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『永遠の愛』

今回の話は塔子というキャラクターのちょっとした1エピソードです!

ある夏の日。総本部での出来事。

朝から鑑、塔子、桐恵の三人が集まっていた。


「塔子。アイスクリーム買ってきたよ。

この高いやつ、塔子好きだったろ!」

「あ、ありがとうございます」

「おー、いいねえ伊達君。私にも1つ」

「何味にする?」

「…………」


鑑君。鑑君……。

鑑君が優しくしてくれます……。

うれしい……!

帰って来てくれて本当によかった……。


私は今、とても幸せです。

私はずっと鑑君を待っていました。

何年も待たされてもずっと変わらず待っていました。

何十年待たされても、永遠に待っているつもりでした。

私は鑑君と幾度となく交わした約束を信じていたのです。


少年の言葉を信じて、一人で何年も待っていた。

人に話せば笑われることでしょう。

そんな切ない恋の話でしたが、

このたび、やっと鑑君は帰ってきてくれたのです。

その瞬間から私は幸せになりました。


鑑君のことは語るに尽くせません。

そこで発生する、ちょっとした疑問なのですが、

『鑑君は何を持って鑑君なのでしょうか?』




私は鑑君の事が大好きですが、

しかし鑑君とは何なのか?鑑の本質とは何か?

を知らずして、好きだの愛してるだのと言っても対象が曖昧なのでは、

気持ちも曖昧なままでしょう。

私は、『完全に定義できるはっきりとした1つの対象である鑑君』を

私は『完全にしっかりと確かに愛してる』と主張したいのです。


そこで、まずは狭義の定義であるところの鑑君、

広義の定義であるところの鑑君の両方を考えてみたいと思います。



狭義の鑑君とは何でしょうか?それは最も鑑君らしい鑑君のことです。

最大限の鑑君!

考えましょう。今ここにいる鑑君は本当に鑑君なのでしょうか?

人は時間の流れにより、常に変化をします。

例えば、『今ここにいる鑑君』!

これから一時間後の鑑君は、本当に『今ここにいる鑑君』と同じでしょうか?

肉体的には細胞のいくつかが分裂しています。

一時間分、爪や髪が伸びていますし、

胃の内容物も消化進んでいます。それにより、栄養が補給されていますが、

同時にカロリーも消費されていることでしょう。

つまり肉体的に僅かな差異があります。

精神的にはどうでしょうか?

一時間経過すれば、それだけ経験をしています。つまり、記憶が変化しています。

あるいは自己との対話、議論を行って新しい真理を見出していたり、

自分へのルールを作って性格が変わっているかもしれません。

また、素晴らしい経験をして成長しているかもしれません。

酷い目にあって、新しいトラウマができているかもしれません。

つまり、精神的にも差異が生じています。

結論を言えば、『今ここにいる鑑君』と一時間後の鑑君は同一ではありません。

違う存在です。

違う存在ならば、なぜ一時間後の鑑君も鑑君と言えるのでしょうか?

例えばここに鑑君に非常に良く似た人間、飾君がいるとします。

一時間後の鑑君より『今ここにいる鑑君』より似ています。

ならばこの良く似た飾君は鑑君なのでしょうか?

一時間の変化によって鑑君は鑑君でなくなり、変わりに良く似た飾君が鑑君になるのでしょうか?

なんかおかしいですね。

やっぱり、一時間で変化しても鑑君が鑑君です。

戸籍でしょうか?でも戸籍は書類上で捏造も可能ですし、

実際戸籍が違っていたりすることもまれにあります。

人の管理するものはすべからく不確かなものです。


となると、過去でしょうか?

鑑君は間違いなく過去『今ここにいる鑑君』でした。

だから多少違ってはいても、今も鑑君なのです。と。

なかなか納得できます。

しかし完全には納得できません。少し違うのですから。


最も狭義の鑑君を決めるのであれば、やはり『今ここにいる鑑君』だけなのでしょう。

過去『今ここにいる鑑君』であった鑑君は、広義の鑑君になります。

時間を切り取って保存しておきましょうか?



