズが世間に認められ新聞にも載るようになってきて、チェリーナ自身も体調を崩さなくなってきたことから、慈善事業の影響が良い方向に進んでいると良いように思われているのだろう。



 お母様はずっと腫れものに触れるかのようで、チェリーナと顔を合わせてもそっけなかったのだが、最近は夕食の時に微笑みかけてくるようになった。それでも夕食の席では家族が集まるので、チェリーナは以前となるべく変わらないように無表情を心掛けていた。食後にオーウェンが声をかけてくれて話す時は表情を戻すのだが、思いのほかオーウェンはそれが嬉しいらしく、食事中も「チェリーナは俺に懐いているから心配ないですよ♪」と微笑みながら自慢していた。


 (別に自慢するようなことでもないのだけど・・)


 オーウェンの言葉に「すごい!」と関心を示したのは長男と次男の兄二人だった。長女ユリエルはもう嫁いで屋敷にはいないが、下の姉は婚約中でいつ嫁いでもおかしくない。食事を共にすることも滅多になくなった。今はお父様、お母さま、長男セシル、次男ランベル、オーウェン、ルルベルの6人と食事を共にする毎日だ。とはいってもセシルもランベルも皇宮の重要なポストで仕事をしている為返ってこれない事も多々あるのだが、それでも夕食時に顔を合わせることは多い。直接聞いては来ないが、セシルもランベルもチェリーナに関心を持っているように感じた。


 以前は口を開くたびに家族から説教が始まりそうだったのに、もう半年以上落ち着いて食事ができるようになった。末っ子のルルベルはじーっと睨むような目線を向けてくるものの声をかけてくることはない。本当に平和過ぎて昔の役立たずと罵られていた頃が嘘のよう。




 魔力を込めるお仕事はかなり慣れてきて、試作の【癒しの石】以外にも、貴族向けの高値の様々な【効能の石】、孤児院に寄付する15㎝程の【癒しの石】を毎日午後コツコツ作業している。


 【1個ずつ祈ってからラッピングする】という決まりがあるとエリンには伝えてあったので、1か月過ぎた頃にはラッピングを手伝ってくれるようになった。おかげで仕上がりの速度が2倍以上速くなった。・・とはいっても一日に作れるのは全て合わせても60個までなので、数は決して多くはない。商品数としては少ないが、ウィッシェントローズで働く一族たちは魔力量の多さに驚愕したらしい。


 (・・やっぱり私の魔力は多いのかしら?)


 





 午前中は体力トレーニングと魔法のスキルアップに力を入れており、目標としている飛行魔法も実はかなり進んでいる。


 今までは浮くだけだったのが、透過した状態で浮かびながら進めるようになってきた。やってみてわかったことだったが、飛行魔法は色々な魔法が幾重にも重なって使えるのだろう。一度飛ぶだけで物凄く精神力を削られる。


 ――チェリーナは集中し続ければ10㎝ほど地面から浮いた状態で1分進むことは直ぐできたので、慣れるまで何度も何度も朝、自室でトレーニングした。今では1時間宙に浮いたまま座ったり歩いたりできるので、使用人がいてもバレないようにこっそり1㎝程浮いたまま生活することもある。ここまでくれば、高く浮かびあがって飛ぶことも可能なのではないかと思えるようになっていた。





 魔法を使うようになって10か月過ぎて、経験も十分に重ねてきたので明日成果を確認しようとチェリーナは心に決めた。

 



 (十分安全に気を付けながらこれまでトレーニングも進めてこれたわ・・きっと・・きっとうまくいくはずよ!)




 早朝屋敷の庭園で飛行魔法を本格的に試す為、早々にベッドに入り眠りにつくのだった。




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