一つの決着
「くっ……結構、痛ぇな……!」
ボロスは笑いながら眉をひそめた。
彼の左手は縦に裂かれていた。私の〈半月描き〉を相殺しきれなかった傷。切断までには至っていなかったけど、しばらくは左手がまともに使えないだろう。
そして私はその機会を逃すつもりはない。
「はああ!」
すぐに双剣を振り下ろした。ボロスはその攻撃を阻止するために槍を立てた。お互いに一寸も譲るまい力比べが始まった。
ちっ、やっぱり単純な力比べは奴の方が強い。片手だけのくせに、その腕の腕力と驚異的な魔力出力で持ちこたえていた。いや、むしろ私の方が負けそうな気さえした。
でもお互いに力だけを精一杯使っている状況なので、心だけは他のことを気にする余裕ができた。
[ジェリア。周りの状況はどう?]
[テリア!? いきなりなん……いや、すまん。雑談する余裕はないだろ。何が知りたいのか?]
[安息領雑兵たちと『隠された島の主人』の信奉者たち。さっきまで周りにいた奴ら、今何してるの?]
ジェリアは言葉の代わりに直接映像を送ってくれた。私はそれを確認し、眉をひそめた。
ほとんどはまだ気絶していた。けれど、『隠された島の主人』の信奉者の一部が何かをしていた。具体的には地に魔道具を置いて祈祷をしていた。
あれは……あれか。
[あいつらを制圧しようか?]
[いや、あいつらのことは気にしないで。みんな一緒に私の戦いの余波がこれ以上広がらないように防いでちょうだい]
信奉者たちがしているのは非常に危険な儀式だ。けれど、その危険性と規模に相応しく時間が非常に長くかかる。ボロスを倒した後に私が制しても余裕があるくらい。
それに今から戦闘がもっと激しくなるから。ジェリアたちもあいつらを制圧しに行く余裕なんてないはずだ。
――天空流〈星の翼〉
無数の魔力剣が私の背後に翼の形をしていた。私はボロスと力比べをしているまま、魔力剣を全部彼に浴びせた。するとボロスは魔力を爆発させて私を押し出した後、浴びせられる魔力剣に立ち向かって槍を振り回した。
「ふん!」
私はまた近づいて剣を振り回した。直接振り回した剣と浴びせられる魔力剣、両方の攻撃をボロスはかなり見事に防御した。でもすべての攻撃を防ぐことはできず、ボロスの体に徐々に傷が増えていった。
「うぐっ!?」
ある魔力剣がボロスのわき腹にかすめた瞬間、彼の体はほんの一瞬止まった。『麻痺』の特性を付与した魔力剣だった。私はすぐに飛びかかって彼の右腕を切り取ろうとした。
「うりゃあ!」
しかしボロスは気合で麻痺を解除してしまい、肌に魔力を込んで強化した。私の剣はその肌をとても浅く斬っただけだった。その直後、ボロスの頭が私に近づいた。頭突きだった。私は素早く体を後ろに反らしたけど、その隙にボロスが魔力を力強く吹き出して私を押し出した。
「こんなに血が沸くのは久しぶりだぜ!」
――ボロス式槍術〈思いっきり振り回し〉
魔力の斬撃、いや津波と呼ぶべきほどの一撃だった。私は〈星の翼〉の残りの魔力剣を前に立ててそれを相殺した。そして〈雷神化〉で雷になった体を利用し、壊れる魔力剣の破片の間を横切ってボロスに突進した。私とボロスは同時に武器を振り回した。
――天空流〈流星雨〉
――ボロス式槍術〈たくさん突き〉
偶然にも、私たち二人とも雨のように連続突きを浴びせる技を使った。双剣と槍が何度も衝突し、破壊をまき散らした。その中でボロスは微笑んだ。
「いくら今オレが左手をまともに使えねぇっても、オレの力と対等だとはな。どこからオマエなんかが現れたんだよ?」
「どこって何よ、母上のお腹からでしょ」
当たり前のことを聞かないでよ、無駄に。
唐突な答えと同時に〈三日月描き〉を放った。でもボロスはニヤリと笑い、突然負傷した左手を差し出した。左手が魔力を含んだまま斬撃を横にそらした。
「くっ……!」
その代わり、ボロスの左腕は肘まで引き裂かれた。けれどそのように時間を稼いだ間、ボロスの槍に大量の魔力が集まった。
「喰らえ!」
――ボロス式槍術奥義〈三倍突き〉
今度こそボロスの奥義が放たれた。
力も速度も、そして魔力も。まさに絶対的という言葉が相応しい一撃。突きそのものじゃなく、衝撃波だけでも王都の四割を吹き飛ばせる一撃だった。直接受けたら跡形もなく粉砕されるだろう。
それがもう少し早かったとしたら、ね。
――天空流奥義〈三十日月〉
ボロスが槍を出す時は、すでに周辺一帯の魔力がすべて私の支配下になった後だった。
これまでまき散らしてきた莫大な魔力の残滓。そしてボロスがまき散らした魔力と自然に存在する魔力。そのすべてが栄光の剣に集束された。
「はあああああ!」
一閃。
斬撃と突きの激突。白光技の白と邪毒の黒が入り混じったボロスの魔力と、紫光技の紫色を帯びた私の魔力が激しく戦った。けれど、拮抗するのは一瞬だけ。すぐに片方の色がだんだん相手を圧倒し、ついにその場を完全に支配した。
その色は――紫色。
「が、はぁっ……」
ボロスはうめき声を上げ、右肩を見下ろした。正確には完全に切れて消えてしまった右腕の空席を。
私はすぐに指先で魔力を出した。鎖と結界、念動力、そして呪い。人間を拘束するためのあらゆる術法がボロスを絡めた。
それにもかかわらず、ボロスは依然として笑っていた。
「はっ、こんなことでこのオレを拘束できるって……」
「思うわよ」
――紫光技特性模写『魔力霧散』
魔力を霧散させる魔力の剣でボロスの足を突いた。この程度ならボロスが拘束を破ることはできない。
「殺すつもりはないから大人しくして」
「はっ、さっきオレの心臓を狙ってたんだが?」
「どうせ死なないって知ってるから」
予想外の出来事ではあるけど、安息八賢人の一員を生け捕りにしたのはものすごい収穫だ。今後の計画にも大きな転換点になるだろう。
そのような考えと力を発揮した直後のだるさのせいで、私はもう一つの脅威が迫っていることに気づかなかった。
「困りますね。彼を返してもらいます」
その声が聞こえた瞬間、私は稲妻のような速度で振り返った。
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