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JOKER  作者: 清南劉
8/8

手紙

部屋に戻るとどこか不機嫌そうな岸さんがいた

が、さきほど生徒会室で会ったときより僕への敵意がなくなっているような気がする

この重い空気の中無言が続くのに耐えかねて僕は何か言おうとしては言うことがなくてまた口をふさぐということをしていた

「さっき・・・」

すると、意外なことにあちらが話してきた

「は、はい?」

僕は岸さんに体が対面するようにした

「いや・・・やっぱりいい」

そう言うと、岸さんは布団に寝転んで目を閉じてしまった

なんだったのだろうか・・・

「まぁ、いいや・・・手紙でも書きますか」

ボスに若干この学校が怪しいという報告を書いた

「ポストってどこにあるんだろう?」

振り返って岸さんを見てみるが起きそうな気配はしない

「まぁ、その辺に誰か生徒がいるだろう」

そう言って部屋を出た

・・・が、全然生徒が見当たらない

「困ったなぁ・・・」

すると突然肩に触れるものがあった

そーっと後ろを見ると

「消灯時間は過ぎてるんだけど?」

美少女は夜でもなお美しかった

「綾瀬さ、ん」

彼女は相変わらず笑みを浮かべているが実際の感情が全く伝わってこない

正直岸さんのようにいい感情でないにしろ感情が伝わっている方が絶対ましだ

何か足をつけられることをした覚えはないが・・・

「えっと・・・その消灯時間って過ぎるとどうなるんですか?」

すると、綾瀬さんは目をぱちくりさせた

これまた可愛い

そして、顔を伏せたかと思うと肩が小刻みに震えだした

「あ、綾瀬さん?」

困惑して呼びかけると手で待ってという仕草をしたかと思うと腹を抱えて笑いだしてしまった

肩が震えていたのは笑っていたのだと気づいた

息を整えると目元に溜まった涙を拭いながらごめんねと言ってきた

「消灯時間はまぁその時間になったら部屋から出ちゃダメですよみたいな感じかな?」

「そうなんですか・・・」

学校とはなんとも面倒な場所である

「それで?なんで部屋から出てたのかな?」

もしかして寝れなかったのぉ?等の冗談を言いながら聞いてきた

「いや、手紙を出したいなって思って」

「いいけど・・・内容確認されるよ?」

予想はしていたが、まさか言ってくれるとは思わなかった

「え、う、うん、別に幼馴染みに近況報告書いただけだから問題ないよ?」

と言うと彼女は目を輝かせてこちらを見てきた

「女の子なの?彼女なの?彼氏なの?」

最後の選択肢はどうなのだろう・・・

「いや、男だよ?普通に友達」

明らかに残念そうな顔をしないで欲しかった

そして彼氏じゃないんだぁって聞こえたのは気のせいだよな・・・

「えっと、手紙・・・」

と言うと綾瀬さんが向こうの世界から帰ってきた

「て、手紙ね!ついてきてー」

暫くついていくと郵便というプレートのついた部屋が見えてきた

窓口がある部分の左側に運営時間外ポストがあった

さっそくポストに手紙を入れる

「よし、と・・・綾瀬さんありがとうございした」

僕は振り向きながら綾瀬さんに感謝を伝える

「どーってことないさ、ってのは置いといて次からは夜出歩いてたらダメだよ」

しかるときの仕草も可愛い

「わかってます」

そのすぐあと綾瀬さんはまた明日ねと言いながら去っていった

「さて、僕も戻りますか・・・」

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