さて、広義の鑑君の探し方ですが、

例えばこういう考え方ではどうでしょうか?

鑑君を構成する何かをなくしても鑑君と言えれば鑑君です。

ならば色んなものを奪っていけば、

最後に残ったものが鑑君となるでしょう。

これこそが鑑君の定義。鑑君そのものです。最低限の鑑君!本質の鑑君!




まず鑑君の右腕について考えます。

右腕など失くしたって鑑君は鑑君です。

もし右腕を失ったぐらいで鑑君のことを好きではなくなるのでなければ、

そこに強い愛の光などないのでしょう。


と言う訳で、ここにいる鑑君の右腕をもぎましょう。

同様に左腕をもぎましょう。

右足をもぎましょう。

左足をもぎましょう。



四肢切断された鑑君です!

まだ全然余裕で鑑君ですね。


なぜ私は彼を見て鑑君だと認識できるのでしょうか?

それは人間の固体を判断するのに顔を見ているからです。

認識の大部分は顔です。

なので、この厳しい愛の試練のため、

鑑君の顔を潰してみましょう。




うわっ……これは怖いですね……。

誰ですか!?こんな酷い事をしたのは!?

人として許されないことです。もし現実のことであれば、ですが……。


見た目としては、もう完全に鑑君とは思えません。

道ですれ違ってもわからないかもしれません。

でも、こんな状態でも口は動かせます。

ですが、四肢切断されて顔も潰されては、

きっと性格はまるで違っているでしょう。

あの愛らしい、自信に満ちた大口も叩けないことでしょう。

ちょっと喋ってみてください鑑?君。


「その声は塔子か……?

……うん。見た目じゃわからないと思うけど、

俺は鑑という男だったんだ。今はもう違うけどな。

少なくとも以前の俺ではない。

でも、だからといって何になったのかはわからない。

俺は何なんだろう?

社会のお荷物というか汚物だなこりゃ……。

ハハ……。超死にたい……。

もう、俺の事は忘れてくれ……鑑という男はもう死んだんだ……。

塔子。もう何もかも、すべて終わったんだ。これからは自由に生きてくれ……」


おっ……これは……。


とてもかわいいですね!




非常に意外な結論ですが、四肢切断+顔が潰れた状態であっても、

愛することはかなり簡単な事だとわかりました。ダメですね。

コミュニケーションが取れてる時点で、

私には簡単すぎて愛の試練にはなりません。

私は鑑君を愛しています。鑑君の心も愛しています。

心を愛すること。

それは心の現在位置を愛することと、

心の流れを愛することです。

なので、心の流れが見えてしまう限り、愛が残ってしまいますね。

私の持つ愛が無限の愛である以上、

少しでも愛せる部分があったら楽すぎてダメです。

お話になりません。

コミュニケーションできる要素を排除しなくては!



まず耳と口を奪いましょう。舌も切り取りましょう。

こうなると、別に内臓などどうでもいいです。失くしましょう。

骨もいりません。

皮膚もいりません。筋肉もいりません。

うわっ!なんですかこの物体は!


……。

さて、これは色々取り外して、脳みそだけになった鑑君です。


うーん…………。

はい!

まだ削れますね!


まず、体がないんだから、脳の中でも運動をつかさどる部分はいりませんよね。

当然の論理です。同様に肉体の制御にかかわる部分は全部いりませんねぇ。

あとは……まあ微妙な記憶もいらないでしょう。

昨日の夕飯何食べた?そんなもの覚えていようが忘れようがどうでもいいので、

いらない記憶をしている部分を削りましょう。

鑑君の脳も軽量化が進んで大分スリムになりましたね。


……もうちょっといけますか?

