狐耳の姉妹
いつからだっただろうか
俺の、俺の日常が
こんな━━━━━━━━━━━━
「はいこれで私の勝ちィ!!!!!」
「なぁんで!!!!!!もう1回!!情けの1回!!!」
「情けの1回が何回続くのよりいな!」
「ころんちゃんが泣きを入れるまで!!!!」
こんな。
うるさく…
いや
賑やかになったのは。。。
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「というわけでこのおやつは私のモノでーす!ひざまづけオラァ!!!」
「なぁんで!トランプで勝っただけでしょ!やっても膝立てですーーーー。ひざまづくまでしませーーーーーん。」
「そこまでやるならやりなさいよ!」
うるさい…
休みの日くらい寝かせて欲しいよな…
「ねぇかいと!ひざまづくまでする必要ないよね!!!」
「んん…そうだな…」
「そうだな。じゃなーい!だって最初からそういう約束なんだけどぉ!」
「しらないでーーーす、私はおやつのためだけに勝負しただけだもーん」
先も呼ばれた通り、俺の名前は魁斗。
で、そこの勝ち誇っていた金髪ポニテの狐耳がころん
そして往生際の悪い褐色金髪ショートボブの狐耳がりいなだ。
こいつらは姉妹らしいが、どこから来たのかはわからない。
ただ明確なのは【うちに居候することになった】という事実だけだ。
「じゃあこうしてくれ、俺は今とっても眠い。すこぶる眠い。なんならもう10時間は寝ていたい。」
7時。時計の指す針は朝を示している。
「そんな俺の目を一瞬で覚まさせるような、すんごく美味い朝飯を作ってきてくれ。負けた方がひざまづく約束だな」
そんな私情の混じった解決策をダメ元で提示してみる。
まあ単純なこいつらなら
「やってやろうじゃないの!!!!!こーのころん様のビューティフルな朝飯に舌鼓打たせてあげるわ!」
「えーーー、朝ごはんは食べる専門なんですけどー」
「あんた朝ごはんじゃなくて昼も夜も食べる専門でしょうが!だから胸にそんな無駄な脂肪がつきまくるんでしょ!」
「へへ、育成ありがとうございます」
「んにぃぃ!!!!口の減らない!!!」
なんだかとても賑やかだ。
寝ぼけ眼にはいい意味の賑やかなのか、悪い意味の賑やかなのか、わからないですね。
「とにかく!」
「とにかく?」
「朝ごはん勝負の提示を受けた!ならばやってやらねばなるまいよ!どっちにしても朝ごはんまだだし」
「しょうがない、受けて立ちますかー。この食べるだけ食べて肥えた舌ならば負ける気はしないー」
「そういえばりいな料理作ったことあったっけ?」
「お菓子なら〜」
「よっし勝ち貰いィ!!!」
そんな会話をしながらキッチンに移動する2人の足音を耳に入れながら、また眠りに落ちるのだった。