最期の言葉
超短編です。
去年の夏、この街にある商店街を向けた先にある小さな丘の建設中のビルで一人の少年が自殺した。
飛び降り自殺。
彼は最期にビルの壁に詩を描いた。
飽きた。
世界に、現実に飽きた。
僕は何故生まれたのだろう?
僕は何故生きるのだろう?
親が産んでくれたから?
違う。じゃあ何故?
わからない。何も・・・わからない。
この詩はビルの壁に書かれているが、ビル自体に今は入れないため、見れない。見たことがあるのは警察官だけ。
今は消されてしまって、もうこの世に存在しない詩。
見てないが、中身は知ってる。
一時期、話題になったのだ。皆はすぐに他の話に移ったが、僕はしばらくビルのことを考えていた。
人はなぜ生きるのだろう?
あなたはなぜ生きるのですか?
この最後に出てきた僕は、私のもうひとつの短編の主人公、神凪 楓です。
あの小説の前の話。