例えば寝起きを想像してください。

ちょっと意識が曖昧で、何を言ってるのかわからなかったりしますが、

かわいいものでしょう。

よって意識が多少曖昧になってもいいのです。

意識をつかさどる部分もちょこっと削りましょう。

……できました。

さあ、思考して。鑑君。


「はう……あう……何も見えない……。

俺は……何だ……?人間………?鑑……?

塔子…………」


はい、できました。

これが最小限の鑑君。鑑君と言えるギリギリのものですよ!!

あははははははははははは!!


たった一人の鑑君!!

しかし、私はどこまでの鑑君まで愛せるのでしょうか?

この広義の鑑君。最小の鑑君を愛せれば、

私の愛は永遠無限、完全無欠の真実の愛だと証明できることでしょう。

以下は本当に厳しい愛の試練のお話です。





「鑑君、まだかな~?今日は帰ってくるの遅いですね~~」


ピンポーン。

家のインターホンが鳴った。

映像を確認すると桐恵だったので、

塔子は扉を開けて部屋の中に入れた。


「今日は何の御用ですか?桐恵さん」

「塔子。悲しいお知らせだよ……」

「へっ!?なんですか」

「伊達君が交通事故にあってしまったんだ」

「ええー!?それで、どうなってしまったんですか!?

すぐ病院に行かないと……」

「…………はいっ」


桐恵は持っていたバレーボールをポイっと投げて塔子に渡した。


「わっ!なんですかこのバレーボールは……」

「伊達鑑という人間。もしくは、だったものか……」

「え?今、何とおっしゃいましたか?」

「塔子、ごめんね……酷い事故で、体はぐちゃぐちゃ。

脳も部分的に損傷していて、もうこうするしかなかったんだ。

そのバレーボールの中には生命維持装置が入っていて、

一応脳だけなら半永久的に生かしておくことができる。少なくとも生物学的には。

……何も出力できるものはないけど……。

解析した結果、確かに伊達君は一応物事を考えているようだ。

そのバレーボールの中でね」

「うわーん!か、鑑君がバレーボールになってしまいました!!

酷いです。こんなのって、ないですよ!昨日と変わらない今日があると信じていたのに……」

「本当にごめん。

世界最高の医師にして工学者たる24歳時の私の精一杯がこんな程度で……」


それから、塔子とバレーボールになった鑑の生活が始まった。




3年が経過した。

塔子は自宅の庭で一人バレーをしていた。

使用するボールは鑑本人であり、

塔子は笑顔で鑑をトスしていた。


「わーいわーい♪」



まさにその最中、桐恵が訪ねてきた。


「ごめんくださーい」


桐恵はバレーボールで遊んでいる塔子を見て驚愕した。


「ちょっ……ちょっ!?ななななな、何してるんだ!!」

「え?なんですか桐恵さん?」

「塔子!だめじゃないか伊達君で遊んじゃ!トスなんてしちゃだめだよ!!」

「たまにスマッシュもしますよ!!」

「やめてあげなさい!!!」

「えー??なんでですか?」

「なんでって!それ脳みそだぞ!脳みそ!脳髄!伊達君の頭を投げてるのと一緒だよ!?

スマッシュなんてして叩きつけたらかわいそうじゃないか!!」

「……なんでですか?」

「なんでって!!」

「……刺激を与えてあげてるんですよ。脳だけでも揺れはきっと感じるはず。

何もせず、退屈なほうがかわいそうです」

「あっ……そういうことか。塔子なりに考えての行動だったんだね。

私はつい塔子がおかしくなっちゃったのかと……」

「狂うことで現実から逃げ出したりはしませんよ私は!

そしたら、誰が鑑君の面倒を見るんですかッ!!

私はバレーボールを通じて、鑑君と通じ合ってるんですよ。

鑑君は何の情報もない世界でもきっと私を探しているはずです!わかるんです!

このバレーボールの中で鑑君が考えていることが!わかるようになったんです!!

