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対決

「……はっ」


 ボロスは短く息を吐き、頭を下げた。


 でもそれもほんの少しだけ。すぐに彼の口が弓のように曲がり、すぐに頭をもたげて狂笑を上げた。


「ハァハハハハハハ!! 面白ぇ! オレの前でそんなナマイキなのをしゃべるのは久しぶりだぜ、おい!!」


「今回が最後になるわよ。人とのやり取りはこれが最後になるからね」


「プッ、クハハハ! いいぜ! そう言うだけの力はあるようだなぁ! これ久しぶりに楽しそう!」


 大音量で響き渡る声。うるさいわね本当に。声だけでお腹が鳴るみたい。


 ――天空流〈一つの星〉


 大量の紫光魔力が注入された栄光の剣が紫色に染まった。同時にボロスは右腕を持ち上げた。その手に魔力が集まると思ったら、長くて巨大な槍が現れた。巨人のようなボロスが持っているのに大きいと思うほど壮大で圧倒的な槍だった。


「とりあえず聞いてみよう。貴様は何者だ?」


「さぁね、それが大事なのかしら?」


「……はっ。ガキのようだが力は相当あるんだな。その程度なら結構有名かもしれねぇ。首を切って他の奴に聞けばいいだろう」


「それができると思う?」


 言葉はこうしているけど、私はボロスを睨みつけるだけで飛びかかってはいない。


 まるで巨大な山を見上げるような感覚。ボロスは息苦しいほど巨大な魔力を惜しみなく誇っていた。姿勢自体は隙だらけだったけど、その巨大な魔力と身体の圧倒感が本能的な警戒心を呼び起こした。


「本当に息苦しい奴ね。見た目もそうだけど魔力まで」


「ハハハ、そんなんかよく聞くぜ!」


 そう言いながら、ボロスは無造作に槍を振り回した。


 あまりにも巨大で圧倒的な魔力の波だった。まるで区画全体を粉砕してしまおうとするような一撃。実際、周りの建物がめちゃくちゃ破壊され、その破片まで入り混じって魔力と共に飛んできた。


 これがボロスの力。魔力量だけ見れば文字通り世界最強の男。その圧倒的な魔力量を浴びせて力ですべてを押さえるのがボロスの戦闘法だ。技術とか技巧とかいうものを全部意味のないものにする、手に負えない力の象徴。


 そして、それこそ彼が()()()()()()理由だ。


「はあっ!」


 大量の魔力を圧縮してボロスの攻撃の中心を突いた。正確に核心を突き破られた攻撃が制御を失った。莫大な魔力がそのまま統制から外れて爆発しようとした瞬間、私の魔力を注ぎ込んで魔力の方向性を上空に誘導した。ボロスの莫大な魔力はこれ以上地上を破壊できず、空に向かって散った。


「……ほう?」


「あんたは力ですべてを圧倒するだけで、技術は下手すぎ。それがあんたが私に勝てない理由なのよ」


 ボロスの特徴は結局無尽蔵と言われるほどの魔力を持つことだけ。だけど私は『浄潔世界』とイシリンの組み合わせを通じて、文字通り無限の魔力を持った存在だ。


 つまり、魔力量においてはボロスの()()()()()()()なのだ。


 ……もちろん貯蔵量はそうだけど、一度に使える魔力の出力量自体はボロスの方がずっと上だ。いくら無限の魔力を持っていても、出力自体まで無限ではないから。けれど、その差は私の技量でカバーできる程度に過ぎない。今ボロスの一撃を受け流したように。


 ただ力だけで技巧を圧倒するボロスと、匹敵する力を持って技巧まで備えた私。いわば私の方が相性の優位にある。


 ……だからといってボロスが相手にしやすいわけじゃないけど。


「クク、クハハハ! 面白ぇ! 面白ぇぜ! よし、本気で行くぜ!」


 ボロスは爆笑し、槍を次々と振り回した。


 早くて強い。槍を一度振り回すたびに、まるで山が私に飛びかかるように巨大な魔力の波が殺到してきた。けれど、私はその連撃をさっきと同じように受け流した。


 その途中で隙ができた瞬間、私は莫大な魔力を剣に集中した。ボロスもそれを感じ、さらに大きい魔力を槍に入れた。


 ――天空流奥義〈満月描き〉


 ――ボロス式槍術〈クマのように振り回し〉


 剣圧が凝縮された魔力の球体と、ただ精一杯振り回しただけの斬撃が激突した。魔力の仕組みは当然私の方が上。けれどボロスは約三倍の魔力で奥義を相殺した。


「ハハハハハ! もっとだ! もっと暴れよ!」


 ――ボロス式槍術〈足がらみ〉


 足をねらった振り。私は回避と突進を兼ねてボロスに向かって跳躍した。同時に〈雷神化〉を発動して自分自身を加速させた。


「望む通り!」


 ボロスの上から剣を振り下ろした。彼は槍を上げて私の斬撃を防いだ。剣と槍がぶつかった瞬間、眩しい雷が鳴り、周りを丸ごと襲った。


「うむ!? ビリビリしたぜ!」


 でもボロスはあまり大きな打撃を受けた様子もなく、腕に力を入れた。


「うりゃあ!」


 ――ボロス式槍術〈伸び〉


 下から爆発した魔力が私を上空に吹き飛ばした。だけど、〈雷神化〉で雷電になった私は落雷のように突進して剣を振り回した。ボロスは槍でそれを防いだけど、刃のかすめた肩から血が流れた。


 それでもボロスは楽しそうだった。


「クハハハ! 期待以上だぜ、おい!!」


「それは本ッ当ありがとうね!」


 ――ボロス式体術〈くちばし殴り〉


 ボロスは左手を槍から外し、そのまま私に拳を突き出した。私は体を横に傾けてそれを避けた。そして傾けていた勢いでボロスの腕を切った。けれど、莫大な魔力が凝縮された腕はまるで鋼鉄のように私の剣を弾いた。その直後、魔力の爆発が私を吹き飛ばした。


 その瞬間、私は雷の体で空中を横切ってボロスの背後を取った。そして左手の剣をボロスの心臓に照準した。


 ――天空流〈流星撃ち〉


 突いた瞬間、ボロスは振り返りながら左腕の肘で剣を打ち落とした。魔力がぶつかり、衝撃波が周りを破壊した。けれど私はすでに右の剣に魔力を注ぎ込み、ボロスも槍に魔力を込めた。


 私たちの視線が絡んだ瞬間、私たちは同時に武器を振り回した。激突の衝撃波が爆発した。

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