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『嫉妬のツルギ』

 見れば見るほど美しくて破壊したくなる剣だった。


 私達は戦場で出会い、互いの存在を知った。それは偶然だが、必然とも感じた。

 今となってみればそんな思考は無駄でしかない事ぐらいは分かっている、重々にな。


 鈍い銀色で刃こぼれをし、斬ることすらままならない人殺しの道具の中、お前は違った。

 斬り殺した相手の命と魂を吸収し、刀身を鮮血の赤に染めていた。

 歪みと切れ味を失っていないお前は美しく、何故人間に使われる存在のままなのか、それが許せなかった。

 だから、私はあらゆる外法を使って自身を呪物と変えた。人間を利用し、全てはお前を破壊するために――


 時が流れ、戦場に二つの話が生まれた。

 鮮血の輝きを持つ魔剣。夜の闇を刀身にした魔剣。

 二つが出会うと戦は酷い状況になる。

 過去、この出会いにより大国は滅び、疫病、魔物増殖などで大勢の人間が死ぬ出来事が数度起きている。

 所有者が存在しない魔剣は次第に時すら超え、あらゆる害を広めていった。


 全ての出来事の中心は『嫉妬』

 自身を魔剣に変え、あの剣が一番美しく輝ける刀身に変化してからどれだけの時が流れたのか分からない。だが、分からないことは好都合で、私の『嫉妬』の炎は消えることがなかった。

 今度はいつ逢えるのか――


 私はツルギ。剣でありツルギである。愛の深さを人間と比較されるのだけは許さない。

 私の愛は誰にも知ることは出来ない。そして、その素晴らしさも誰にも理解出来ない。

 私の愛は重い。魔剣としての重量、奪った命の多さよりも重く、美しい――


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