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不思議な感情(お知らせ?あり)

 実は到着するまでは中心部が邪毒にひどく汚染された姿のようなものを想像していた。しかし、実際の姿はそれとは全然違った。


 簡単に言えば……巨大な〈爆炎石〉の碑石というか。


 広々とした広場のような場所だった。中央にまるで小さな山のような大きさの〈爆炎石〉が刺さっていて……それ以外には何もなかった。巨大な宝石の中から強い邪毒が感じられたけれど、それが外に漏れる気配はなかった。いや、むしろ驚くほど安定していた。まるで八年前のイシリンのように。


「これは……」


「中に強力な邪毒が内包されているわよ。生半可に触らないで」


 私とイシリンが先頭に立った。私は『浄潔世界』のおかげで、イシリンは邪毒神なので邪毒が噴出しても何の問題もないから。もちろん邪毒じゃなくても、あの〈爆炎石〉が爆発したりしたら大惨事だけれど。それでも私たちの中であれが爆発したからといって致命傷を負う人はいない。


 近づいている間に何か反応があるかもしれないので警戒したのがバカみたいなほど、何も起きなかった。しかし妙に視線のようなものが感じられた。別にどこからって言うのは曖昧だけれど……それこそ〝なんとなく〟誰かが見守る感じというか。もしかしたら、私たちをここに連れてきた邪毒神の視線かもしれない。


「テリア、気をつけて。邪毒は問題ないとしても、他に何かあるかもしれないから」


「ありがとう。心配しないで」


 まずは『看破』をはじめとする各種探知系の特性で宝石を調べた。けれども、内部に邪毒が入っているということを除けば、リディアが作る〈爆炎石〉と変わりはなかった。今のリディアには不可能なほど巨大な魔力が凝縮されているということくらいが唯一の違いだった。イシリンも同じ結論を下したようだし。


「うむ……中心部を占めている大きな奴にしては大したことないわね。情況上、これが燃える海を作り出した中心のようだけれど……」


「邪毒とは別に邪毒神の力が感じられるのを見ると、その考えは正しいはずよ。でもその力がどのように作用するかはわからないわ」


「周期的に力を放出するのかしら?」


 考えてもわからない。イシリンも特に何かわかった気配はないし、私たちをここに誘導した奴が何かしてくる気配もないし……何だろう。


「この宝石を分解してみようか」


 何も考えずに宝石に手を出した。


 その瞬間。


「――っっっ!!?」


 何の前兆もなく、突然ものすごい感情の波が押し寄せてきた。


 多すぎのものが入り混じっていて、何が何だかわからない。しかし、明らかなことは決して肯定的な感情ではなかったということだ。悲しみ、怒り、憎しみ、悔恨、恨み……今にも誰かを殺してしまいそうな負の感情。


 そのすべてが……私に向かっていた。


【よくも】


 声が、聞こえた。


【よくもここまで来たよね】


 冷たくてぞっとするような気が私の首に巻かれた。それがまるで冷たい幽霊の手が私の首を絞めようとしているように感じられた。


【この首をここで折ってしまいたいけれど……】


[誰なの? なんで私にこんなの見せるの!?]


 声が出なくて、相手に向かって魔力の思念を飛ばした。すると笑い声が聞こえてきた。まるで前世のホラー映画に出てくるかのように、四方から響くぞっとする笑い声だった。


【貴方を大切にするあの子の志を……逆らえない。そして今の貴方に罪はない。知ってる】


 首に巻かれていた不気味な気が消えた。でも残念そうな……まるで獣が舌鼓を打つような気配がした。


 明らかな殺意が、口を開いた。


【今は見ないふりをしてあげる。でも忘れないで。いつも貴方を見守っているということを。我々皆が……】


 ぞっとするようなささやきが耳元に漂い――。


「お姉様!!」


 急に引っ張られる感じと共に、私の体は宝石から落ちた。同時に感情の波と不気味な気も消えた。


「大丈夫ですか!?」


「えっと……どうしたの?」


「お姉様、急に青白くなりました! 今冷や汗もたくさん出ています! どうしたんですか!?」


「えっと……うーん……私もよくわからないわ」


 記憶はまだ鮮明だ。しかし、何が起こったのかは私もよくわからない。ただ突拍子もなく巨大な憎悪と殺意が私に話しかけたということしかわからない。


 そんな話をすると、アルカとリディアが息巻いて宝石へ突進した。びっくりして二人を止めようと手を伸ばした。


「ちょ、ちょっと待って! 二人とも気をつけて……」


「あんた何よ! お姉様に何をしようとしたの!」


「邪毒神でしょ? 卑怯に隠れないで出てこいよ!」


 私の制止は遅く、二人の拳が宝石をぶん殴った。それでも何の意味もないのに!!


 拳が宝石に触れた瞬間、二人がびっくりする気配と共に固まった。


「アルカ! リディア! 大丈夫!?」


 急いで二人を引き寄せた。でも二人は依然としてぼうっとしていた。


 どうしたの!? まさか何か変なことでもあった……。


「落ち着いてテリア。二人は大丈夫。ちょっと驚いたような気はするけど」


 イシリンの言葉を聞いて、再び二人の状態を調べた。さっきの私と違って白くなることも、冷や汗もなかった。体内の魔力も安定していた。


 問題がなければ幸いだけれど……一体?


「何を見たの?」


「あ、お姉様……うーん、それが……友達?」


「……は?」


「何が何なのかはよくわからないんですけど……何かすごく親しいふりしてる感じというか……好感のようなものが感じられました」


 好感? 私の方は殺意だったけど?


 リディアの方を見ると、彼女はまた違った印象を受けたようだった。本人の言葉では何か残念でもどかしい感じだったとか。


「……私には何も感じられないわね」


 イシリンは宝石に手を出して言った。それぞれ違う感じっていうのかしら。試しにもう一度宝石に手を出してみたけれど、今回は何も感じられなかった。


「何を意味するのかはわからないけれど、それは『息づく滅亡の太陽』の意志と考えていいでしょ。貴方たちが宝石に手を出した時、宝石に宿っていた邪毒神の気が揺れ動くのを感じたの」


「今はどう?」


「今は静かだけど、気がなくなってはいないわよ。ただ見守るという感じかしら」


 結局、それ以上の収穫はなかった。しかし、あいつは私を見守っていると言った。〝我々皆が〟とも言ってたし。


 それは……私に注目している邪毒神が数人いるという意味だろう。

ええっと、今日のタイトルにお知らせと書きましたが、実はお知らせよりご案内だと言うべきかもしれません。

大したことではありませんが、以前申し上げたとおり最初から文章を修正する作業を進行中ですが、実はその過程でいくつかの用語が変わりました。


昨日と今日の更新の部分でも出てきましたが、実は第一章で太陽の邪毒神の名前は『生きている滅亡の太陽』でしたが、今回修正の過程で『息づく滅亡の太陽』に変わりました。

他にも一部技術名が変わりました。天空流の〈新月描き〉→〈三日月描き〉とか、〈流星射〉→〈流星撃ち〉とか。

大きな変化ではありませんが、急に変わった用語が出ると混乱することがあると思いますのでお知らせします。


他にも修正作業をしている途中、蓋然性や展開に問題がありましたので、そんな部分を修正しているのですが、最新話を追っていらっしゃる皆さんには影響がほとんどありませんのでご安心ください。

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