勘違いしてても誤解が全く解けないって稀にあるよね
深い森の中。
イトを含めた六人はずんずんと進んでいく。
でも、これはいったいどこに向かってるんだろう。
聞いてみるか。
「どこに向かってるんだ?」
「町だ。今から(盗賊)ギルドに行く。」
「やっぱりギルドってあるんですね。」
「何言ってんだ。当たり前だろ。」
なんか柄悪いけど、きっと常に気を張ってないといけないからそうなっても仕方ないのか。
それに、本職の人からしたらギルドがあるって当たり前なのか。
それにしても暇だな。
もうずっと道なき道を歩いてるし。
それにみんな全く話さないんだよな。
メモ帳とペンでも持ってこればよかった。
◆◆それから暫く経ち◆◆
そういえばこの人たちって強いのかな。
人に使うのはちょっと気乗りしないけど、いざという時に実力を知っておいたほうが便利だし。
まあ、そんなに詳しく見れるわけじゃないしいいよね。
種族:人間
LV:53
ランク:B-
運動能力は高くないが、他の生き物に対して器用な体を持っている。
但し、この器用さは体の構造的なものなので、ステータスには反映されない。
個体差が非常に大きい種族の一つ。
詳しく見れないどころか実質レベルしか分からなかった。
人間は名前とかが出ると思ったら普通のモンスターの鑑定と全く変わらなかったな。
まあ、49もレベル差があるってことが分かったな。
まあ、狩りが終わってから見てないし、ブロンドバードの時にレベルは上がってるかもしれないけど。
というか上がってて欲しい。
うーん。
いろいろ考えてるうちに暗くなったな。
夜も行くのかな。
まあ、よく徹夜してたし一、二日は大丈夫だと思うけど。
そう思った瞬間…
「よし、今日はここで野宿だ。」
「「「おおー!」」」
なんか団結力はいいな。
やっぱり死線を共に乗り越えなきゃいけないわけだし、団結力は必然的によくなるのかな。
実習生の俺も準備を手伝うべきかな。
「俺もなんか手伝うことあるか?」
「周りを見張ってろ。」
「おう!」
周りを見張るってことはモンスターと戦う機会が増えるってことだ。
人がいるから餌とみて出てくるのか、おびえて出てこないのかどっちだろう。
後で聞いてみるか。
「野宿の準備ができたぞ。見張ってる奴等は戻ってこい。」
呼ばれたし戻るか。
俺が戻った時もう一人の見張りをしてたらしい人が顔を青くして戻って来た。
「た、大変だぁ。」
「どうした。」
「ゴブリンの軍隊が出た。」
「なっ。」
えっ?
ゴブリンってLv.53の冒険者でも名前を聞いただけで驚くような奴なの?
「軍団だと。何体くらいいるんだ?」
「200はいるかと。」
「どうすればいいんだ。」
みんな弱気になってるな。
ここは、教えてもらってる身として励まさなきゃ。
「みんな!どれだけ強いモンスターでも、熟練のあなた達なら勝てる!弱気で挑んだら、最初から勝てないぞ。」
「そうだな。」
「俺たちは強い。」
「お前ら、200体いるからってなんだ。俺たちは今まで危ない橋を何度もわたって来たじゃねえか。こんな所で怖気づいてたまるかっ!」
「「「おおー!」」」
「ありがとな。おかげでいつもの調子を取り戻せた。」
「お礼なんていいよ。」
お礼なんて久々に言われたな。
さあ、どんな奴だか知らないけど、そのゴブリンってモンスターに勝つぞ。
仲間っぽい奴は盗賊で、イトは冒険者だと思っています。
ゴブリンは単体だと弱くて集まると強いって感じかな。