尋問
……こんなに早く帰ってくるとは。
初めて閉じ込められた時、脱獄が容易ではないと思った。だがこのようにとんでもない形で再び戻ってくるとは思わなかった。
安息八賢人が直接来た時までは無理なく成功できると思った。しかしオステノヴァ公爵が来た時から状況がおかしくなって、あの女が来ると完全に破綻してしまった。
そう、今目の前にいる女。
「そろそろ尋問を始めよっか」
その女――テリア・マイティ・オステノヴァは冷たい眼差しで俺と安息領の奴らを一瞥した。
監獄の中にある尋問室だった。犯罪者を尋問する場所に俺がターゲットに連れてこられたのは本当に腹が立つことだが、少なくとも拷問室ではないということだけは安心できた。バルメリアは公式には拷問が禁止されている国だが、王室でも黙認して利用しているという噂がある。
尋問室にいるのは〈空間置換〉から落ちてしまった人員すべて。すなわち安息領の奴ら三人と俺、このように四人が尋問対象だ。そして尋問するのはテリアだけで、尋問対象の監視とテリアの護衛を兼ねた騎士が四人配置された。他に誰もいないけど多分魔道具で記録と監視をしているだろう。
「貴族なんかに言うことはない」
安息領の奴らの一人がそう言った。救出作戦当時、ラースグランデの部下の中で最も地位が高かった奴だった。名前が……おそらくエヴァンドスだったのだろうか。彼のテリアを睨む目には敵意が満ちていた。公爵家、あるいは貴族に何か恨みがあるようだな。
しかし、テリアは鼻を鳴らした。
「最初から期待もしなかったわ。必要もないし」
「どういう意味だ?」
「もうすぐわかるわよ」
テリアは指パッチンをした。
部屋の隅に置かれていた荷物から四本の細長い金属棒が飛び出した。それらは俺と安息領の奴らを取り囲む形で配置された。そして棒の端から魔力が流れ出し、部屋の外郭で警備に立っている騎士たちを除いた皆を包んだ。
見たことのない魔道具だった。でもそれを気にする前にテリアが先に口を開いた。
「質問を始めるわ。まずは……そっちからするわね」
テリアが選んだのはエヴァンドスだった。彼はその事実そのものが不愉快そうに顔をめっちゃ歪めた。
「まず最初。ラースグランデが来たのはあんたたちを救出するために、それだけだったの?」
「言うことはないと言ったはずだ」
エヴァンドスは強く言った。
しかしテリアは質問をしながらも、いざ彼を見てもいなかった。代わりに円板の魔道具を取り出した。こちらからは見えないけど魔道具で魔力が揺れながら何かを見せてくれる物ということだけはわかった。
しばらくそれを眺めていたテリアが再び口を開いた。
「ラースグランデの目的は三つ。一つ目は投獄された部下の救出。二つ目は監獄内に特殊な時空間の標識を残すこと。三つ目は安息領が他の場所で同時に作戦を展開することを支援するための視線を引くこと、か。面白い考えね」
「なっ!?」
テリアが平然と呟いた言葉がエヴァンドスを慌てさせた。だがテリアはそれさえ気にしない様子で呟き続けた。
「ラースグランデが監獄の中に残した標識は何なの?」
「貴様! 何をした!」
エヴァンドスの態度自体がテリアの言葉を認める格好だったが……彼はそれに気づかなかったのか、あるいは知らないふりをしても意味がないと思ったのか、必死の姿でテリアを非難した。
しかしテリアの視線は魔道具に向けられているだけだった。
「ディオスの体に植え付けた魔道具と同類……いや、もっと強力な標識ね。外から内部の時空間座標を追跡することも可能で、『空間操作』の力を内部に浸透させて遠隔で監獄内の空間を制御することまでできるわね。なかなかの物ね」
「……! その魔道具の力か! よくも――」
エヴァンドスは両腕が拘束されたことも気にせず立ち上がった。いや、そうしようとした。しかしその瞬間、テリアの左手が彼の頭をつかんでテーブルに強く打ち込んだ。
「がはっ!?」
「うるさいから黙ってくれる? 声帯と舌を引き裂く前にね。あんたの言うことなんていらないわよ」
「くっ……尋問中の捕虜にこう接するのは……」
「あいにく私には犯罪者に手加減をしてくれるという概念がないの。それが九十八人の罪のない人を虐殺し、その身体部位を遺族に送って嘲弄したクズならなおさらよ、エヴァンドス・カランタイン」
「!? なぜ俺のことを……」
「それはどうでもいいことよ。この国がなぜ拷問を禁止したのか知っている?」
テリアはあからさまにエヴァンドスをあざ笑った。
「人道的な理由もあるけれど、何より重要なのはそんな非効率的なことをあえてする必要がないからなのよ。情報を引き出す手段なんてとても多いんだもの。その中でもこれは本当に面白い物なんだけど」
テリアは魔道具を見せびらかすように振った。
「この魔道具は脳の中の情報を〝検索〟できるの。聞いた言葉と関連した情報しか検索できないという限界があるけれど――キーワードさえ確実に把握していれば、むしろ必要なことだけ正確に把握できるという長所があるわ。ああ、耳を塞いだり魔力で聴覚を遮断しても無駄よ。脳に直接言語を打ち込む方法なんていくらでもあるから。まぁ、手も魔力も拘束されているのでどうせ不可能だけど」
テリアはエヴァンドスの反抗など全く大したことないかのように平然と椅子に座った。再び魔道具にだけ視線を向けながら。
「時間がもったいないからやり直すわ」
……異常な強さよりも、少し見えた冷酷さと非情さの片鱗が少し怖かった。
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