中心部奇襲
[先行する。俺が道を作って区域を割り当てるから、各自捜索を続行するように]
[はい]
邪念通信を切り、『地伸』の力を地下に展開した。
この建物は空間を操作する力で内部が拡張され迷路化された場所。でも確認したところ、空間歪曲が適用されたのは建物の地上部だけだ。地下は建物の土台があるだけで地下室が別になく、空間歪曲もなかった。地下からの侵入に対応できると自信があるのか、それとも単に油断したのかは分からない。でも大地を操作する『地伸』の能力者である俺には嬉しい誤算だ。
空間歪曲自体も動ける範囲に限度があるようだから、地下を通じて移動すれば到着地をある程度限定することができる。
地下に複雑で広いトンネルを作った。建物全体のどんなポイントへでも移動できる規模だった。それで部下たちを各ポイントに送り、俺自身は建物の中央部に向かった。
「……お」
思わず声が漏れた。
まだ直接対面してもいないのに感じられる。強大な魔力が何十個も。人間の魔力もあり魔物の魔力もあったが、どれ一つ甘い奴がいなかった。安息八賢人や邪毒獣レベルの怪物はいないようだけど。
小玉の形をした魔道具をいくつか取り出して散らした。姿と気配を隠したまま自ら動きながら映像を撮影して伝送する魔道具だ。それを中心部一帯の様々な地域に展開して情報を収集した。
……やっぱり空間歪曲は面倒だね。連続で開けた穴を通じて魔道具を進入させたにもかかわらず、到着地がまちまちだ。ただ思った通り範囲はある程度決まってる。
中心部の一部には何もなかった。しかし一部は魔道具がすぐ破壊された。奴らもすぐ気づいて警戒態勢に入ったようだね。
――『地伸』専用技〈大地の目〉
今度は石と土を媒介に視界を確保する技で内部を偵察する。魔道具と違って簡単にバレないし、バレても完全に防ぐことはできない。魔道具で一度騒がせて警戒態勢を引き出したので、奴らの戦闘態勢を垣間見ることができる機会だ。
見るやいなや部下たちに指示を出した。
[建物内に潜入した要員は全員集合せよ。中央部を打つ。俺が先に突入するから、状況に応じて俺を支援するように]
思念通信を送り、直ちに上に進入した。
大きな空間だった。多くの人がいて、多くの魔物が拘束されていた。そして真ん中に巨大な魔道具が二つあった。
一つは魔力を変換する精製機に似た形だった。おそらくムラヒム国壁の魔力を流用するためだろう。そしてもう一つは魔力で巨大な砲台を形象化する戦略級大砲だった。
問題は大砲に今にも発射できるほどの魔力がすでに充電されているという点だった。まだムラヒム国壁が発動すらしていないのに。
――ハセインノヴァ式暗殺術〈鬼の歩み〉
隠密かつ迅速に。誰にもバレず大砲に近づき、岩の小剣を振り回した。魔力が流れる回路の中心を正確に貫き、『地伸』の岩石で内部を壊そうとした。
しかし大砲から突然爆発した魔力が俺を押し出した。そのため大砲を壊すことが失敗した。凝集した魔力を霧散させて当面の発射は防いだが、再び魔力を凝縮すればすぐに発射できるだろう。
「何者だ!?」
ちっ。やっぱりこんなに大げさな爆発が起きたら隠れないね。でも隠蔽術が壊れたわけではない。
まだ奴らが俺に気づいていない隙に敵の構成を把握する。役割と戦闘力を察して、……一撃で寝かしつけられる者を一度の見回りで見抜く。
――ハセインノヴァ式暗殺術〈静けさの証明〉
無数の毒針を四方に散らした。人間には死なないけど半日は動けなくなる麻痺毒を、魔物には高位の魔物すら耐えられない猛毒を。そのように周辺を整理した直後、ここの指揮官と見られる者の後ろに接近した。
――ハセインノヴァ式暗殺術〈無形のギロチン〉
不可視の刃を奴の首に向かって振り回した。しかし奴はすぐに気配を感じて剣を抜いた。斬撃と刃が衝突した瞬間、騒々しい爆発が起きた。その余波で俺は吹き飛ばされ、隠蔽も解除された。
「ネズミか。だが最初の手で殺そうとした判断力はいい」
「殺すつもりで振り回しても死なない奴みたいだったからねぇ」
口で言葉を返しながらも、目では周りを素早く見る。
〈静けさの証明〉でザコどもはほとんど無力化した。でも防御や回避に成功した奴らが三割程度だった。あいつらは簡単じゃない。
――『地伸』専用技〈岩の戦い場〉
無数の岩柱がそびえ立った。その中で一番近いものに入った後、魔物一匹の後ろから出てきた。振り回された〈無形のギロチン〉が奴と横にある魔物まで一度に首を切った。
「テメェ!」
安息領一人が飛びかかってきたけど、土の中に隠れて避けた。そして他の岩柱から出て安息領二人を気絶させ、次の柱から魔物三人を射殺した。
「岩柱を壊せ! 奴の小細工をぶっ壊しろ!」
奴らは素早く対応して柱をいくつか壊した。直後、一本柱から顔を出すと、奴らの攻撃がここに集中した。俺はすぐに避難したけど柱は壊れた。
その瞬間、壊れた柱から閃光が爆発した。
「ッ!?」
突然の魔力光が奴らの目をしばらくダメにさせ、魔力を感知する感覚まで乱した。その間、魔力爆弾をめっちゃ撒いた。散発的に爆発が起き、奴らをさらに撹乱させた。
――『地伸』専用技〈エシオスの土人形〉
地中から俺とそっくりな分身体を十体送り出した。見た目だけでなく、ハセインノヴァ式暗殺術まである程度駆使できる人形が敵を攻撃した。
もちろんこれは目立ちにすぎないけど、それで十分だ。
――ハセインノヴァ式暗殺術〈鬼の歩み〉
残っていた岩柱からかすかな影が飛び出した。俺ではなく部下要員だった。〈エシオスの土人形〉が視線を引いた隙に部下が奇襲をしたのだ。
このまま部下たちと一緒に奴らをできる限り煩わせながら、隙を見て魔道具を破壊する。
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