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生徒会

 ◆姫奏達は生徒会に乗り込んだ


「あなた……何しに来たの!?」

 突然乗り込んできた姫奏に戸惑う生徒会役員達。

「ん……あなたは……」

 この人、以前私に絡んできた魔法使いの人だ、生徒会役員だったのか……。


「生徒会長は今どこに…?」

「あなた…いきなりやってきて何なの…? 生徒会長は忙しいお方です、今は…」

「私はここよ」

 聞き覚えのある声…。


「アン・シャトレーヌ!」

「やっほ~」

 紛れもない、あの日あかなめと生徒の血の海で佇んでいた少女。


「生徒会長…この者と知り合いなのですか?」

 知り合いと知って硬直する周りの生徒を置いてゆっくり近づいてくるアン。


「まーねー、で何しに来たの? あなたとは3年は戦わないでいてあげるって見逃してあげているのよ?」

「3年もいらない…今すぐあなたを倒す…この学園をあなたの好きにさせない!」

「何言ってるの? 自分の居心地悪い事を私のせいにしているわけ? 副会長もそう想っているの?」

 目線だけ周りの生徒達にむけて同意を促すアン。


「いえ、まったく、他の生徒も同じ意見でしょう」

「あなた一人が、居心地悪いからって駄々をこねてるだけみたいよ? 光魔法使いさん」

 そこに、姫奏と共にやってきた美月が話に割って入る。


「いや…確実にあんたが来てからこの学園は変わったよ」

「あなただれ?」

「おいらは、ビッキー、しがない剣士さ。生徒会長さん…あんたの魔力は人間を堕落させる、おいらはそれを見逃せないね」

 落ち着いた態度でありながら、強くアンに詰め寄る。


「はぁ……くだらないわね、生徒会の仕事の邪魔よ、言いたいことがすんだら出て行ってもらえるかしら?」


 ――そのとき書記の生徒が書類をもってやってきた。


「生徒会長、次回生徒会役員選挙の予定表が出来上がりました」

「生徒会役員選挙?」

「あ~、ちょうどいいわね…あなた、これに出たら?」

「私に……?」

「そうそう、フェアな戦いでしょ? 選挙であなたが生徒会長になれたら、あなたの好きなようにこの学園を改革出来るかもしれないわよ~」

「生徒会長も人が悪い……この学園にあなた以外に票を入れるものなどおりませんよ」

 男の生徒会役員が言う。

「そうです……生徒会長に私達は、身も心も捧げていますゆえ」

「私も……」「ぼくも……」「あたしも……」


 なんだか様子がおかしい、生徒会役員達……

 空間が歪んでいるようだ、アンの魔力を直に受け続けることで生徒たちの心は洗脳されているのだろうか?


「変な魔力で男を惑わしても無駄よ…この学園は女子のほうが多いのよ!」

「女の子……? それがどうしたの?」

 様子がおかしくなっていた、副会長の少女が狂いだした。


「生徒会長……アン様……もう……私……抑え切れない……アン様と同じ空気を吸っているだけで……体が熱くなってきて……ハァハァ……」

「あらあら…客人の前ではしたないわね……」

「はぁはぁ……アン様……」

 頬を紅潮させ、アンにより掛かるように体を重ねだす副会長。


「ちょ……それって校則違反でしょ!」

「あら……? 私の学校は恋愛行為を禁止したつもりは無いわよ?」

「れ……恋愛行為!?」

「魔女にとって“恋愛行為”は魔力を高めるための正統な儀式よ?」

「そ……そんなことって……」

「あなた……したこと無いのかしら? クスクス……だから弱いのね……」

「な……!?」


 悍ましい光景に今すぐにでも逃げ出したかった姫奏だが……。

「私は……立候補する! 絶対にこんな生徒会を潰して、この学園を変えてやる!」

「じゃぁ……書記さん、書類をこの方にわたして……ってあなたもなの? クスクス」

「副会長……ばかりズルいじゃないですか……わ……私だって……」


 書記の少女も狂いだした、なんなんだ?!この異様な光景は……姫奏にとってこの光景はあかなめに虐殺された生徒の山を見るより悍ましかった。


「もういい……下がるんだ…やっしー……」


 ――美月が刀を抜く。

 笹の模様の飾り鍔、錦色に輝く刀身、マニア城に住む刀剣マニアの同居人、茎放美競刃けいほうみけいばから聞いたことがある。

 肉体を切らずして、心の闇を切り裂く幻の神器、霊刀――暖綜乃笹錦(のへのささにしき)


