第12話 夏はやっぱり海じゃない?
8月のお盆前最後の土曜日、この日俺は琴葉に誘われて、渋谷に遊びにきていた。
「あ、たいちゃん!おはよー」
ハチ公前で待っていると、茶色のミニスカに英語が印字されたおしゃれなシャツを着た琴葉が話しかけてきた。
「おっすー」
相変わらず今日も可愛い
時刻は朝10時、今日はこれから映画を見て遅めのランチを食べる予定になっている。
「じゃあ行こっか」
「おう」
観る映画はラブコメもので、女子人気が高そうなやつを選んだ。
本当はヒーローものとか観たかったけど、琴葉がつまらなさそうにしていたら、俺が死ぬのでそれはやめた。
まぁヒーローものならアゲハとでも行けばいいしな。
「たいちゃん、ヒーローものじゃなくて良かったの?」
「え、なんで?」
「だってたいちゃん、ヒーローとか昔から好きじゃん」
確かに俺は昔からヒーロとか好きだった……まさか覚えててくれてるとは、泣きそう。
「ああ好きだよ、でもいいんだよ琴葉とはラブコメ観たかったし、それにヒーローものならアゲハを誘えばいいわけだし」
「え、アゲハちゃん?」
アゲハの名前を聞き、琴葉の表情が険しくなった。
「お、おう、あいつヒーローもの好きでさよく2人で映画とか行くし」
「よく行く……たいちゃん、アゲハちゃんと仲良いよね」
「良いっていうか、行きやすいというか……」
「ねね、じゃあさ今日観る映画、ヒーローものに変更しない?」
なんだ、急にどうしたんだ。
もしかして琴葉もヒーローが良かったのか、そらならラブコメはまずかったな。
まぁでも今からならまだ変更間に合うし、それでいっか。
「全然いいよ」
「やったー!これでアゲハちゃんと観に行かなくて済むね」
「おおそうだな!」
なんだよそんな、俺がアゲハと観に行く手間を考えて変更してくれるなんて、琴葉はなんていい子なんだ。
よし、飲み物とポップコーンは俺が奢ろう。
そうして俺と琴葉はヒーローものの映画を観ることにした。
「結構おもしろかったね!」
「ああ最高だったな」
今回見た映画は、昔やっていた映画のリメイクだったのだが、現代風にアレンジされており昔を感じさせない作品に仕上がっていた。
それでいて過去の良かったところ残っており、俺としては大満足である。
「たいちゃん、お腹も空いたしご飯にしよ?」
「おう賛成だ!」
映画見た後はハンバーガーを食べる、これは俺のルーティンである。
したがって今回もそのルーティンに従い、お気に入りのハンバーガーショップに行くつもりだ。
「琴葉はハンバーガーとか好き?」
「うん、好きだよー」
よし琴葉も好きらしい。
これはもうハンバーガー、一択だな。
「たいちゃんはさ、夏行きたいところとかある?」
「え、行きたいところ?」
「そうそう!」
ハンバーガーショップへ向かおうとすると、琴葉がなにやら聞いてきた。
おいおいなんだよ急に、そりゃ夏といえばプールとか山とか川とか、色々あるけどさ。
やっぱり行きたいのは。
「夏はやっぱり海じゃない?」
「おー、たいちゃんは海派なんだね」
地元が山ばっかだったからな。
海は好きだ、それに海に行けば可愛い女の子が沢山いる、しかも水着。
そんなの嫌いな男いるのだろうか、いやいないだろう。
「ならさたいちゃん、海行こうよ」
「え?」
「私と2人きりでさ」
なんだなんだ薮からスティックすぎるだろ。
そんなイベント行かないわけないじゃん!




