テリアの追求
『隠された島の主人』との会談後、テリアは部屋に閉じこもることになった。
「イシリンさん。お姉様は一体何をなさるんですか?」
テリアの妹であるアルカが私に話しかけた。
今私たちがいる場所はオステノヴァ姉妹の寮の部屋。アルカはテリアの実妹でルームメイトであるだけに、テリアの様子を毎日見ている。だからこそ、テリアが一体何をしているのか不思議に思うのだろう。
テリアはベッドの上で蓮華座をしたまま目を閉じて瞑想していた。それ自体は〈五行陣〉の修練をする時と同じだけど、問題は食事の時を除いて一日中そうしているということだ。食事の時は普通に他人に接していたけれど、その他の時間にはどんな修練も外遊もせずにずっと瞑想三昧だった。もう一ヶ月が過ぎた。
「お姉様に直接聞いてみました。でもお姉様は曖昧にごまかすだけで教えてくれないんです」
「僕の方も同じでした。ジェリア様やリディア様が話しかけても同じようにごまかしたようですね」
ロベルもそう言った。その表情から隠すことができなかった残念さと切なさがうかがえた。
テリアは少しずつ他人の心を受け入れてきており、特に最近は自分の最大の秘密である前世と転生のことも明らかにした。危険に向かって独走していた彼女の態度を残念がっていた人々には、最近のテリアの歩みが肯定的だっただろう。そんな彼女がまた何も言わずにああしているから心配なのだろう。
しまった、考えたら苦笑いが出てしまった。
「心配しないで。変なことや危険なことをしようとしているわけじゃないから。ただ余裕がないだけだと思うわよ」
「やっぱりイシリンさんはご存知なんですね!?」
「教えてください。テリアお嬢様は一体何をなさっているのですか?」
飛びつくわね。対話には参加していないハンナまでも私を熱く眺めていた。こんなに愛されるなんて、貴方は本当に祝福された人生を送っているわよテリア。
気持ちだけでは全部話してあげたいけれど、勝手にむやみに話すことはできない。特に『隠された島の主人』のことについては。
あいつが本当にテリアが言った織部カリンなのか、それともテリアが疑ったようにただテリアを動揺させるためにその姿をとったのかは分からない。テリアでさえそれについて確信していない。
邪毒神に対する常識を考えると、本物の織部カリンである可能性はほとんどない。しかし『隠された島の主人』はずっとテリアに友好的な歩みを見せてきた。けれども、邪毒神が友好的なふりをして後で裏切るのはありふれた手段。だからこそテリアも確信できないのだ。
「私もテリアから直接聞いたことは何もないわ。ただ予想はできるの」
「何ですか!?」
アルカは私に飛びついた。そんなに必死になる必要はないのに。
『隠された島の主人』と織部カリンについての話は直接的にはできない。でも、ヒントをあげるくらいは大丈夫かも。そもそも口をつぐんで一人だけああしているテリアのせいでもあるから。
「この前『隠された島の主人』の分身と直接会談したのは知っているよね?」
「はい、それは聞きました」
「あの時『隠された島の主人』がテリアの前世と関連があるかもしれないという可能性が台頭したわよ」
「ええっ!?」
アルカはびっくりし、ロベルとハンナは目を丸くした。やっぱり兄妹、驚き方が似てるね。
「確かではないわ。あの邪毒神はノーコメントで一貫しているから。でもテリアとしては当然気になることでしょ?」
「そうでしょう。お嬢様の前世のことは詳しくはわからないのですが、かなり不便で狭い生活だったということは聞きました。そんな人生だったらなおさら、生きてきた縁一つ一つが大切でしょう。そんな縁の一つと関連があるということですか」
「ひょっとしたら、ね。でも確信がないから、テリアはその確信を得ようとしているの」
「それが可能なんですか? それが今の生活と何の関係があるんですか?」
「テリアが考えた方法が成功すればできるはずよ。でもそれはとても難しい方法なの。そして貴方たちが助けることができない問題でもあるし。だからテリアは何も言わずに没頭しているの。説明する時間さえ節約するために」
その時だった。
「……できたわ」
テリアは突然目を覚ました。今まで瞑想にだけ集中していたのか、彼女は自分を見守る私たちを見て少し驚いた。
「みんなどうしたの?」
「お姉様が何も言わずに一人で何かしていて心配しました!」
「あはは、ごめんね。でも、それももう終わったわ」
テリアはベッドから立ち上がり、部屋の真ん中に立った。そして突然〈魔装作成〉で剣を作り精神を集中し始めた。
「お姉様?」
「しーっ」
私はテリアの代わりにみんなを黙らせた。
テリアは二十分以上じっとしていた。ついに目を覚ました後は、短くて鋭い気合いと共に目の前の空間を切り裂いた。何もない虚空にとても小さな傷がついた。時空亀裂を連想させる傷痕だった。
テリアはその傷に魔力を流し込んだ。そして小さな結界で自分自身と傷を覆った。
「ちょっと集中するわよ。邪魔しないでね」
それから彼女はまた目を閉じた。
「イシリンさん。お姉様は一体何をしているんですか?」
「……とてもすごいこと」
予想はしていたけれど、本当に成功してしまって驚きを超えて呆れる。
テリアなら成功できるかもしれないと思った。しかし、わずか一ヶ月で道を見つけるとは想像もできなかった。これは人間を超越するための第一歩だから。一ヶ月どころか十年、いや百年かかってもものすごく早いことだもの。
テリア。貴方は自分がどれほどすごいことをしたのか自覚しないだろう。
もちろんテリアが開けられる〝傷〟は爪一つさえ通れないほど小さく、彼女自身があの中に入ることは不可能だ。でも、どんなに小さいとしても、門を開けたこと自体がもう〝始まり〟なのよ。
……テリア。ひょっとしたら貴方が望む救いを本当に叶えることができるかもしれないわよ。
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