終わりに向けての跳躍
いよいよ私の番だ。
ここまでは計画の内。そしてこの段階に至った時に私が何をするかも皆に前もって伝えておいた。正確には『私』の仲間たちと『光』にだけだけれど、この世界側の仲間たちは融合した神々の記憶を通じて共有されただろう。
重要なのはこれからだ。
ここまでは計画通りの過程を、妨害を乗り越えて達成しただけ。しかしこれからしなければならないことは最も重要であると同時に、結果を軽々しく断言できない不透明な未来でもあった。
私はゆっくりと息を吐いた。
これまでのすべてはただこの瞬間のための準備。だからこそ失敗してはならない。
視線が向かった先は宇宙すら超え、この世界の外。しかし完全に分離されたものではない……まるでこの世界の外に生えたコブのような場所。
名前はない。そもそも元々は存在しなかった場所が突然生まれただけだから。しかしあえて名付けるなら……牢獄世界、とでも言おうか。
お姉様がいる場所。バリジタを閉じ込め、バリジタを処断するために果てしなく戦っている場所。
これまでのすべては五大神が私を邪魔できないように遮断するためであり……あの牢獄世界の門を飛び越えてお姉様に到達することこそが、最終段階に向けての核心だった。
目的地を確認し、自分自身の状態を点検した後。躊躇や迷いなど一切なく、一直線にまっすぐそこへ向かって突進した。五大神が私に気づいて阻もうとしたけれど、私の仲間たちが五大神の介入を完全に防ぎ切った。
私の愛しい仲間たち。
長い歳月の間一人だけの戦いを覚悟していた私を追ってきてくれた者たち。誰も命じも頼みもしていないのに、自分たちの意志で私と共にすることを選んだ。そのために神の座に上るという、普通なら一人も成功しがたいことを攻略対象者全員が成し遂げるほどの執念を持って。
私をそれほどまでに大切に思ってくれることが有り難く、こんな素晴らしい人たちにこれほど愛されているという事実が誇らしかった。
そして『光』。この世界の法則と秩序を象徴する五大神の中で唯一私の味方になってくれた存在であり、私に伝え継がれた血統の始祖。彼女の助けがなければ、この世界に分身を侵入させて様々な下準備をしておくことも不可能だっただろう。
文字通り、彼らがいなければ今この瞬間も決して訪れなかっただろう。
その助けと恩恵に報いるためにも、私の目的を確実かつ完全に完遂するつもりだ。
決意を固めながら進んだ私の前に世界の境界が現れた。普通の人間なら決して到達できない宇宙の果て。漆黒とも、他の何かとも表現できない奇妙な境界面だった。
その表面はあまりにも滑らかで、同時に息苦しいほど堅かった。まるでダイヤモンドよりも堅固な何かで壁を立てたような感覚だった。
元々世界の境界はこのようにはっきりとした形を取っていない。これは特殊な形態――この向こうに牢獄世界が付いているという証明だった。
私はその壁を躊躇なく切り裂いた。
境界面の穴を伝って越えていった先は、どこにも属さない場所。どの世界の時空も法則も届かずつながらない隔離された空間。
そこは荒涼としていた。植物も動物も何も存在しない荒地。しかし荒涼とした地面ばかりで目立たないだけで、大地は無数に砕け歪んでいた。空間そのものが細かく砕かれ再配列された場所だった。
空はもっとひどかった。あらゆる色彩が入り混じって何なのか区別すらできない光景が上空に満ちていた。あえて例えるなら……地面にこぼれた油に光が当たってあらゆる色がめまぐるしく輝いているようなものか。
しかし何よりも違和感が強い点は、そのすべてが完全に止まっているという点だった。
歪んだ大地も混沌の空も。そして肌に触れる空気さえも、そのすべてが静かに止まっていた。止まってしまった空気はそれ自体が巨大な壁でもあり、人間ならばこの死んでしまった世界の中で進むことすら不可能だっただろう。
まるで時間が止まった墓場のようだった。そして今、この墓場のどこかにお姉様がいる。
そう思うだけでも胸が締め付けられるように痛かったけれど、その痛みを洗い流すという決意で前に進んだ。
死んでしまった空気を切り裂きながら進むと、空間がゆっくりと締め付けられ始めた。重力と魔力が交差しながら層をなしており、その圧力は生きて動く肉体を時間と空間の中に永遠に剥製にしようとした。
まるで私がここに足を踏み入れること自体を許さないかのような圧力。いや、比喩ではなく文字通り侵入者を永遠に排除するための術式だった。
私はゆっくりと息を吐いた。神の息吹が時空間の圧力を押し退けた。しかしそれはただ副次的なものに過ぎず、重要なのはここの本質を理解することだった。
目に見えるのは歪んだ大地と混沌の空ばかり。しかし目を閉じて魔力を探ってみると、この世界のとても奥深い中心のどこかに隔離された空間があることが感じられた。
その中で何かが激しくぶつかり合っていた。
それは単純な戦闘ではなかった。魔力の衝突、結界の揺動、そして……生命の揺らぎ。二つの巨大な存在が互いを完全に打ち砕こうとする意志が波動となって伝わってきた。
見つけた。お姉様がいる場所。
お姉様は一人であの中でバリジタを強力な結界の中に閉じ込めたまま終わりのない戦いを繰り広げていた。逃げようとする力を押さえつけるために自分の魔力と生命力すべてを投げ出し、結界を堅固に支えると同時にバリジタに向けて必殺を吐き出していた。
外からは具体的な戦闘の流れまではわからなかったけれど、大体の予想はついた。
一方場所を把握し周囲を改めて俯瞰してみると、牢獄世界の外部から巨大な力が流れ込んでいるのが感じられた。
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