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前世のペットを召喚できる俺、どの子もこの世界では規格外でした ~レベル解放で家族が増える召喚士~  作者: いたちのこてつ


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第25話 全員での連携

「……来るよ、みんな!」


カケルの叫びと同時に、フォレストガーディアンの巨大な蔓が、まるで意思を持つ槍のように突き出された。


「ワサビ君、巨大化して叩き落として!」


カケルの指示に、ワサビ君がカケルの肩から音もなく地面へと降り、一瞬にして大型犬ほどのサイズへと巨大化した。近くの太い樹木に尾を巻き付けて身体を固定し、踏ん張る。凄まじい速度で射出された舌が、飛来する蔓の先端を真っ向から打ち抜いた。


鈍い衝撃音とともに蔓が弾かれ、カケルの数センチ横を虚しく通り抜ける。


その間も、カケルの脳内にはナビゲーターを介してキンカチョウたちからの広域報告が流れ込み続けていた。


『警告:右後方から二次攻撃を検知。』


「ほっぺ、右だ! 【呼び寄せ】!!」


頭上のほっぺが、鼓膜を震わせるような鋭い呼び鳴きを上げた。フォレストガーディアンの注意がわずかに逸れ、横薙ぎに振るわれた枝が空を切る。


「……野郎ッ! 好き勝手させねえぞ!」


倒れた仲間たちの前に立ち塞がっていたベリックが、重厚な大剣を振り抜いた。空を切った直後の蔓を逃さず、全体重を乗せた一撃で叩き伏せる。


「カケル、次は何だ! 何か仕掛けるんだろ!!」


ベリックの叫び。彼はボロボロになりながらも、前衛としての誇りを捨てていなかった。


カケルの足元で、見たこともない大きなクモたちが身構えるのを目にし、ベリックはそれがカケルの「次の一手」だと直感した。フォレストガーディアンが放つ細かな枝の残骸を盾と剣で強引に弾き飛ばし、カケルと二匹のクモが狙われないよう必死にその身を盾にする。


茶渋が影を縫って懐に飛び込み、ワサビ君が迎撃し、四羽のキンカチョウが周囲を旋回して他の魔物の乱入を防ぐ。そのすべての中心で、カケルは魔力の奔流に耐え、喉を焼くような集中力を維持し続けた。


「茶渋、まだだ! 懐に潜り込んだまま、キョロとチョロの準備を待って!」


巨大化した茶渋が、フォレストガーディアンの元で身を低くする。彼女の鋭い爪が巨大な幹を削り取るが、Bランク魔獣の再生力は凄まじい。決定打には至らない。


戦いは、カケルの予想以上に長期化していた。一秒ごとに、心臓の奥から魔力が削り取られていく実感がカケルを襲う。指先が震え、視界がかすかに揺らぎ始めた。


(……魔力が、持たない。一気に決める!)


「キョロ、チョロ! 今だ、【蜘蛛の糸】で拘束!!」


カケルの足元にいた二匹のクモが、鋭く腹部をフォレストガーディアンへと向け、白銀の糸を矢のような速さで射出した。空中で網状に展開された糸が、フォレストガーディアンの巨体を絡め取っていく。


ギチ、ギチ、と凄まじい軋み音が響く。フォレストガーディアンが身悶えするが、キョロとチョロが次々と放つ糸の重層拘束は、その巨体さえも地面に縫い止めた。


「ベリックさん、今です!」


「……上出来だ! ――『パワーバッシュ』ッ!!」


ベリックが踏み込み、拘束された幹の根本へ渾身の一撃を叩き込む。幹が激しく震え、フォレストガーディアンの姿勢が大きく崩れた。


「……茶渋、お願いだ! 一気に決めて!!」


カケルの最後の魔力が、茶渋へと流れ込む。


サビ猫の体躯が、さらに一回り大きく膨れ上がった。黄金の瞳が鋭く光り、彼女は拘束され、ベリックの追撃で無防備になったフォレストガーディアンの、腹にむき出しになっている魔石へと飛んだ。


「いけぇッ!!」


閃光のような爪撃。茶渋の両前脚が十字に振るわれ、フォレストガーディアンの魔石を容赦なく引き裂いた。


断末魔の叫びもなく、森の番人はその巨体を白く変色させ、崩れ落ちる。


「……はぁ、はぁ……みんな……無事、か……?」


カケルがそう口にした瞬間、限界を超えていた魔力と精神が完全に底を突いた。急激な脱力感が彼を襲う。カケルの膝から力が抜け、そのまま森の土の上へと倒れ込んだ。


「カケル! おい、カケル!」


意識が遠のく中、駆け寄ってくるベリックの焦ったような声が聞こえる。だが、それ以上にカケルの頬に触れたのは、家族たちの温もりだった。


心配そうに顔を覗き込む茶渋の鼻先、頭に寄り添うほっぺの羽の感触。


(……守れた……よかった……)


安堵の溜息を一つ残し、カケルの意識は深い闇の中へと沈んでいった。

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