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ある日突然 ある親子の1週間  作者: 春原 恵志
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難題山積み 橘

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みゆきとの電話を切って橘は思う。そうか、明日にはみゆきに会えるか、よかったな。ああ、まずい、涙がでそうだ・・・

まだ、終末の日にちを知ってるだけ、俺はよかったかもしれない。これから世界中で家族とも会えずに消滅していく人々がたくさん出ることになる。

 

如月政務官が分室に戻って来た。実に渋い顔で、難題が山積みと言った様子だった。橘に話に来る。

「一応、大和田さんには話をした」

「それでどうなりました?」

「何とかしろとは言っている。宇宙船の破壊を進言されている」

「無理ですよ。核攻撃でも破壊できません。それよりもまず、深海で核攻撃する手段がない。仮に出来たとしても深海だと水圧で核爆発のエネルギーが効果を発揮しないです。清水さんからそう聞いています」

「それじゃあ、サルベージしたらどうなるんだ。地上に持ってきたら破壊できないのか?」

「まず、無理でしょうね。サルベージも難しいかもしれません。とんでもない深海ですよ」

「なるほど。人類の英知を集めても対策はないということだな。京都大学はどうなんだろう」

「原田女史ですね。ダメ元で聞いてみますか?」

「そうだな。しかし、地球の命運を20歳そこらの女性に託すのか?」

「年齢じゃないそうですよ。アインシュタインが相対性理論を発表したのは26歳らしいですから」

「そうなのか?アインシュタインはその歳であんな発見をしたのか」

「それが、天才という事です。わかりました。女史に連絡を取ります」

「よろしく頼む」


さっそく橘は原田女史に電話をした。

「忙しい中、すみません」

「何?手短に」いつもの口調だ。

「今、宇宙船をサルベージできないか、方法を検討しています。何か提案はありますか?」

「サルベージって無理だぞ、イージス艦ぐらいの大きさはあるから」

「そんなに大きいんですか?」

「君、報告書を読んでないのか。推定寸法と重量も明示してるぞ」

「すいません」

「5000mの深海からサルベージするのは、日本じゃ無理だな。米国なら実績があるが、それをやったら、宇宙船の再起動を表明するようなもんだ。まさに自殺行為だな」

「官邸は破壊を要請しています。地上にあげればなんとかなると思っているようで・・・」

「困ったもんだな。可能性はゼロではないが、今から間に合うとは思えない。まずは現状確認からやるしかない。その次にそういったことも検討できるかもしれないが、時間が足りない。はっきり言うが、米国に依頼しても大型のサルベージ船がお台場に来るまでに数日はかかる。まず、不可能だな」

「そうですね。わかりました。まずは探査船での発見に注力します」

「そうしてくれ」

潜水艇で確認することは決まった。今できることは海洋機構をトップダウンでどこまで早く作業させるかだ。

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