ピンチ・オブ・フレンド
昼休みの屋上。
サクラはお弁当を広げながら鼻歌を歌っていた。
「サクラ、最近なんかやたら機嫌いいよね」
友人の夏川ミホがそう言うと、サクラはニッコリと笑う。
「そう?いつも通りじゃない?」
「いやいや、絶対違うって。いつも明るいけど最近二割り増しくらいで明るいよ」
「えー?そうかなあ、わかんない。」
サクラは全く気にしていない様子でお弁当をつまむ。
ミホは微笑みつつも深いため息をついた。
「そういうミホは最近元気ないよね?」
サクラが問いかけると、一瞬ためらった後、小さな声で話し始めた。
「実は……石田君って知ってる?」
「石田?あのヤンキーの?」
ウチの高校の近くにある工業高校に通っている男で、そこそこ有名な不良だ。ちょいちょいウチの生徒がちょっかいを掛けられたと聞くことがある。
ミホは静かに頷いた。
「最近、あの人にしつこく言い寄られてて……『付き合え』って毎日のように言われるの」
「なにそれ最悪じゃん!断ったら?」
「もう断ったよ……でも、それで終わらなくて……」
そう言って、ミホは袖をまくった。そこには青あざができていた。
「これ……石田に?」
「直接じゃないけど、腕を掴まれて力が強くて……」
サクラは怒りに拳を握りしめる。
「こんなの放っておけないよ!先生に言おう!」
「だめ!先生に相談したら石田にバレるし、きっともっとひどいことされる……」
ミホの震える声に、サクラはパッと顔を上げた。
「よし。じゃあ、淡海君に頼もう!」
「淡海君?誰それ?」
「ウチらのタメの男子だよ!超頼りになるんだよ!こないだもレンガ粉々にしてたし!」
「え?レンガ粉々?何それ、怖いんだけど……」
「とにかく、力がすごいの!絶対なんとかしてくれるから!」
どう頼むかなんて全く考えていないが、サクラは勢いだけで断言する。
「よし、放課後に淡海君のところ行こう!」
「えぇ……大丈夫かな、それ……」
不安そうなミホをよそに、サクラはすっかりその気だった。
■夏川ミホ(00001)
みなさん、こんにちは!いつも読んでいただきありがとうございます!
こうして皆さんに物語をお届けできるのは、本当に幸せなことだと感じています。感謝の気持ちでいっぱいです!
この物語は定期的に更新を目指しており、皆さんと一緒に成長していきたいと考えています。少しでも続きが気になるような展開をお届けできたら嬉しいです!
ちなみに、途中で「あれ?前に読んだ内容がちょっと変わってる?」と感じることがあるかもしれません。それは物語の本筋を変えない範囲で、文章や展開をブラッシュアップしているからです。より楽しんでいただけるよう、細かい部分をちょこちょこ改稿するのが作者の趣味なんです(笑)。
そして最後に……
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それでは、今日も物語の世界へどうぞ!
お楽しみいただけますように!