鑑君の脳は震動を与えられて目覚めるんです!これは何だ?と。

強い衝撃を与えられて思うんです!!これは誰がやってるんだ?と。

時間が経過して気づけるんです!!これは私がやってるんだと!

塔子ありがとう。俺にかまってくれて。そう!こんな健気な事を考えているんです!

かわいいんです!私にはわかるんです。本当ですよ!!

私が一人バレーをすることで、鑑君は震動や重力や痛みを感じて私の存在に気づく。

そこに、愛があるんですよ……」


塔子の話を聞いて、

桐恵は感動したのか、涙を流していた。


「うん……そっか。塔子の気持ちはわかったよ。

でも、スマッシュなんかしたら伊達君の残り少ない脳細胞が死んでしまうよ……」

「……そうですね。トスだけにします……。さあ、いきますよ桐恵さん!!」

「えっ!?」


塔子がボールを桐恵にトスした。

桐恵は驚きながらも、丁寧にトスして塔子に返した。


「わーいわーい!なかなかうまいじゃないですか桐恵さん!!」

「わっ!わっ!こ、怖い!!ミスできない!!地面に落とせないよ!!」

「その緊張感、きっと鑑君に伝わりますよ!」

「ひいッ!なんだこれ!!」


塔子と桐恵のバレーボールは二時間ほど続いた。

結果はパスミス13回。塔子のうっかりスマッシュ3回。




それから50年後。

桐恵が作った生命工学研究所を訪ねる塔子。


「……お久しぶりです、桐恵さん」

「久しぶりだね。塔子。懐かしい顔だ」

「しかしまったく容姿が衰えてませんね!16歳当時そのままですよ!

桐恵さんは不老不死ですか?」

「まあ、塔子の想像する私だからな。メタな発言で申し訳ないが。

衰えた私を塔子は想像できないのだろう。

……塔子だって、全然見た目変わってないぞ。17歳のままだ」

「えへへ!ちゃんと衰えてますよ。ほら、ここに白髪が一本あるでしょう?」

「それで衰え終了なんだ……」


桐恵はコーヒーをいれて塔子に持ってきた。


「で、今日は何の御用だね?」

「お願い事です」

「なんでもいいよ。私ができることなら、なんでもしてあげよう」

「私もバレーボールにしてください!!!!!!!!!!!」

「えっ?正気かい塔子」

「最初から発想はあったんです。恥ずかしいことに、今まで決心がつきませんでした。

年を取り、自分が死に近づいて……やるべきことがわかりました。

私も鑑君と同じバレーボールとなり、鑑君の気持ちを理解して、

永遠に寄り添って生きていくのです。鑑君もそれを望んでると思います。」

「その中の世界は狂気に満ちた世界だと思うけどねぇ……常識的に考えて。

だって外部の情報が何も入って来ないんだよ?

正常な精神は保てないと思うよ。それでもいいのかね?」

「私はそうは思いません!人は状況に慣れるものです。

きっと情報のない世界にも慣れることができるでしょう」

「自信あるねぇ……もし慣れる事ができずに狂ってしまうとしたら?」

「絶対に狂いません!私は鑑君のことを考えているときはとっても幸せなんです。

バレーボールになれば、私はそれだけをずっとできるんです。

日常の煩わしさはなくなり、幸福に満ち溢れることでしょう!

