表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/36

『刻ミ続ケル視線』

 少女が暗闇の中、何かが落ちる音を聞いている。身体の感覚が曖昧になってしまうほどに深い闇。

 耳だけが少女の感覚になっていた。

 落ちる音に混ざる人々の声。理解は出来ない音、何かが破壊される音、悲しみと絶叫だけの音。数多に存在する音が落ち、それが次第に聞こえなくなっていく。

 積み重なる音は新しい音に潰され、死を迎える様に消える。


 私は―― 

 何故、此処に居るのだろうか――?

 遠い昔すぎて忘れたのか、それとも―― 私が生まれた場所が此処なのかも。

 記憶を探ってみても、この音しか思い出せない。

 数え切れないほど行った溜息が出る。


 突然、私は初めての感覚に襲われる。

 暗闇をゆっくりと浸食してくる青い光。

 その動きを見て、私は不安になった。しかし、その光の動きは、音が死を迎える時に似ていた。

 次第に広がる青い光。

 慣れない目がゆっくりと捉えたモノは、巨大な砂時計。

 その大きさに圧倒されていると、鼓膜を揺らす音。

 その音は、魔具『刻ミ続ケル視線』と教えてくれた。

 砂時計に近づき、触れる。

 中で落ちる砂は、とある世界の、とある人物が見ている世界。その視線の先が砂粒の様に斬り抜かれたモノだった。


 音が聞こえなくなるというのは―― 

この世界が終わった瞬間――


 周囲は青い光で包まれている。

 光を受けた砂時計がゆっくり浮遊し始める。

 それを見上げる私の肩が叩かれる。

 小さく、少し不安が伝わる衝撃に全てを理解した。


 ゆっくりと振り返る

「はじめまして、次の私」


 金色の長い髪。

 緑の瞳。

 小さな身体。

 白いワンピースから伸びる四肢には魔力文字が刻まれている。

 明滅する文字と私の命を使って、砂時計が一回転した。



 私の命は消える。

 アノ人は、私達に観測を任せて消えてしまった。

 膨大なデータは何処へ送られているのかは分からない。ただ、私達には新たな目的があった。砂時計で落ちる砂の中に、アノ人に繋がる世界があるかもしれないと。

 次の私、アノ人を見つけて。

 そして――

 殺して――


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