表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/15

04 記念


 今日は、めでたいお祝いの日。


 友人のアランさんが敷地内にすごいモノを建てちゃったとのことで、落成記念パーティーにおじゃましました。



 うひょお!


 これってアレですよ、コロッセオ。


 さすがにサイズは小さいですが、迫力満点ですね。



「いらっしゃい、モノカさん」


 おじゃましています、アランさん。


 めっちゃすごいですね、コレ。



「例の観光地関係で臨時収入が入ったので、お客さま用の別邸と、前々からリリシアが欲しがっていた屋内訓練場と、俺が欲しかったガレージをまとめて建てちゃおうかと」


 なるほど、コロッセオ風の外周がそのまま来客用の個室になっていて中央の円形闘技場を観戦出来ちゃう設計、そして地下は来客用の幌馬車置き場も兼ねたアランさんのガレージ。



 闘技場はもちろん、天才建築師アリシエラさんの建造でした。


 建物自体も見事なのですが、何よりすごいのは闘技場の安全仕様。


 闘技者や観戦者が怪我しないように特殊な魔導フィールドで覆われていて、全力でのバトルが可能なのだそうです。


 アランさんの愛車マリネ・ズッキーニに装備されている『イージス』という走行中異物排除安全機能の改良版が屋根代わりになっていて、ある程度の風や雨なら透過させる選択も可。


 もちろん日中は太陽光さんさん、夜間の試合用に照明もあり。 当然、冷暖房も完備。


 我が家の建築時に採用されていた建材自体に魔素を吸収・蓄積させる技術が大規模建造物に初採用されていて、外周の来客用個室のみならず、アランさんの本宅への余剰魔素供給も可能だとか。



 アランさん、にこにこ笑顔ですね。


 これほどの闘技場、ぜひ私たちにも解放願いますよ。



「どうです、モノカさんも参戦してみませんか」


 参戦?



「せっかくの安全闘技場だから、みんなでトーナメントでもしちゃおうかな、と」


 喜んで!




『スタジアム落成記念・第一回イチ番強い人トーナメント』


 燃えますね、めっちゃ燃え燃えですよ。


 そして、出場者は8人。



『王国騎士団の純白の無双華』こと、リリシアさん。


 細剣だからと侮るなかれ、あのヴァニシアさんの大剣と真っ向から打ち合える剛腕をも兼ね備えた、まさに無双の新妻。


「皆との全力での試合、本当に楽しみだ」


 お手柔らかにです、奥さま。



『秀麗無双の槍乙女』こと、クリス。


 幼い頃から、あのライクァさんと鍛錬を積み重ねてきた、まさにエリート槍使い。


 技術はもちろん、あの剛腕は凄まじいのです。


「ついにモノカお姉さまとあんなことやこんなことが……」


 どんなことだよっ。



『エルシニアの孤高の騎士』こと、シスカさん。


 とにかく真面目一辺倒で隙の無いところが怖いのです。


 その上、元々の強さに加えて最近手に入れた伝説級の片手剣がプラスされてえらい事になっちゃってるとか。


「皆の胸を、借ります」


 いやいや、その御立派なお胸をぜひ貸してくださいっ。



『金髪の腱切り魔』こと、ノルシェ。


「なんでそっちの二つ名なんですかっ」


 今回の試合じゃ、腱を切ったらあかんよ。


「切りませんって。 でも、試合では防御結界でブロックされたダメージも計算されるそうですから、油断は禁物ですよっ」


 めっちゃ怖いんですけど。



『最強最麗の白鎧冒険者』こと、アイネ。


 なにせギルドの冒険者ランキングのトップをソロで成し得ちゃった強者。


 最近はお色気食いしん坊キャラと化しておりますが、その真の実力はいまだ計り知れないのです。


「久々に暴れちゃおっかなっ」


 今回は、普段は使わない細剣での出場だそうですが、いろいろと楽しみですね。



『豪放わがまま姫騎士』こと、ヴァニシアさん。


 バトル大好きなヴァニシア姐さん、本当に嬉しそうですね。


「このような胸躍る催しにお招きいただいて、感謝の想いで胸がはち切れそうだっ」


 そのわがままお胸が躍ったりはち切れたりしちゃうところを、ぜひ!



『もてあまし気味の魔導師夫人』こと、ハルミスタさん。


「初めて聞く二つ名ですけど」


 誰とは言いませんが個人の感想です。


「アリシエラさんから、魔法関係の安全試験も行いたいとのことで」


 お手柔らかに、です。


 っていうか、相変わらずめっちゃ柔らかそうなお身体ですね。



 そして私、『武神』モノカです。


 二つ名は皆さんが呼んでくれている呼び名なので、ちょっと盛り過ぎなのは勘弁してくださいね。


「モノカの二つ名については、誰も異論はナシですよっ」


 ありがとう、ネルコ。


 今日は実況、頑張ってね。


「任せてくださいっ。 アリシエラさん謹製の映像・音声記録魔導具で、どんなぽろり的ハプニングも逃さず記録しますのでっ」


 ぽろりハプニングは人によると思うけど……


「大丈夫ですよっ。 モノカの『ゼファー』使いの腕前なら、相手の胸部装備のロックもホックも無いも同然ですっ」


 マクラやハルシャちゃんも男性陣も見てるから、絶対にそんなことしないって。


「フラグ立て、ありがとうございますっ」



 どうなることやら、ですね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