筋肉痛 みゆき
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朝になり、みゆきはテント内で目覚める。起きようとするが、やはり筋肉痛になっているのがわかる。それも重度の筋肉痛だ。起き上がると体中が痛い。
テントにベアさんはいない。みゆきが外に出ると今日も曇天だった。天気が悪いと気持ちも塞ぐ。しかし地震以来、晴れたことがない。そんな中でもベアさんは今日も快調のようだ。朝のルーティンの運動をやっている。
「淵さん、筋肉痛だよ。痛くて走れそうにないよ」
「そうかい、少し走ってみると楽になるかもしれないよ」
ベアさんは笑顔で答える。そんなことあるのかな。スクワットをしながらベアさんが言う。
「みゆき、今日は名古屋まで行くぞ」
「名古屋まで何キロあるの?」
「140kmかな」
「むりーーーーー」
「多分、そうかもな。目標だよ。目標は高くするのがいいのさ。行けるところまで行こうか」
どう考えても目標が高すぎます。
みゆきの朝ごはんは昨日、買っていた菓子パンとジュース。ベアさんはパンと牛乳を飲んでいた。食べ物がすべてエネルギーに変わるんだろうなこの人は。まさに人間サイボーグだ。
顔を洗って準備完了し、ベアさんが自転車で走りだす。仕方なくみゆきも付いていくが、走り出したら、やっぱり身体が重い。筋肉痛もひどい。自転車こぐのもやっとの状態だ。
「筋肉痛がひどいよ」
「筋肉に乳酸が溜まってるからな。まずはウォーミングアップで軽く走り出すぞ。筋肉から乳酸が抜けてきたら、痛みは収まるから」
いやいや、絶対、嘘だな。ベアさんのゆっくりと、みゆきのゆっくりが違っている。こんなに身体が重いとは、やはり運動不足だった。この状態で名古屋まで行けるはずがないぞ。
自動車の渋滞は続いていて、みゆきたちが走っている幹線道路は全く動いていない状態だった。ここまでの渋滞は見たことがない。まさに民族大移動の弊害だ。
みゆきはほんとにゆっくりと走る。それでも少しづつ身体が動くようになった。筋肉痛はあるがまったく動かせないほどでもない。ここは若さなのだろうか。
そして、なんとなく走れるようになった頃になって、みゆきは自転車がふらつくのがわかる。あれれ、なんかおかしいぞ。やっぱりまともに走行できないのか、仕方なく止まって確認する。あれ、私が揺れてるんじゃない。なんと地面が揺れているではないか。また地震かな?みゆきが止まったので心配してベアさんが戻って来た。
「淵さん、今、地震がなかった」
「え?そうかい、気が付かなかったな」
ベアさんはこのぐらいの揺れだと気が付かないのか。私も単にふらついただけなのか、よくわからない。
「ちょっと、聞いてみるかな」
ベアさんは渋滞中の近くの車に確認している。戻ってくると、
「みゆきの言う通りだ。また、東京で地震が起きたみたいだ」
「えーー、また、地震が起きたの?」
「そんなに揺れなかったから、前よりは小さいのかもしれないな」
「じゃあ、また、嵐が来るのかな」
「どうかな?今度は大丈夫じゃないかな。普通は地震の後に嵐は来ないよ」
「そうなんだ」
嵐が起きないのはいいけど、地震が連続して起きるなんて、噂で言われていたことはデマじゃなかったのか。このままだと日本はどうなるのかな。
とりあえず、東京からは離れている点は安心だけど、静岡のおばあちゃんの様子も気になる。




