Let's 自己紹介
隣に俺と同じ名字を持つ音大生が越してきて2日。
俺は
今
すごい状況に立たされていた。
「私は君の名前を知らない。」
「だからってなんでこうなったんですか」
「…ちょーっと憧れてた♡」
こいつ…
今俺は布団の中だ。
春とは言え寒いしまだ外には出たくない。
お察しの方もいるだろうが
世間で言われる
床ドンと言われるものをされている。
羨ましいと思うか?
実際されると
なんか怖ぇ。
「で、君の名前は?こすがくん?」
「…その前にどうやって入ったんですか…」
「名前。」
「…琥菅奏汰」
「へー!そーたくん!」
「あの…もうどいてもらってもいいですか。」
流石にちょっとこれは…
どいて頂かないと
俺が…全世界の男性諸君に嫉妬で殺されてしまう。
「このままちゅーしちゃおっかなー♡」
「怒りますよ?」
「はぁーい…」
やっとどいてもらえた。
というかコイツ、どうやって入ったの。
不法侵入で訴えてやる。くそ。
「で…なんなんですか。」
「んー?いやっ同じ名前の子って聞いたから気になるじゃん♡」
「…。」
もう突っ込む気力もない。
俺は布団に戻って春とはいえ、まだ寒い気温から逃げる。
「あっ台所かりるねー」
「んー…」
…?
台所…?!
あいつ何する気?!
顔をあげた時にはもう遅かった。
台所でなにかしてる翼の姿。
今止めたら片付けんの大変だしほっとくか…。
寒いし。
「ふふふーんふふふーん♪」
鼻歌か…
…天国と地獄じゃねーか。
料理する時に歌う曲だっけあれ。
なんて心の中でツッコミをいれはじめると
さっきまで襲ってきてた睡魔がどこかに消える。
もっと寝れそうだったのに…
てかこいつ
学校どうしてんだろ。
別に興味無いけど
「できた!」
そんな明るい声と漂う甘い匂いに
反射的に身体を起こした。