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不貞の濡れ衣を着せられて婚約破棄されましたが、お陰様で素敵な恋人が出来ました。  作者: 井波裕子


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9/10

今日がはじめてでした。

サン・ジュスト公爵とは先程言ったド・リール公爵家の親戚にあたる家系だったはずだ。

そうか、だからジュリアン様と従兄弟なのね。

ジュリアン様も同じ一族の侯爵家みたいだったし。

じゃなくて!

こ、公爵家に泊めて貰うなんて!

私のような弱小子爵令嬢がそんな大それた事。

私の心臓は跳ね上がって、心拍数がとんでもなく上がってる気がします。


「あ、あの私、あまりにも場違いな気がしているのですが…」


「そんなことはないですよ。

あなたもアンダーソン子爵家の令嬢でしょう?」

と優しく言ってくださる公爵様。


「い、いえ先程名乗ってしまいましたが、もう子爵家は追い出されると思いますので」


「どういう事です?」


「アル、僕から説明するよ」

ジュリアン様が私の代わりに、出会った経緯と私の今の状況を説明してくださいました。




「ダートン伯爵とは、いつも無口で社交の場でも無愛想な男だったと記憶しているがな」とサン・ジュスト公爵様。

公爵様はエドガー様と面識があったようです。


「ああ僕も今日、本人を見て思い出したよ。

エドガー・ダートン、あいつステラの話を全く聞かないで、母親と姉の言いなりだった」

とジュリアス様。

ほんとに物陰からしっかりみていたのですね。

そして、いつの間にか俺から僕に変わっています。

貴族としてのジュリアン様は僕なのですね。


「伯爵家当主が母親の言いなりとは、なさけない」

とため息をつく公爵様。


「そうですね。邸でエドガー様が意見を言っている所を見た事がないです。

いつもジータ様やイゾッタ様、デボラ様の言う事を無言で頷いていましたね。

彼女達に反対された事もないと思います。

多分私との婚約もあの3人に言われて決めたのでしょう。

エドガー様とは会話をした記憶が殆どなくて、目も合わせて貰えませんでしたから」


2人は私を凝視しています。


「あの…なにか?」私は不思議に思って聞くと。

「ステラ、確か伯爵家に10ヵ月同居していたと聞いたけど?」


「はい」


「その間、伯爵はあなたとの関係を深める努力をしていないと言う事か?」

今度はサン・ジュスト公爵様に質問されます。


「そうなりますね。2人っきりで話した事はありませんでした。

いつも義母か義姉達が一緒にいて、主にしゃべっていましたから。

私が話し掛けても、私の顔を見ず首を振るか頷くだけでしたね。

そうだ!

もしかしたら私の顔を真正面から見たのは、今日婚約破棄を言った時が初めてかもしれません」


そうです。

私も今気がつきました。

エドガー様のお顔って今日初めてしっかり確認をした気がします。


いつも横を向かれたり、うつ向いていたりして、まじまじと見た事がなかったのでした。




お読み頂きありがとうございます。


「聖女派遣いたします」もよろしくお願いします。

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