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前世のペットを召喚できる俺、どの子もこの世界では規格外でした ~レベル解放で家族が増える召喚士~  作者: いたちのこてつ


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第23話 効率的な経験値稼ぎと、新たな家族の合流

ベリックたち「鉄の牙」との共同依頼を終えてからも、カケルの日常に大きな浮足立ちを見ることはなかった。彼は変わらず、キンカチョウたちに索敵を任せ、ほっぺに誘い出させ、茶渋とワサビ君が仕留めるという完成されたルーチンを繰り返した。


死体の処理から魔石の精製までを家族たちだけで完結させるその効率性は、他の冒険者の半分の時間で全ての工程を終わらせてしまうほどだった。カケルは盤スタな布陣となったパーティとともに、連日途切れることなく依頼をこなし続けた。


連戦の最中、脳内には絶えずナビゲーターの無機質な報告が響いていた。


『対象:フォレストウルフ(Dランク)の討伐を確認。』

『召喚獣:ワサビのレベルが16に上昇しました』

『召喚獣:茶渋のレベルが17に上昇しました』


カケルは家族たちの確かな成長を実感しながらも、歩みを止めなかった。彼にとってのレベルアップは、単なる強さの指標ではなく、まだ見ぬ家族を迎え入れるための唯一の手段だからだ。


そうしてDランクへの昇格から数週間が過ぎた頃、待ち望んでいた成果が、ついに形となって現れた。


『対象:フォレストウルフ(Dランク)の討伐を確認。』

『召喚獣:ワサビのレベルが19に上昇しました』

『召喚獣:茶渋のレベルが20に上昇しました』

『召喚獣:ほっぺのレベルが12に上昇しました』

『召喚獣:ピー太郎、ピー次郎、プー子、ペー子のレベルが12に上昇しました』

『オーナー:カケル・モリシタの召喚士レベルが7に上昇しました』

『新たな召喚枠「奇虫」が解放されます』


「次は奇虫か!……ということは、あの子たちだ!」


カケルは一瞬だけ目を丸くしたが、すぐにその顔は歓喜に染まった。


カケルは込み上げる喜びを抑え、足早に帰宅した。部屋の鍵を閉めると、逸る気持ちを抑えて深呼吸をする。


脳内のナビゲーターを介して、家族たちの情報の再構築を命じる。


(おいで、キョロ。チョロ……)


カケルの足元に、淡い魔力の光が二つ灯る。そこから這い出してきたのは、三十センチほどに巨大化した、二匹のリーガルジャンピングスパイダーだった。


ハエトリグモの最大種。前世では指先に乗るほど小さかった彼らだが、今は抱えるほどのサイズになっている。しかし、その特徴的な姿は変わっていない。全体を覆うもふもふとした黒と白の毛。正面に並んだ、ウルウルとした大きな眼。そして、メタリックグリーンと茶色に輝く牙。


「……っ、大きくなっても可愛いな! 正直、小さいまま召喚されたらどうしようかと思ったよ」


カケルは膝をつき、驚かせないよう慎重に指先を差し出した。キョロとチョロは、ハエトリグモ特有のコミカルな動きでピコピコと首をかしげ、八つの瞳でカケルを観察する。やがて、カケルの指先にそっと触肢を伸ばし、安全な場所であることを確かめるように周囲を歩き回り始めた。


視線が合うたびにキョロが首をかしげる仕草は、前世と少しも変わらない。指先にわずかに触れる、絹のように繊細な毛の質感だけで、カケルの心は十分に満たされていた。


キョロとチョロは、カケルの存在を認識すると、興味を失ったかのように部屋の隅へと跳躍した。三十センチの巨体でありながら、その動きは驚くほど軽やかで音がない。


カケルは脳内のナビゲーターを呼び出し、新しく加わった二匹の詳細を確認する。


────────────────

【召喚獣詳細】

名称:キョロ・チョロ

種族:リーガルジャンピングスパイダー

レベル:1


【固有スキル】

・蜘蛛の糸:粘着糸による罠の設置、糸を飛ばしての敵の捕縛

────────────────


(罠と捕縛ができるのか……キョロとチョロが加われば、戦い方の幅はさらに広がる。あの子たちが危険にさらされないような、もっと確実な連携を考えないと)


カケルは、壁に張り付いて自身のねぐらを糸で作り始めた二匹を見つめながら、新しい家族との静かな再会を楽しんでいた。

執筆の励みになりますので、続きを読みたいと思っていただけたら、ぜひブックマークよろしくお願いします!評価もいただけると嬉しいです。


今回登場したのは「リーガルジャンピングスパイダー」というクモです。クモというと気持ち悪い!と感じる方も多いかもしれませんが、本種は非常にかわいい見た目をしております。


挿絵(By みてみん)

※AIで生成しています


ハエトリグモの中でも最大級のサイズを誇り、正面に並んだ大きな瞳と、もふもふとした毛並みが特徴です。非常に視力が良く、動くものをじっと見つめたり、首をかしげたりする愛らしい仕草を見せるため、海外では「世界一可愛いクモ」としてペットとしても非常に人気があります。黒い方がオスで、メスは茶色い見た目をしています。



本作の他にも、完結済みの作品を公開中です。


■魔王軍、おもてなしの極致 〜聖女の笑顔のために軍予算を「観光」へ全振りしたら、魔界が爆益を上げ始めた件〜

https://ncode.syosetu.com/n1299lr/


■人間嫌いの私は闇の精霊(上級)に転生しました。~見た目が「黒い毛玉」なので無能と罵られましたが、契約主の孤独な侯爵令嬢と共にレベルアップして毒親たちを断罪します~

https://ncode.syosetu.com/n5749lp/


■異世界コンサルはじめました。~元ワーホリマーケター、商売知識で成り上がる~

https://ncode.syosetu.com/n5582kv/


ぜひこちらもお願いいたします!

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