「あら物騒ね……あなた達、あれをどうにかしないと……気持よくなれないわよ? クスクス」

 ゆらゆらとゾンビのようにこちらを見る生徒会の生徒達。


「アン様との邪魔をするあなた達…死んで頂戴……」


 魔法学園の生徒会役員、しかもアンの魔力ブーストを受けているようだ。


「ハッ!」

 詠唱が早い――前回戦った時と比べてレベルが上がっている。

 ドウッ!ドウッ!と轟音を出しながら魔弾を撃つ。

 その魔法を素早く回避し一瞬で間合いを詰め駆ける美月。

 斬りかかるが、剣士の役員がいて凌がれる


「いい腕ですね…私は剣道部ですよ?」

 刀と剣で激しく斬り合いをしている、一進一退の戦い。

 姫奏がホーリーライトで応戦しようとするが…魔法が?

 書記の少女が魔法を発動していた。

「あなたの魔力いま何もなくてよ?」

 魔法が撃てなかったのは、自分の魔力量が0だったから?

 こんな一瞬で魔力を吸収する技?!ありえない……!


「マジックトレースよ…!!」


 〈マジックトレース〉

 自分の魔力量と相手の魔力量を均一化する魔法。

 自分の魔力量が多いと、相手を回復させることができるが、あえて自分の魔力を抑えることで相手の魔法使いを封殺できる。


「やっしー!?」

「魔力が……回復しない……こんなことって」

「剣士さんにはこれよ」


 副会長の少女から魔法陣が浮かび上がる…この魔方陣…召喚系?

 魔法陣から〈吸血竜あかなめ〉を召喚する

「サモナーだったか……」

「吸血竜あかなめはあらゆる物理攻撃が効かない……魔法の使えない自分を呪うことね」


 グォォォォ!!


 鋭い牙と爪が美月を襲う! あかなめの怪力で壁は崩れ、瓦礫と埃が舞う。

「やりましたぁ……アン様……ご褒美を……」


 紅潮しながらアンに駆け寄る生徒会役員たち。

「早かったわね……上出来よ……ってまさか……」

「……いいこだ、人間よりずっと素直だよお前」


 美月を襲ったあかなめが、美月になついている。


「どういうこと……? 召喚したモンスターが一瞬で?」

暖綜乃笹錦(のへのささにしき)は、邪心のみを切る霊刀なのさ」

「そんな……まさか……」

 相手の気が緩んだ瞬間を見逃さなかった。


「隙あり……! 君たちも、目を覚ますんだっ!」

 地を蹴りあげ、一瞬で間合いを詰め素早い斬撃を繰り出す。

 アンの魔力にとらわれていた少女達の邪な負の力を切る美月光。


「ぐうぁぁぁぁぁぁ……」


 アンとの魔力線が途絶え、バタバタと生徒会役員たちが倒れる、姫奏を縛る魔法も解除された。

「あ……魔力が……これなら!」

「きさまっ……うぐっ!?」

 剣道部と言っていた役員にホーリーライトを素早く撃ちこむ。

「なんて速い魔法……光……だからか……弾道が見えん……」


 残りは、生徒会長、アン一人だ。

「もう……終わりだよ、生徒会長」

 美月が詰め寄る。

「終わり? まさか~」

 他の役員が倒されていても余裕の表情だ、まだ何か策があるのだろう。


「まって、ビッキー」

「アン、さっきの話……生徒会長立候補ってほんとに私でも出来るの? まだ一年生の私なのに?」

「うちの学園はそういう細かいことは気にしないわよ、自由な校風ですからね」

「なら……私でるわ、その選挙に」

「いいのかい?」

 明らかに罠……美月が心配する。

「学園の問題は、学園の行事で解決するっていうのは、アンが言うとおりにフェアな戦い方だと思うし、この学園全体に私の考えを訴えるにはいい機会だと思う」

「ふむ……まぁ、平和的ではある」

 納刀する美月光。


「じゃあ、選挙は2週間後……せいぜい悪あがきしてご覧なさい?」

 姫奏の学園を変える生徒会選挙が始まる!

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