ダートン伯爵家の裏話
「「乾杯」」
グラスを掲げて上機嫌にワインを煽っているのは、ダートン伯爵の姉達イゾッタ、デボラの2人だ。
2人の目の前には母親のジータもいた。
「上手く行ったわねぇ。あの娘の間抜け面見たぁ? 笑いを堪えるの苦労したわ」とイゾッタ。
「さっき、あの娘の部屋を見に行ったの。 つい最近子爵家の義母から荷物が送られてきたでしょ?
まあまあのドレスが一杯だったわよ。あれなら1度くらい着て後は高く売れそうよ」とデボラ。
「あら、いいわね。後で見てこようかしら」とジータ。
3人で祝杯を上げ、散々飲み食いして満足したらしく、益々饒舌にステラを騙し財産全てを奪い取った事を武勇伝の様に話し出した。
「デボラが見つけて来たあの男チラッとしか見えなかったけど、結構いい感じだったわね。
何でも屋って聞いたけど、今度夜会に連れて行きたいわ
いい男を侍らすのって気持ちいいと思うの」
とイゾッタ。
「お姉様はすぐそう言う事言うけど、いくら顔のいい男でも、平民を夜会には連れて行かれないでしょ」
とデボラがあきれている。
「あら? 平民なの 貧乏男爵あたりかと思ったのに… 残念ね。
それより、エドガーは婚約破棄した事を不審に思っていないでしょうね?
私達がステラを騙してホテルで男と会わせた事喋っちゃだめよ。
エドガーは真面目だから私達が騙して追い出したと知ったら、ステラを探しに行きかねないもの」
「分かっているわよ。
基本的にはエドガーはステラを気に入っていたもの。
私達が騙さなければ、婚約破棄なんてしてくれなかったわよ」とデボラ。
「あの子は真面目すぎるのよ。
ステラと婚約させた時だって、あの子がステラに一目惚れして本当に結婚までさせないといけなくなるかとヒヤヒヤしたわ。
まあアンダーソン家は子爵家にしては事業が成功して財産は多かったみたいだから、数年ならいいかと思ったけど。
なのに、子爵は突然死んでしまうしあの後妻はもう援助金は出せないなんて言い出すから」
とジータがため息をつきます。
「まぁこれ以上お金が入って来ないなら、あんな娘お荷物でしかないものねぇ」
「とっとと追い出して、あの子の荷物をお金に替えて。
もう永久にサヨナラって感じよね」
2人が次々に言い募る。
そして3人で楽しそうにまた乾杯するのだった。




