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対決の結果

 邪毒神は露骨に威圧を発した。


 まるで巨大な鎖が全身を締めつけるような威圧感。ボクを拘束することなど何もないのに、魔力を感じた体が勝手に萎縮した。まるで人間の体では敵対してはいけないと悲鳴を上げているようだ。


 だが。


「確かに貴様の分身はボクより強い。だがそれでも力の底がボクにも見えるほどだ」


【ほお?】


「少し強い程度で意気揚々とするな。その分身でボクのすべてを受け止めることはできないぞ」


 ――『冬天世界』侵食技〈冬天世界〉最終集束変異


 侵食技を圧縮して『冬天覇剣』に込める。


 周辺の光景が元に戻った。その代わり〈冬天世界〉のすべての魔力が圧縮された『冬天覇剣』が威圧を放った。


 もちろん、この程度であいつを圧迫することはできない。しかし奴の威圧を相殺する程度は可能だ。そして何よりも……これなら、今の奴の全力を引き出すことができる。


 邪毒神は笑い出した。


【立派だぞ! 良い。その小さい世界の重さを一度見せてみたまえ!!】


 豪快な叫びの直後、大陸の魔力の流れが変わった。


 大陸の冷えた気候はそのまま。だがその気候を作り出す魔力の半分が分身に集中した。まるでボクが〈冬天世界〉を剣に圧縮したように、大陸を支配していた魔力を自分に集中したのだ。


 その意味を悟ったボクは微笑を浮かべた。


「行くぞ!!」


 ――ジェリア式狂竜剣流『冬天世界』専用終結奥義〈冬天の証明〉


 同時に突進して刃の届く距離まで接近。そして剣に圧縮された小さな世界の力すべてを一つの斬撃で放つ。邪毒神も集中した魔力すべてを斬撃で放った。


 侵食技の小さな世界と、小さな世界を彷彿させる圧倒的な魔力。両力の刃が激しく拮抗した。


「ふ……ふふ、ははははは! さすがだな!」


【称賛してやる。よくもここまで研鑽を積んだな】


 魔力を一切放出せず、すべてを刃に凝集した激突。衝突の余波で解放された魔力が周辺を荒らし、ボクと邪毒神の体までめった斬りしたが、どちらも手から力を抜かなかった。ただ相手の剣を圧倒するまで力で押し通すだけ。


 力比べの末に押し出されたのは――ボクの方だった。


「っ!?」


『冬天覇剣』がボクの手から抜け出て飛ばされてしまった。邪毒神の剣は斬撃の魔力がほとんど相殺されたが、ボクの剣を弾き出した勢いを反対方向にひっくり返して、そのままボクの体に向かって殺到した。


【残念だな】


 邪毒神がそう言ってボクを切ろうとした瞬間、ボクは左手を広げた。


「貴様の判断力がな」


 左手のひらに集束された魔力。その中で吹雪く世界がちらりと見えた。


 邪毒神が驚いたように剣の速度を遅らせた瞬間、ボクは左手を力強く突き出した。〈冬天世界〉の魔力が奴の魔力に激しくぶつかった。


〈冬天の証明〉の本質は圧縮された〈冬天世界〉を放つこと。つまり剣は必須ではない。


 剣と剣が衝突した時、敗北を予感した瞬間〈冬天世界〉をボクの体に移動させた。最後に『冬天覇剣』が虚しく飛ばされてしまったのもそのためだった。


『冬天覇剣』がないだけにさっきより弱いが、邪毒神の方はすでに集中した魔力をほとんど消耗した。それなら勝てる。


【立派だぞ】


 邪毒神の魔力がボクの〈冬天世界〉に圧倒される直前、奴は大陸に広がった魔力をもう一度回収した。その力で〈冬天世界〉の一撃に耐えた。


「はああっ!」


 何とか勝つ。いや、勝てなくてもいい。死なないためではなく、あれくらいの強者にとりあえず一発食らわせたい。その一心で手のひらを全力で押し通した。


 二つ目の激突は――両方の魔力が同時に全部消耗した。


「な……がはぁっ」


 全力で力を放出した疲労感のため体がしばらく鈍くなった瞬間、邪毒神は剣の側面でボクを殴った。衝撃がボクをその場に倒した。それだけでなく、邪毒神の魔力が体を麻痺させた。


 倒れたボクの顔のすぐ前の地面に邪毒神の剣が刺さった。


【十分でなければ殺すと言ったが……】


 奴の言葉を無視して体に魔力を循環させた。


 疲労感と邪毒神の魔力のために瞬間的に麻痺しただけで、力が尽きたわけではない。消耗は大きいが、それは邪毒神の分身も同じだ。まだ戦える。


 しかしボクの体が動く前に邪毒神が笑い声を上げた。


【まぁ、嘘だ。切迫にさせると思ってな。あまり効果はなかったようだが】


「……は?」


【一応は合格だ。まだわからないはずだが、間もなくその証拠を感じることができるようになるだろう】


 証拠? どういうことだ?


 奴はボクの力と資格を証明すれば力を与えると言った。ということはもう与えたということか? しかし奴の魔力がボクの体に入ってくる気配もなかったし、他のことが感じられもしない。少なくとも外部から何かがボクに与えられた気配はない。


 そのような疑問が顔にあらわれたせいだろうか。邪毒神がまた笑い声を上げた。


【魔力などとは格の違う本物の力だと言ったはずだが。まぁ……その力を与える主体は別にあるが】


「どういう意味だ?」


【そもそも関係もない神の力などを要求している場合ではないという意味だ。持てる力からしっかり自覚しなければならないぞ】


 邪毒神は剣から手を離して身をかがめた。そしてボクの胸……正確には心臓の方を指した。


【その血統の持つ力をまだ半分しか使っていないのではないか。まずそれからきちんと扱え。アインズバリが呼びかけに応じたということはすでに資格を備えているという意味だぞ】


 血統の持つ力、半分……まさか?


 奴の言うことが何なのか一つだけわかる。アインズバリが呼びかけに応じたというのはどういう意味かよくわからないが、奴が指すのがボクの思い通りなら……確かにそちらがもっと優先だろうな。


 ボクが考えを整理している間、邪毒神がニヤリと笑った……ような気がした。


【力と資格を()()証明しろとは言ってなかったぞ。今度は証明できる力を引き出すように助けただけだ】

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