【コント】注文の少ない料理店
場所:料理店
役:客=ツッコミ、店主=ボケ
客「あー、SNSでバズりたい! 何か面白いネタないかな?
ん? この店、何か貼り紙がしてある。
なになに…『当店は注文の少ない料理店です。
どなた様もどうかお入りください。』…か。
なんだかうさんくさいけど、入ってみるか。
まずは、この貼り紙を写真撮って、と」
客、スマホで貼り紙を撮影してから、店に入る。
店主「いらっしゃいませ」
客、店内の内装をスマホで撮影する。
店主「おひとり様ですか? こちらのお席へどうぞ」
客、席に着く。
客「内装も店主も至って平凡だな…。何か映える料理はあるかな?」
店主「こちら、メニュー表でございます。ご注文がお決まりになりましたら、
こちらのベルでお呼びくださいませ」
客、メニュー表を見る。
客「ハンバーグ、オムライス、サンドイッチ、カレー…。
うーん、メニューも定番ばっかりだな。
映えるかどうか分からないけど、とりあえず注文してみるか」
客、ベルを鳴らして店主を呼ぶ。
店主「はい、ご注文お伺いいたします」
客「ハンバーグお願いします」
店主「申し訳ありません。ひき肉を切らしておりまして」
客「そうなの? じゃ、オムライスお願いします」
店主「申し訳ありません。玉子も切らしておりまして」
客「食材の少ない料理店だな! じゃ、サンドイッチで」
店主「申し訳ありません。パンも切らしておりまして」
客「なんで重要な食材ばっかり切らしてるんだよ! それじゃ、カレーは?」
店主「カレーでしたら、ご提供できます」
客「選択肢の少ない料理店だな! なら、カレー頼むよ」
店主「かしこまりました」
店主、カレーを持ってくる。
店主「お待たせいたしました。カレーでございます」
客「ありがとう。食べる前に写真撮って、と。
ひたすら茶色くて、映えないな…。仕方ない。
いただきます」
客、スマホでカレーを撮影してから、食べる。
客「このカレー、具が何も入ってない!
なんだ、この店!
注文できるメニューは少ないし、やっと出てきた料理は、映えなくて、
具が入ってないカレーってどういうことだよ!
『注文の少ない料理店』って、そりゃ、こんなんじゃ、
注文も少ないに決まってるよ!」
客、ベルを鳴らして店主を呼ぶ。
店主「はい。ご用件お伺いいたします」
客「ちょっと! このカレー、具が何も入ってないんだけど!」
店主「お客様、落ち着いてください。
具は入ってませんが、愛情はたっぷり入っておりますよ」
客「目に見えないよ!
もういいよ」
(終わり)