幸せに満ち溢れているのに狂うことはありません」

「わかったよ。……そこまで言うのなら」


三日後。

手術台に寝かされる塔子。


「これから塔子はバレーボールになる訳だけど……本当にいいのかい?」

「かまいません。私はずっと鑑君の事を思い続けて生きていきます。

無限の時間を。バレーボールの中で。永遠に……」

「……そりゃ凄い覚悟だね」

「私が考えるだけのバレーボールになったら。鑑君と一緒に山に埋めてください。

あそこの山は鑑君との思い出の土地です。

二人一緒に見つめていたいのです。……私達が出会った、運命の町を!」

「うん……わかったよ塔子。約束するよ……」


桐恵は塔子に麻酔が効いて眠りに入るのを確認すると、

バレーボール化する手術を始めた。


その翌日。

2つのバレーボールを持って、山を車で登っていく桐恵の姿があった。

頂上近くまで移動すると、

車を降り、スコップとバレーボールを持って歩き出した。

数分後。

桐恵は森の中、スコップで穴を掘り始めた。


「しかし凄いな塔子は。いまだに正気とは思えないよ。

わざわざ自分をバレーボールにするなんて。

最高に恐ろしい暗闇の狂気の世界を自ら望むとはねぇ……あはははは!」


「……塔子は今、この中で、何を考えているのだろう……。

ひょっとしたら正気を保って、伊達君のことを想っているのだろうか。

……ひょっとしたら、伊達君も塔子のことを想っているのだろうか?」


「……そしたら、本当に素敵な愛の話になってしまうね……」


「…………」


「クソッ!なんで私はバレーボールなんかに嫉妬してるんだろう。

いっそこの哀れな球体を叩き壊してしまおうか」


「……そうだよ!二人は正気なんて保ってなくて。

恐ろしいほどに狂っている可能性だってあるんだ!

だったら、これを破壊することで!二人を絶望の世界から救えるかもしれないじゃないか。

すなわちこれは正義の行いだよ!」


桐恵はスコップを振りかぶって、2つのバレーボールを見据えた。


「……いや、やめておこう。

もしかしたら。

もしかしたら、この中には本当に……永遠の愛があるのかもしれない。

ならば、難しい、哲学的な問いに対して……私は答える事ができるじゃあないか。

『永遠の愛を信じるかい?』

『永遠の愛?信じるよ。……私が山に埋めたけどね……』」



「あははっ……実に、笑える。

そちらの方が面白いのであれば……。

私は約束を守り、君たちを安全に埋めてあげよう。

さようなら、塔子。

そして、伊達君も……。

いや、違った。

こっちはただのバレーボールだった。

……てへへ」




塔子の妄想が終わった。

場面は戻り、鑑がアイスクリームを差し入れに来た所だ。

塔子は目の前の鑑を見て不思議に思った。


「あれ?鑑君、ボールから人間に戻ったのですか!?」

「は!?」

「え?鑑君、ボールだったの?かつてはボールだったの?」

「ちげえよ!」

「違う?ほう。ボールと言う名のボールなどないということかね。

ではサッカーボール?蹴りたいねえ。実に。

蹴って壁に当てて、跳ね返ってきたところをまた蹴りこみたい」

「かわいそう!俺かわいそう!」

「現代では、鑑君をバレーボールにする科学技術はありません。

その『技術』がなければ、それに関する『倫理』もまた不要なのです。

桐恵さんが前に言ったとおり、あまり意味のない議論なのでしょうね」

「ごめん、よくわからない文章が出てきたんだが……?」

「ああ、また塔子はアレについて考えてたのかな。……鑑君、よかったね」

「何が?」

「21世紀の遅れた科学技術に感謝しよう。腕も足もあるしね」

「底知れぬ恐怖を感じるんだが……」

「説明しようか?」

「いい!なんだか知らないが、震えが止まらねえ!!」

「おやおや……勘がいいねぇ」

「ううううう……!

やめてください桐恵さん……鑑君に聞かせるのは、恥ずかしいです……」


塔子は顔を真っ赤にしてもじもじした。

鑑は本能的震えながらも、その姿を見て心底「かわいい」と思った。

「こんなにかわいけりゃ何でもいいわぁ……」と思って微笑んだ。


優しく微笑む鑑を見て、

塔子は自分の中の愛情が無限に深まって行くのを感じた。


三戸塔子という女子高生は、

極めて愛情深い人間で……

心の中に『永遠の愛』を持っている。


しかし彼女の論じた『永遠の愛』が、

世間一般で認められる事もまた、永遠にないだろう……。



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