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4話 付き合ってもいないのにっ!

 いがみ合う2人を何とかしたいのだが、手が出ないというか足も動かない。

 全身が恐怖で強張って動けん……助けて店員さん。


「まぁやっぱその様子だと呼ばれてないよね、なら帰ったほうがいいと思うよ」

「は?は?は?なになにその言い方、ムカつくんですけど、てかなんでさっきから、そんな提案口調なの!ムカつくんですけど」


 琴葉のストレートな物言いに対して、アゲハは子供のようにキレ、こっちに詰め寄ってきた。

 おいおいやめろお前ら、俺を間に喧嘩すんなよ。

 つか琴葉さんはそろそろ俺の後ろから出てきたほうがいいのでは?


「落ち着けアゲハ、琴葉もそこら辺にしてくれ」


 2人の言い合いによって、店内がぼちぼちざわついてきたので、とりあえず仲裁に入ってみた。

 みたはいいのだが、アゲハめっちゃ睨んでくるし琴葉は服をギュッと掴んで離さない。

 うーん困った。

 まぁでもここにはそもそも琴葉と来てるわけだし……。

 よし、ここはアゲハの方に退場してもらう。


「落ち着けってなに、その女の味方するんだねタイヘイ!信じられないよ」

「味方って……つかちゃんと帰り遅れるって言ったんだし、家で待っててくれよ」

「やだ!怪しい行動は見過ごせない、心配だもん!」

「やめろよその彼女的なムーブ、怖いって」


 よしなんとかアゲハの攻撃ベクトルを俺に向けられたぞ、これで喧嘩は終わったはず。

 あとはこのままいつものように押し切って、アゲハを家に帰そう。


「ねぇちょっと待って、たいちゃんこの子とどういう関係なの?一緒に住んでるの?」

「へ?」


 まずいしまった、琴葉の存在を忘れてついいつもの調子でアゲハに接してしまっていた。

 しかも一緒に住んでんのもバレたっぽいし、これは終わったかな。


「そうだよ、私とタイヘイは一緒に住んでるんだよ、琴葉さんだっけ?琴葉さんはタイヘイのなに?」


 おいバカアゲハー!何煽ってんだ。

 てかタイヘイの何ってなんだよ、怖いよ聞き方初対面なんだし、もっと遠慮とかしなよほんとに。


「住んでるのわかったけど、その言い方はちょっとよくないよね、逆に住んでるあなたこそ何者なの?」


 か、カウンターだぁ!しかもバッチリ決まったぞ。

 言われたアゲハは固まってるし、これはもう勝負ありでは!


「あ、わ、私は……」

「私はなに?ちゃんと言ってほしいかな、聞いてる感じ彼女じゃないんだよね、それだと居候だよね」

「い、いそ……」


 い、言い過ぎだ。

 それは流石に言い過ぎだぞ琴葉。

 もう半分泣いてるよアゲハ。


「アゲハちゃんだっけ?はっきり言えないなら、ここは一旦帰ってほしいかな?」

「……うるさい」

「え?」

「うるさいんだよバーカ、付き合ってもないのにお前こそ何者なんだよ、ばぁかぁー!!」

『バン』

「ちょっアゲハ!待ってて」


 そう言って半泣きのアゲハは、扉を勢いよく開けてそのまま帰ってしまった。

 望んだことではあったが、これは……よくないな。


「あ、えっと、たいちゃん?改めて聞くけどあの子とは一ー」

「悪い琴葉、俺今日は帰るわ」

「え?」

「今日のことは今度また埋め合わせするし、アゲハの事もちゃんと話す、だけど今日は勘弁してくれごめんな」

「ちょ、え、たいちゃん!」


 そのまま俺は琴葉を振り切り、アゲハを追った。

 確かにアゲハは、生活力ないし彼女面するしムカつくことも多い、でもなんだろうな。

 アゲハが泣くのは見てられない。

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