表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/158

第28話『エルフ温泉につれてって②』

 いよいよ、エルフ温泉もといエルフの森に行く当日を迎えた。


 移動手段は、もちろん天使のようなワイバーン、ガブリエルとミハエルだ。


 ヒナは、ガブリエルに乗りながらゆっくりと降りてきた。

 もう一方のミハエルに乗っているのはグライドだろう。


 ヒナが降りてこちらに駆け寄ってきた。

 そして、グライドも降りて……


「あっ、王子様だっ」

 メルが、叫んだ。

 貴族の服装に呪いの王冠を付けたグライドは、もはや王子様にしか見えなかった。


「良くお似合いですよ、王子っ」

 俺の言葉にグライドは、詠唱を始めた。


 慌てて謝った、調子に乗りました。

「まったく、お前たちは、長生きしないぞ」


 あれっ、まだ詠唱が……


「闇に潜みし黒き魂よ寂寥の鎖を解きて

 大いなる力を我に示さ……」

 それダメなやつだろ!俺は、慌ててアリサを止めた。


「一応紹介するよ、これがグライド王、グライドだ」


「こっちが、リンカ、アリサ、メルだ」


「わたしが、グライド・スレーヤーのリンカだ」

 ええーっと、随分ピンポイントのスレーヤーだよね、リンカさん


「わたしは、アリサ、横笛のアリサだ」

 思い付かなかったんなら言うなよ


「メルだよ、タケルのメルだよ」

 誤解を招く言い方は、やめろ!タケルパーティのだろ!

 3人から睨まれてるよ、俺


「お前、タケルだったのか」

 グライドは、今、俺の名前を知ったようだ。

 そういえば夢で名乗っただけでした。


「わかった、お前達に危害を加えない事は約束する、今日は、よろしく頼む」


「いいだろう」

 何で偉そうなんだ、メルっ


「それでは、毎回揉めるので今回はどっちに乗るかくじ引きで決めるな、それと俺とグライドだけは、同じとこに乗るから」


「ええーっ!」

 今回は、お前たちの意見は聞かない。

 早く出発したいからだ。


「タケル、お前毎回こうなのか」

 なぜかグライドだけが気の毒に思ってくれた

 結構いい奴に思えてきた……


 俺は、紙に線を描いて当たりを一個入れた部分を折り曲げた。


 それぞれが、自分の選んだ線の上に名前を書いた。シンプルで公正なくじ引きだ。


 俺は、くじを開いた。


「やったあーーーーーーーーーーっ」

 喜びすぎだろ!メルが当たりを引いた。


 メルは、喜びながらガブリエルの背中に飛び乗った。


 さあ、出発だっ!


「まったあーーーーーーーーーーっ」

 メルが叫んだ、と言うか吠えた。


「おかしい、おかしいですよ!裁判官!」

 誰が裁判官だ!


 ガブリエルには、4人が乗っていた、俺とグライド以外の……


 メルが移動し、他の3人は、渋々ガブリエルに乗ることになった。ガブリエルさん本当にすいません。


 今度こそ出発だっ!


 2体のワイバーンは、大空高く飛び上がった。幸いに空は晴れ、絶好のエルフ日和だった。


 メルが背中にくっ付いてくる度に3人の痛い視線が飛んで来た。それをグライドは、嬉しそうに見ていた。


 移動中に少しだけ魔王城の話をした。どうやらグライドは、魔族ではなく人間らしい。高い魔力を持っていたグライドは、ヒナと同じくスカウトされたようだ。他の奴らは、魔族だから俺のように甘くないとも言っていた。

 そして、ヒナは、相当、魔王に可愛がられているらしい。さすがは、俺の妹だ。


 そんな話をしているとようやくエルフの森が見えてきた。


 スゲー!大きな森の中に街が作られている。

 俺の想像をはるかに超える規模のものだった。

 さすがに、グライドとメルも驚いていた。


 エルフの街の真ん中にひときわでかい木が、生えていた、あれが精霊樹だろう。


 俺達は、ついにエルフの森にたどり着いたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