お世話になります
ジュリアン様が私を呆れ顔で見ています。
「よくステラから婚約解消を申し出なかったね」
と言われました。
「そうですね。 父に何度か手紙で婚約解消をお願いしていたのですが、いい返事は貰えませんでした。
この婚約話は父の後妻のカミラ様が持ってきたものでしたが、今思えばカミラ様が解消を反対していたのかもしれません。
やっと邪魔な先妻の娘が家からいなくなった訳ですし」
と私はその後のカミラ様の仕打ちを思い出して、自分の推理が確信に変わっていきました。
「大体の事情は分かった。
やはり、原因の一端はリアンにありそうだ。
お詫びと言ってはなんだが、これからの事が決まるまで、ここに滞在されてはどうだろう。
もし困っている事があれば、相談にのるから言ってほしい」
とサン・ジュスト公爵様からの申し出です。
お2人はアル、リアンと呼ぶ程の仲なのね。本当に家族のように。
だからこその提案なのかな。
弟の仕出かした不始末を兄が代わりにみたいな感じかしら?
ハッキリ言ってとても有難い。
有難いけど本当に甘えてしまっていいのかしら?
いやいや、この際プライドや常識なんて吹っ飛ばして、飛び付かないと駄目だわ。
私にはもう帰れる家も先立つお金もないのだから。
「本当にお願いしてもよろしいのでしょうか?」私は念を押した。
「もちろんだよ。 アルは1度口にしたことは、覆さないから大丈夫」
なぜかジュリアン様が答えてくれました。
「リアンの言う通り、期限も気にしなくていい。
ここを出てやっていく自信がついて不安がなくなり納得出来るまで、ここに居ればいい」
なんて、慈悲深い提案でしょう。
私を騙そうとしたのが、ジュリアン様でよかった。
連れてこられたのが、ホテルでなく、サン・ジュスト公爵様の所でよかった。
「よろしくお願いいたします」
私は全面的にお世話になることを決めました。




