第零話
これはファンタジー小説になる予定のものです。
第零話では少しだけグロイ表現がございますが、基本ほのぼの・シリアス・ギャグを中心にしていくつもりです。ただたまにストーリー上流血表現はございます。
苦手な方はお気をつけください。
それでは大丈夫な方はできれば楽しんでいってください。
ナマヌルイ。
ガタガタと震える冷え切った体に生温い赤いものが少し付く。
気持ち悪い。
ただその一言が今の状況の感想だった。
目の前にいるのは、白髪の子供と金髪の青年。
私が見ているのは後姿だ。
そして彼らの前にいるのは、真赤に染まった大きめの犬。
大型犬は地面に寝ころんだ形の状態で、その場所には赤い水たまりになっている。
ガチガチと歯が音をたてる。
体中がまるで機械のように震動する。
「あー・・・、よりによって全く関係ない人間に見られた。
めんどくせえ。」
白髪の子供が私を見ながら言う。
小学生くらいに見えるのに、その表情は大人じみている。
「そんなこと言っちゃだめだよ。
俺らがこの子を巻きこんだみたいなもんなんだから。」
金髪の青年が優しい言葉を出す。
だが、そんなものは今の私の状況では何も嬉しいものなんかには見えなかった。
だって、その金髪の青年は、死神の鎌のような、
明らかに危険信号を知らせるような刃物を持っている。
あの鎌で、大型犬を殺したのだ。
私の、すぐ、目の前で。
胴を真っ二つに。
一気に目の前が真赤になった映像は、私の脳の中で鮮明に流れる。
体に力が入らない。
私は、そこで意識を飛ばした。