第14話 両手に花だが、ただし片方が居候な件
「あ!たいちゃん見て!かき氷もあるよー」
「うまそっ、買っていくのもありだな」
アゲハや先輩とは離れ、今俺は念願だった琴葉と二人っきりで海を歩いている。
かき氷やお好み焼き屋さんをキラキラした笑顔で見る琴葉を見れて俺は幸せを感じていた。
「たいちゃん何味が好き?」
「え、レモンとかかな?」
「あ!同じだー、レモン美味しいよね!」
そう言って琴葉はニコッと笑った。
可愛い、可愛すぎる。
ていうか2人きりの今のうちに琴葉の水着を堪能しなくては。
先輩ほどでもないが琴葉も身長はそれなりに高く165センチほどはあると思う。
線は細く足は細くスラっとしていて、綺麗なくびれもある。
まさにモデル体型、そんな琴葉が選んだのは可愛いカーキー色のフリルの水着であり、見ていて涙が出そうなほどに美しい。
今日来れて本当に良かった、あわよくば2人きりで来たかったがこの際そんな些細なことはどうでもいい。
「あ、たいちゃん!みてみてこの海の家のメニュー、焼きそばあるよ」
「お、マジか、お目当てのものが手に入りそうだな」
そう言って琴葉はメニューを見るべく、いい具合に屈んだ。
その時、琴葉の胸元に自然と視線がいきそうなった。
いかん、いかんぞ、ここは紳士的に振る舞え、ここで誘惑に負けて万が一にでも見ていたことがバレてみろ。
その時点でゲームオーバーだ、耐えろ耐えるんだ泰平。
くっそでもこの誘惑には勝てん……。
そうして俺は同じくメニューを見るべく屈んだフリをして一瞬、琴葉の胸元に視線を落とした。
凄い大きいわけではないが、決して小さくないサイズ感、これはこれでありだな。
一体俺はなにをやっているんだろうな……。
「いいのたいちゃん、奢ってもらっちゃって」
「もちろんだ、俺も今日は楽しいし、バイト漬けの毎日のいい気晴らしにもなった」
「そう、それならいいんだけど」
焼きそばくらい何個だって奢ってやりたい。
そう思う俺がいた。
ちょいちょい後ろを確認してはいるが、アゲハはまだついてきていないようだった。
あいつのことだから、すぐに2人でいなくなったことに気がついて追ってくると思ったが、意外とそんなこともなかったようだな。
少し安心した。
「ふーん、焼きそば買ってあげたんだね、優しいじゃん"たいちゃん"」
「アゲハ!お前、一体どこから」
「ふふ、あまいよたいちゃん、私はずっとあなたの後ろにいたよ」
「ありえん、警戒していたのに」
「言うほど警戒できてなかったよ、ずっとその女見てたし」
な、なんだとそんなはずは。
いや全然あるな、正直警戒はしていたけどそんなこと忘れてしまうくらいに琴葉を見ていたしな。
うーん、さてどうしたものか。
「ねぇたいちゃん、あっちいこ」
そう言って琴葉が俺の右腕を掴んできた。
おーいなんだその可愛い技は、そんなんされたらついて行く選択肢以外ないんだが!
そうして俺の身体は琴葉の方へと流れていった。
「あ?何してんだよこのバカ女、たいちゃんはあたしのだよ!」
そう言って今度は左腕をアゲハが引っ張った。
痛い、痛すぎる、腕がもげる。
力強過ぎるだろ、アゲハのやつ。
「あのごめんだけど、離してほしいかな、たいちゃんと焼きそば買いにきたのは私だし」
「うるせぇよバカ女、勝手に抜け駆けしやがって」
俺を間に挟んで喧嘩はやめてくれないか。
アゲハの力強過ぎて腕がマジでもげそう。
あとおそらくアゲハのやつは気づいてないだろうが、琴葉は別に俺の腕を強く引っ張ってはいない。
俺が抵抗しているんだ、絶対にアゲハの方になんていってたまるか。




