権能と権能
お姉様は今までは全力ではなかったと主張するかのようにさらに力を放出した。
牢獄世界の重力がさらに重くなった。圧倒的な力が私を後ろへ引っ張り、世界の中のすべての魔力が肌に張り付いて燃え上がった。
しかし私はそのすべてをかき分けて前へと進んだ。
【お姉様!】
【帰りなさい】
空間が歪んで私を押し出した。同時にお姉様の剣が歪んだ空間の中で煌めいた。無数の剣閃が大きな花を描いて美しく舞い散った。
もちろんお姉様の拒絶に従うつもりなんてない。
【嫌です!】
私に降り注ぐ世界の圧力を逆流させてお姉様の流れにぶつけた。この牢獄世界の主人がお姉様だとしても、私の『万魔掌握』が届く分は奪ってこれる。
もちろんこの世界に広がっているお姉様の力の抵抗のせいで奪える領域は狭いけど、少なくとも私を押し潰す重圧を相殺する程度は可能だ。
魔力と刃が数え切れないほど衝突した。お姉様と私は同時に燦爛たる極光を剣に凝縮し、鏡像を描くような軌道で向かい合って振るった。
――天空流〈三日月描き〉
絡み合った極光が盛大に爆発した。しかし光彩と魔力がまだ散る前に次の剣撃が目の前を切り裂き、爆発して散ろうとしていた魔力が刃に再び吸い込まれた。
――天空流奥義〈五行陣・水〉
偶然にも、今回も同じ技でぶつかり合った。同質の力が似たような量と密度で激突して破壊を撒き散らした。
一合一合続くたびに牢獄世界が震えた。お姉様の力がこの牢獄世界を堅固に支えていなかったら、すでに最初の激突の余波だけで砕けてしまっていただろう。
私はわざと破壊が抑制されないように盛大に力を放出した。お姉様はバリジタを抑制するためにもこの牢獄世界が砕けないように維持しなければならず、そのためには力の一部をそちらに消費する必要があった。
お姉様の権能がもたらす莫大な力のせいで純粋な一対一の力比べでは絶対に勝てない。だからこうしてお姉様の力が分割されるのを狙ってようやく拮抗を作り出していた。
当然だけどお姉様はそれが気に入らないようで目を鋭くした。
――天空流終結奥義〈月食〉
お姉様の剣と腕が視界から消え、刃が通っているであろう範囲の空間が屈折した。
次元に隠れて空間そのものを切断する絶技。本来は刃が届く範囲だけを斬れるという制約があったけれど、この空間の主人が直接発する今は違った。
斬撃が延長されるように二筋の線が大地に刻まれた。牢獄世界の大地が四つに割れ、その衝撃が世界を遡って天にまで届いた。
直撃をかろうじて避けたけれど、次元が震えた衝撃波が私を遠くへ吹き飛ばした。
【うっ!?】
お姉様が牢獄世界の空間を再び操作した。吹き飛ばされた私を空間の圧力がさらに押し出した。
【甘い……ですよ!】
――天空流〈日輪〉
歯を食いしばって空間に自分自身を剥製にして固定し、剣で魔力の円を描き出した。それが世界の圧力を流した。
魔力を展開しながら、目ではお姉様を力いっぱい睨みつけた。
【押し出して追放なんて甘いですね。私を追い出したいなら、せめてその剣で斬り殺すくらいの覚悟で来てください!】
展開した魔力が翼となって広がった。〈星の翼〉。一発一発が大陸を砕くほどの魔力の矢が背後に整列した。
すでに世界の片面を埋め尽くすほどの矢が、同じく数えるのが無意味なほどの弓に番えられた。その中でも最も強いのは私が直接剣の代わりに持ち替えた弓だったけれど、空間に展開された魔力弓の軍勢もまた十分に強力だった。
――アルカ式射撃術〈ホシクモ〉
無数の矢はもはや弾幕というよりも一つの巨大な津波のようだった。
それを前にして、お姉様は右手の剣を落ち着いて構えた。
【まさか数で押し通すという浅はかな考えじゃないでしょうね?】
――テリア式邪術〈強欲の掌〉
すべての矢の統制権を一瞬で奪われた。魔力が分解されてお姉様の剣に集束された。
その直後に飛んだ一本の矢があった。
――アルカ式射撃術奥義〈願いの星〉
その矢をお姉様は魔力が集中した剣で弾いた。
しかしその瞬間、矢の魔力が広がって巨大な術式を形成した。内部のすべてを押し潰して砕く暴力的な魔力場だった。
しかしお姉様は鼻で笑った。
【これで全部なら、正直失望するわ】
お姉様はすでに予想していたように、もう片方の剣をすでに振るっていた。魔力場が一刀両断されて霧散した。その直後刃を返しながら、その斬撃に加えて無数の魔弾まで一斉に私に向けて発射した。
しかし私の次の手はすでに発動していた。
私の魔力は斬られ突破されて散った。しかしただ分散して虚空に溶け込んだだけで、魔力自体が消滅したわけではなかった。
――神法〈時間の神殿〉
その魔力で空間を掌握して簡易神域を広げた。
巨大な神殿の幻影が一帯を包んだ。それ自体に実体はなかったけれど、この空間に限定して牢獄世界に広がっているお姉様の支配力を無力化して私の領域に転換させた。
領域内の時間が編集された。お姉様が発したすべての攻撃が消え、最初に吸収された私の弾幕が蘇った。
魔力の光がお姉様を瞬く間に覆い、その上に蘇った〈願いの星〉の術式まで重なった。
これだけでお姉様を制圧することはできないだろうけど、少なくとも有利な高地を占めることができれば――。
――神法〈万象消去〉
目が眩むほど煌びやかに輝いていた魔力が一挙に消滅した。
いや、正確には残り火のように微量の光が残り、お姉様の右頬と肩に刻まれた小さな焦げ跡が煙を少し吐き出していた。それさえすぐに修復されて消えたけど。
権能で私の魔力の時間を奪ってすべて吸収しようとしたようだけど、〈時間の神殿〉は私の神域を簡易ながらも展開する神法。この中ではお姉様の権能も完全には発揮できない。
いや、むしろ――。
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