8話 謎の男
目を開け辺りを確認した。
目の前に見覚えのない男がいる。
180程の身長に眩しいくらいの金髪
生気の無いどこまでも深い闇の瞳
細身の長い太刀を携え
額には見た事のない紋様が浮かんでいる。
「【その男】」はまっすぐメアを見つめると言葉を発した。
?「てめぇは…誰だ…」
鋭い眼光にメアは後ずさりするが
瞳の闇の奥に光を感じる。
メア「メ…メァ…」
?「そうか…メア…良い名だ。」
優しく微笑むと悪魔の方を向いた。
?「子供相手に大勢で何してやがんだ。悪いが邪魔させてもらうぜ」
悪魔は耳をつんざく程の声を謎の男に向けた。
「私らの邪魔をするってのかい!?」
悪魔の翼から闇が溢れ出しメアの意識が朦朧とする。
?「あぁ。悪いな。とりあえず名乗れよお前。」
「私の名はアクム!夢を食らう悪魔さ!あの戦争にだって参加したんだ お前が誰だか知らないが私に勝てるって言うのかい!?」
?「御託はいい…さっさとかかってこい」
謎の男は構えもしないで
口角を上げ不敵な笑みを浮かべた。
激しい怒号とともに悪魔達が一斉に飛びかかる
…はずだったが気づけば謎の男はそこにはいない
『どこ見てんだよ』
悪魔達の背後で響く声
なにが起こったのかすら分からない中で
悪魔の悲鳴が轟いた
断末魔の叫び声にメアは思わず耳を塞いだ。
アクム「くっ…貴様っ!いったい誰だ!」
後ずさりするアクムに急速で迫る。
「俺も知らねぇんだよ!お前が教えてくれや!お前自身の血で!」
『【血の雨を降らせてやる】』
そう叫んだ途端 鋭い閃光が迸る。
それは全てを血に染める残虐な閃光だった。
悪魔の全身から血が噴き出したのを見て
メアは意識を失った。
?「ちっ…汚えな」
そう言うと謎の男は刀を鞘に収めた。