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ある日突然 ある親子の1週間  作者: 春原 恵志
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情報収集 橘

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深夜の分室で、橘は原田女史から依頼された情報収集に追われていた。さらに臨時政府の支援についても手が抜けず、スタッフともどもほとんど寝ていない状況が続いていた。 

事態はどんどん悪化の一途をたどっていた。

これまでも東京の状況確認のために、無人のドローンや無人偵察機を使って現地を観測していた。その結果から判明したことは、東京23区は東京湾と同化してしおり、完全に水没していた。また、地盤沈下とともに、関東周辺の地域も地すべり状態となり、半径30km圏内、つまり関東地方は壊滅状態となっていた。いよいよ日本の存続が危ぶまれる事態となっていた。

世界各国からの支援表明はあったが、現象の原因解明が出来てない時点で、救援活動や支援活動が出来ない状態だった。

また、デマが拡散し、日本が沈没するといった噂が駆け回っていた。国民を落ち着かせることが最優先で、本日、夕方の大和田新総理の就任演説により、国家の存続とデマに耳を傾けないようにとの情報発信を行うことは出来た。臨時政府の発足で国民の不安は多少は改善されたと思われたが、原因についての表明が全くできない状態では、かえって不安をあおる結果ともなっていて、一刻も早い原因究明が必要だった。

京都大学の原田女史については、通産省からも重要人物との情報が入り、なんでも日本の将来を左右する人材との事だった。量子重力理論という最新の学術部門では、世界をリードする人物らしい。アインシュタインの再来という噂もあり、今後、物理学において何らかの世界的貢献をすることは確実視されているようだ。逸話も数々あるらしく、研究に没頭するために風呂に入らないとか、同じ服を1週間来ていただけでなく、高校生の時に海外の物理学の第一人者の論文にケチをつけ、それを証明したとか、もりだくさんだった。

原田女史が要求した内容は、現場の被害状況の確認と、最初と今回の被害状況、地震発生時の米国偵察衛星の詳細画像、さらには震源地上空の遠隔画像情報を事細かく要求されていた。

米国の偵察衛星情報は無理だと思っていたが、なんと原田女史の考察結果をすべて流すという条件で米国の了承を得た。まさに原田おそるべしだ。なんでもケンブリッジとマサチューセッツ工科大学で原田を取り合ったという話もあり、彼女がケンブリッジを選択したそうだ。

明け方になり、ようやく原田女史宛の資料がそろった。

「清水さん、お疲れ様、なんとかそろったな」

「ええ、女史の要求資料はこれで全部揃いました。早速、京大の指定ホルダに送付します」

「ああ、よろしくお願いします。終わったら、少し仮眠を取ってくれ、明日も長いぞ」

「そうですね。お互いがんばりましょう」

「うん、日本の未来のためだ」

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