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もういいです。


高校入試合格発表日。無事に志望校藤南高校に入学が決まった。

親友と手を取って喜びあい、そして決めた。


高校生活楽しまなきゃ。

誰かを好きになってまた時間を無駄にはしたくない。






初めて恋したのは中学1年生のときだった。


一目惚れだった。

相手はクラスの綺麗な男の子。白い肌に真っ黒な髪で、瞼は重そうなのにくっきり二重だった。そして睫毛は長くて目は大きい。身長も高くてみんなの憧れだった。

丹田宙(たんだそら)。彼の名前は近くの学校の子達も知っていた。


恋がいかに素敵なものかは知ってる。

私の恋は一度叶った。幸せだった。

3年の夏に告白されて付き合って、2ヶ月ぐらいたった、確かあれは10月のある日。私と彼は初めてキスをした。天にも登る気持ちだった。


天から地面に叩きつけられたのはその翌日。

受験を控えて最後と決めた親友との映画の帰り、彼と知らない綺麗な女の人が公園で二人重なった状態で深くキスしていたところに遭遇した。

渉里(わたり)勉強頑張ってたからあまり言い出せなかったんだ、ごめん」

昨日初めてキスした相手にこんなことを言われるなんて。返す言葉が見つからなかった。

「……意味わかんない」

ひたすらに彼は私の手を握って謝っていたけど、彼の言葉が全て嘘に思えて、彼からもらったブレスレットを返してその場を去った。

その後彼から一方的な謝罪と別れの言葉がメッセージで送られてきた。彼は私と付き合い始めて1ヶ月後に家庭教師の大学生に告白されたらしく、断り切れなかったということらしい。私が勉強で会話があまりできなかった間にそっちの方が好きになったそうだ。


彼とはそれから話さなかった。

彼のことは本当に好きだった。じゃなきゃ3年まで片思いなんてしない。私のことを好きだと言った言葉が嘘だったことも、キスが私だけじゃなかったことも、かなりショックだった。

それに家庭教師の女子大生にもかなり引いた。確かに宙は容姿が良くて高校生と何ら変わりない。でも相手は事実まだ中学生なのに。

最悪。最悪。もういいよ。これで終わり。


これが私の恋だった。





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