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07 第三試合


 第三試合は、アイネ対ハルミスタさん。


 これはちょっと展開が読めない試合ですね。


「細剣だけじゃなくて、全力でお願いね」


「承りましたっ」



『第三試合、始めっ』



 お互い距離をとったふたり。


 アイネは長弓を構えて、ハルミスタさんは詠唱中。



「むぅ」


 アイネが渋い顔。


 ハルミスタさんの周囲で輝くたくさんの青白い閃光は、アイネの魔法矢が全て防がれた光。


 アリシエラさんの防御結界より先にハルミスタさんの魔導結界が作動しているということですね。


 さすがはもてあまし人妻、魔法力も有り余っておられますな。



 アイネが少し距離を縮めましたよ。


 どうやら魔導銃に切り替えた模様。


 うぉっ、すごい数の閃光がハルミスタさんを包んでおります。


 アイネの魔導銃全力乱射がハルミスタさんの魔導結界に全て防がれて、闘技場がかなり眩しいです。



「ひゃんっ」


 なんと、いきなりアイネが吹っ飛んでおりますっ。


 どうやら先ほどの閃光を目眩しにして接近戦を挑んだアイネが、ハルミスタさんの追尾魔法弾を食らった模様。


 相手の魔力を感知して自動追尾する魔法では、目眩しは効果無しですね。


 ハルミスタさん、もしかして実戦経験も豊富なのでしょうか。



「終わりよ」


 ハルミスタさんが両手を掲げると、


 うぇっ、なんだよアレッ。


 あのはるか上空にあるエグい色の魔法弾。


 私みたいな魔法力駄目っ娘でも分かっちゃうほどの超絶魔法力のカタマリ。


 あんなの、いくらなんでもヤバいって。



「堕っ」


 ハルミスタさんが倒れたままのアイネに指をかざすと、魔法弾が落ちてきて……



 ありゃま、止まっちゃったよ。


 どうやらエグい魔法弾は闘技場の屋根代わりの結界『イージス』に引っ掛かっちゃった模様。



「何よそれっ」


 そして、上空に気を取られていたハルミスタさんを、そろりと近寄って来たアイネがぽかりと。



『勝者、アイネ』


 何やらアレな結末ではありますが、アイネが勝ったようです。



「今の追尾麻痺弾、スゴかったですっ」


 なるほど、アイネがしばらく動けなかったのは麻痺弾だったのですね。



 アイネがハルミスタさんの手を握って、ぶんぶん握手しております。


 場内の拍手がまばらなのは、試合内容に呆気に取られているからでしょうか。



「すみませんですっ、ハルミスタさんの魔法力があまりにも規格外でっ」


 アリシエラさん、平謝り。


 あの上空からのエグい魔法弾も麻痺弾も、アリシエラさんの想定以上のシロモノだったと。



「ごめんなさいね。 なんだかやりすぎちゃったみたいで」


 しょぼんとしておりますが、さすがはハルミスタさん、堂々のもてあましっぷり。



「それだとまるで、私が欲求不満みたいなんですけど」


 アランさん、もっと頑張れ。



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