今日がはじめてでした。
サン・ジュスト公爵とは先程言ったド・リール公爵家の親戚にあたる家系だったはずだ。
そうか、だからジュリアン様と従兄弟なのね。
ジュリアン様も同じ一族の侯爵家みたいだったし。
じゃなくて!
こ、公爵家に泊めて貰うなんて!
私のような弱小子爵令嬢がそんな大それた事。
私の心臓は跳ね上がって、心拍数がとんでもなく上がってる気がします。
「あ、あの私、あまりにも場違いな気がしているのですが…」
「そんなことはないですよ。
あなたもアンダーソン子爵家の令嬢でしょう?」
と優しく言ってくださる公爵様。
「い、いえ先程名乗ってしまいましたが、もう子爵家は追い出されると思いますので」
「どういう事です?」
「アル、僕から説明するよ」
ジュリアン様が私の代わりに、出会った経緯と私の今の状況を説明してくださいました。
「ダートン伯爵とは、いつも無口で社交の場でも無愛想な男だったと記憶しているがな」とサン・ジュスト公爵様。
公爵様はエドガー様と面識があったようです。
「ああ僕も今日、本人を見て思い出したよ。
エドガー・ダートン、あいつステラの話を全く聞かないで、母親と姉の言いなりだった」
とジュリアス様。
ほんとに物陰からしっかりみていたのですね。
そして、いつの間にか俺から僕に変わっています。
貴族としてのジュリアン様は僕なのですね。
「伯爵家当主が母親の言いなりとは、なさけない」
とため息をつく公爵様。
「そうですね。邸でエドガー様が意見を言っている所を見た事がないです。
いつもジータ様やイゾッタ様、デボラ様の言う事を無言で頷いていましたね。
彼女達に反対された事もないと思います。
多分私との婚約もあの3人に言われて決めたのでしょう。
エドガー様とは会話をした記憶が殆どなくて、目も合わせて貰えませんでしたから」
2人は私を凝視しています。
「あの…なにか?」私は不思議に思って聞くと。
「ステラ、確か伯爵家に10ヵ月同居していたと聞いたけど?」
「はい」
「その間、伯爵はあなたとの関係を深める努力をしていないと言う事か?」
今度はサン・ジュスト公爵様に質問されます。
「そうなりますね。2人っきりで話した事はありませんでした。
いつも義母か義姉達が一緒にいて、主にしゃべっていましたから。
私が話し掛けても、私の顔を見ず首を振るか頷くだけでしたね。
そうだ!
もしかしたら私の顔を真正面から見たのは、今日婚約破棄を言った時が初めてかもしれません」
そうです。
私も今気がつきました。
エドガー様のお顔って今日初めてしっかり確認をした気がします。
いつも横を向かれたり、うつ向いていたりして、まじまじと見た事がなかったのでした。
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