32/38
電話 みゆき
32
みゆきはホテルの自室に戻って、シャワーを浴びてからベッドで一息をつく。なんか、今晩は興奮して眠れそうにない。ああ、そうだ、おとうさんのところに電話しておかないと、と思い出し、ホテルの部屋から外線電話をしてみた。
数回の呼び出し音のあと、お父さんが出る。
「はい、橘です」
「ああ、おとうさん。みゆき」
「おお、みゆきか、大丈夫か?」
「うん」
「今、どこにいるんだ?」
「えーとね、琵琶湖の近くのビジネスホテル」
「琵琶湖まで来たのか、早いな」
「うん、明日にはそっちに行けると思う」
「そうか・・・」
「じゃあね」
「ああ、ちょっと待って、おとうさんの職場は分かるな?」
「大阪城近くのインテリジェントビルだよね」
「うん、そうだ。そこの受付に行ってくれ。話を付けておくから、みゆきが来たらすぐに行くから」
「わかった。それじゃあね」
なんか、おとうさんは話したがってるみたいだけど、電話を切った。切りがないもん。




