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地の竜、空の虎  作者: 遠縄勝
プロローグ
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プロローグ

私、遠縄の処女作である「地の竜、空の虎」に興味を持って頂きありがとうございます。物語が動き出すのが第3話とスロースタートな出来となっています。そこまで我慢して読んで頂ければ嬉しいです。


また、感想や批評等なんでもお待ちしています。

よろしくお願い致します。

 その日は透き通るくらいの青空だった。島の中央にそびえるフセ山脈がよく見えるザジロ盆地。四方を山に囲まれたこの盆地には緑の草が揺らめく。

 

 そのザジロ盆地に手に槍を持ち黒い鎧をつけた兵士たちが集まっていた。


「今日は人類の命運をかけた一戦だ。命を賭して獣人どもを打ち破るぞ。」

 

 馬上の男が槍を空に掲げると、兵士たちがオオーッと威勢よく声をあげる。ザジロ盆地に男たちの声が轟く。

 

 すると、西から狼煙があがるのが見えた。


「ハーク隊長。いよいよですね。」

 

 髭面の男が馬上の男に話かけた。


「ああ。作戦通り十分にやつらを引きつけてから戦闘を始めよ。」

 

 そういうと馬上の男は槍を握り直した。その顔からは決意と緊張が感じ取れた。髭面の男は小さく返事をして隊列を回り最後の指令を行う。

 

 しばらくすると西の方角、フセ山脈のほうから白いかたまりが見えた。よく見ると獣たちが集団になって向かってくる。虎によく似た外観をしているが、虎と根本的に違うことといえば二足歩行で走っていること。そして、その毛並みは白かった。みな一様に爪を尖らせ、牙をむき出しにしている。


 両者の距離が300メートルあまりになった時に、馬上の男が叫ぶ。


「弓隊かまえっ。放てえーっ。」


 一斉に矢が放たれ、獣たちの集団に動揺がみられる。それは未知の武器を初めてみた時の動揺だった。


 次々に矢が獣たちに命中し、集団の速度が落ちる。混乱する獣の軍団。


「槍隊かかれーっ。」

 

 馬上の男は再びそう叫ぶと自ら槍を片手に獣たちの集団に切り込んでいく。後ろに構えていた兵士たちも言葉にならない声をあげながら馬上の男に続いていく。


 その日、青い空に槍が舞い、緑の大地は赤く染まった。人類と獣人族がお互いの興亡を賭けて血を流した最後の戦いの日であった。


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