表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/158

第0話『プロローグ』

「わたしの野望を邪魔する者は、例え勇者"お兄ちゃん"でも許さないんだからねっ」

 魔王である妹は、俺達に向かって言い放った。


 本当なら"痛い妹"で話は済むのだが、ここは異世界、すべてが現実だ。

 そして俺は、聖剣を携え魔王を倒しにやってきた勇者"タケル"なのだ。


「てか、ヒナ、お前"お兄ちゃん"って言うなよ!すごく弱そうだろっ」


 ヒナは、おれの妹だ。とても魔王とは思えない弱々しい名前だが、かわいい妹にはよく似合っている。


 ははっ、クスクスッ……。


 俺は、妹の側近の魔族の方々に早速笑われてしまっている。

 まったく、台無しだ。


「ぷっ、くすくす」

 くっ!しつこいぞ、まだ笑って……


 "俺のパーティのメンバーだった"


「おい、お前らが何で笑っているんだよ!」

「ご、ごめんなさい。だ、だってあたし……ふふふっ。」

 あやまる気ないよね。これっぽっちも


 おれは、仲間に向かってそっと剣を構えた。


「ちょっ、ちょっと待ってよ。わたしを差し置いて勝手に盛り上がらないでよ。今いいところなんだからっ!」

 魔王ヒナに怒られたのだった。


 元はと言えばお前が悪いんだが。

 いや、悪くていいのか魔王だから。


 俺は、気をとり直してメンバーの3人に言った。


「よし全力で行くぞ!お前ら気合いをいれていけ!」


「「「はい、お兄ちゃん」」」

 ぶっとばすぞ!こらっ!


 俺たちは、魔王軍雑魚兵士の皆さんを速攻で倒し、強くなったメンバーの力を見せつけた。


 そしてついに魔王軍四天王と対峙することになった。

 四天王は、カニ、ウニ、フグ、エビの魔族だった。

 と言うかどれも高級食材だった。


「あたしは、カニの奴を料理してやるわ」とウィザードのメルが言った。

 お前自分の好きな物選んでるよな、絶対。あと言い方、悪者だし。


「では、わたしはフグを喰らってやろう!」とソードマスターのリンカ。

 ストレートに言っちゃってるよね、もう。


 最後に召喚士のアリサが前に出て四天王をビシッと指差した。

「わたしは、エビグラタンを」

 おいっ、それ料理の名前だよ!


 お前ら腹減ってんの!ここ来る前、食べたじゃんメシ!


 ともかくタイマンの流れになり俺は、一番攻撃性の高そうなウニと対決するハメになった。


 俺は、四天王に向けて言った。

「なんかすいませんでした。」


 だがさすがは、四天王。動じることなく名乗りを上げて来た。


「我が名は、カニスキ」

「我が名は、テッサ」

「我が名は、グランタ」

「我が名は、グンカン」


 エビの人微妙におしい!

 と言うか俺のさっきの謝罪を返せ!四天王っ!


 ともかく四天王との対決に勝ち抜けば後は、魔王ヒナを残すだけだ。


 すべてに終止符を打つ為に俺は、力を振り絞って最後の戦いに挑んだのだった。


 俺と妹の運命を変えたあの事件のことを思い出しながら……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