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第11話 酒は飲んでも飲まれるなだろ。



 『かんぱーい!!』

 「はーい、かんぱい」

 

 夜7時、アゲハと先輩のハイテンションな乾杯の掛け声が店内に響いた。

 バイトが終わった後、すぐにアゲハと合流した俺と先輩はよく行く飲み屋である、鷲貴族に来た。

 ここは基本全品350円と破格の値段設定をしており、金欠大学生達の溜まり場となっている。


 「おいアゲハ、今日はしっかり時間通りに来たじゃん、偉いねー!!」

 

 先輩はそう言ってアゲハの頭をぐしゃぐしゃにした。

 あれって犬にやる時のやつだよな、もしかして先輩犬飼ってるのかな?


「やめてよ先輩、私だってそんないつも時間通りに来ないやばい奴じゃないんだからね」

 

 いやいや、やばい奴だよ。

 俺もアゲハと付き合いが長い方だが、正直アゲハが時間通りに来た事なんて数えるほどしかない。

 しかも大体が大好きな格ゲー関連のイベントだ。

 今回は飲みだってのに時間通りにきた、これは何かあったな。


 「アゲハ、お前もしかして何か嫌なことでもあったのか?」

 「え、いやいや無いけど、何その勘繰りかたやめてよたいちゃん」

 「いやあったろ、もしかして例のバイトの面接落ちたのか?」

 「へ?いやいや落ちてないし、自分から断ったし!!」


 アゲハ全力で否定しているが、この感じ落ちたな。

 夏休みに入り家でずっとゴロゴロしていたアゲハにムカついた俺が、バイトした事ない奴は社会に出ても役に立たないぞと言ったところ、バイトくらいできるもんと舐めんなバカと言い放ち、近くのスーパーの面接をアゲハは受けた。

 まったく面接なんて余裕とか言っていたくせに落ちるとか、情けない奴め。


 「やっぱり当日遅刻したのがまずかったな」

 「うん、時間守れない人は厳しいって言われた……って別に言われたは言われたけど、そのあと採用になって私が断ったんだけどね!」


 無理すんなって。

 アゲハは酔いも相まって半分泣いている。

 そんな奴の採用されたけど断ったは、信じられるわけないでしょうに……。


 「偉いなアゲハ!ちゃんと面接行っただけでもお前偉いよ」

 「え、そうですか?」

 「そうだよ偉いよ、アゲハは偉い!」

 「えへへ、先輩ありがとう」


 でた先輩のひたすら褒めて褒めて褒めまくる戦法。

 俺も昔やられた事があるが、先輩は酔っ払うとめっちゃ褒めてくる。

 アゲハは自己肯定力が低めだから効くだろうな……。

 てか面接落ちた奴の何が偉いんだろうか。


 「先輩もアゲハも飲み過ぎです、その辺にしとかないと」

 「なんだと五反田!酒は飲みすぎてなんぼだろ」

 「そうだよたいちゃん!酒は飲んでも飲まれないだよ」

 「お、おうそうだな」


 つかそれを言うなら酒は飲んでも飲まれるなだろ。

 そうしてアゲハと先輩はそこから1時間半でレモンサワー7杯、梅酒3杯を飲み先輩は笑顔で帰ったが、アゲハはトイレから中々出てこなかった。


 




 


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