スキル
スキルの説明文とか作中に書いていいもんなのでしょうか?
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「ハヅキ!」
ミサキの掛け声に反応し、横に飛ぶハヅキ。
さっきまでハヅキのいた場所を火の矢が掠める。
「はぁ!」
魔法があたり、怯んだ敵にハヅキの横なぎが命中する。
大きな痙攣の後に動かなくなるホーンラビット。
「戦闘終了っと」
最初のスライム戦からしばらく戦闘を続け、すこいし連携を取れるようになってきたハヅキとミサキ。
「グッドファイト」
サムズアップを向けながらねぎらいの言葉をかける。
「ルリちゃんやったよー!初ホーンラビット討伐だよ!」
「全くハヅキは街周辺の雑魚敵で……」
「だって嬉しいんだもん!」
二人の会話を尻目に、ホーンラビットの解体を始める。
話し合いをした結果、二人が戦って俺が解体などの細々としたことをすることになった。
理由は単純で俺がこの辺りの適性レベルを超えていたからだった。
「それにしてもやっぱぐろいなぁ」
「ウサギの肉は鶏肉に近いらしいけど……あとで食べてみる?」
「え、食べれんのそれ!?」
「食材アイテムって書いてあるし多分?」
『・ホーンラビットの肉 低級
食糧ゲージを5回復する 食中毒確率80%
*血抜きのされていない肉。あまり清潔ではない』
「まぁ食べるとしたら、ちゃんと血抜きとか処理したやつかな」
「ルリちゃんそんなこともできるの!?」
「動画で見た」
昔よくアウトドア系の動画を見たものだ。
「それはなんとも……信用できるようなできないような」
「ふたりとも、そろそろ集合場所に戻りますよ」
時刻を見れば16時。
ツアー開始から1時間半も経っていた。
「うわ、ほんとだもうこんな時間」
急いで最初の場所まで戻る。
ちらほらと戻ってきている人たちがいるのかそこそこ賑わっていた。
地べたに座って仲良く談笑する者、ナンパをしている者。
なんかいろんな人たちがいた。
「ほら、引率の人にドロップ品を渡しにいきましょ」
旗を持った人に剥ぎ取ったアイテムを渡す。
「スライムのジェルが3匹分とホーンラビットの肉が1匹分ですね。
では報酬としてスキルポイントを3ポイントずつ付与させていただきます」
「スキルポイントってなんです?」
「特定のNPCに話しかけると、スキルウィンドウが開いてスキルを習得できるのですが、その際に使用するのがこのスキルポイントというわけです」
よくあるシステムだ。
まぁよくあるからこそ洗練されてて面白いってのはあるんだが。
「今回のみ特別にスキルウィンドウを開けるようにしますので、お試し感覚で割り振ってみてください」
「ちなみにだけど、スキルってのはどんなやつがあるの?」
「スキルは主に2つに分かれていて、任意発動のアクティブスキル、モーションを強化するモーションスキルといった感じの種類になります。ではスキルウィンドウを開きます」
スキルはそこそこの量あったが、ここはアクティブスキルの『バックスタブ』と『ステルスアタック』、モーションスキルの『ステルス』を覚えておく。
『・バックスタブ
背後からの攻撃時 威力+50% クリティカル威力+100%
正面からの攻撃時 威力-25% クリティカル威力-50%
*背後からの致命傷』
『・ステルスアタック
未発覚の敵に対して クリティカル率100%
発覚している敵に対して クリティカル率-50%
*警戒外からの一撃』
『・ステルス リキャスト90秒
光学迷彩を使用し透明になる。 行動音-30%
発覚状態を未発覚に変える。
*盗人の生きる術』
なんといえばいいやら。なかなかにピーキな性能だ。
だけどバックスタブの高倍率に惹かれてしまった。
これはもはや盗賊ではなく暗殺者では?
「ルリちゃんはどんなの取ったー?」
「私は便利っぽいものをちょこちょこっと。ハヅキは?」
「んっとねー『騎士の守り』ってやつと『ウォークライ』と『サークルエッジ』!」
『・騎士の守り
ダメージカット25%
味方のダメージを20%肩代わりする。
*誇り高き騎士の守護』
『・ウォークライ
ヘイト+50%
HPリジェネ(中)』
『・サークルエッジ
回転するように剣を振るう。
威力+120%
*破壊的な回転エネルギー』
「タンクの基本って感じのスキルたちね。
私はこんな感じです」
そういってミサキがスキルウィンドウを見せてくれる。
取得してあるのは『アイスランス』『早読み』『MPリジェネ』。
『・アイスランス
敵1体に氷属性攻撃
周囲に行動速度-10%のフィールドを生成。
*氷の突撃槍を飛ばす魔法』
『・早読み
魔法の詠唱を省略して発動できる。
威力-25%
*詠唱を破棄して魔法を発動するテクニック』
『・MPリジェネ(小)
毎分最大MPの50%を回復
*魔力の自動回復』
「コンセプト的にはアイスランスで牽制しながらファイアボルトでダメージを狙うって感じです」
「いいんじゃない?
MPリジェネとかは多分必須になるから取ってて損ないだろうし」
「これで初心者ツアーは終了となります。お疲れ様でした」
スキルを覚え終えガイド役の人に別れを告げる。
少し穴れるといいところにスライムの群れがいた。
「早速スキルを試す機会だね!」
「じゃあまずは私から行かせてもらいましょうか!アイスランス!」
空中に冷気が集まり槍の形を形成し、飛翔する。
スライムに命中し冷気は砕け散り周囲の地面を凍結させる。
その上を移動するスライムの動きは鈍い。
「とう!」
フィールドの中心にて剣を構えるハヅキ。
「サークルエッジ!」
ぐるりと回転してスライムを薙ぎ払う。ブン!っという音が少し離れた場所にまで響く。
攻撃に巻き込まれたスライムは真っ二つにぶったぎられた。
「いえーい!うまくコンビネーションが決まったね」
「ええ。打ち合わせもしていなかったけどうまくいきましたね」
「っとっと!もう17時じゃん!夕飯の買い物行かなきゃ!」
「あぁそういえばハヅキは17時まででしたね」
「んじゃ早いところ街に戻らないとね」
「ごめんねールリちゃん」
「いいよいいよ私ももうそろそろ一旦落ちようと思ったところだし」
「あらら、では私一人だけになってしまうんですか」
「そういうことになるね」
適当な会話交わしながら歩くと、あっと今に街に着く。
「んじゃおつかれー」
一足先に落ちていくハヅキ。
「んじゃ私も落ちるかなー」
「おつかれさま」
メニューを開いてログアウトボタンをタップする。
切断されていく意識の中でうっすらと悶えている岬が見えた……。
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